ラップランド大学 文化創造学科3年 原田裕作 <3号 2022年1~2月>

 フィンランドに到着した時は長く感じた留学生活ですが、気づくと残りわずかとなりました。今回の報告書では、フィンランドの年明けや春セメスターの授業の内容、帰国に向けた予定などについて書いていきます。

フィンランドでの年明け

 フィンランドでは、クリスマスを伝統的行事として重んじる一方、正月は日本と比べてそこまで盛り上がりをみせるイベントではないみたいです。僕たちは他の日本人留学生とともに雰囲気だけ日本的な年越しを過ごしました。日本ではわりと一般的なイメージのある初日の出ですがフィンランドでは1月は水平線上に太陽が上がらないので少し寂しい感じも。そんなフィンランドですが年越しのカウントダウンとして街のあらゆるところで花火を打ち上げるという文化があります。この国では基本的に個人が花火を打ち上げることは禁止なのですが、12月31日の18時から1月1日の2時までの8時間という限られた時間だけ解禁となり、花火を打ち上げてみんなで盛り上がります。アパートからも大きな花火を見ることができました!

新たな講義

 1月からセメスターが変わり、新たな講義が始まりました。僕は通常の講義で単位を取得するものと自分自身でプロジェクトを行ってそれに要した時間を振り替える二つの方法で単位を取得します。講義はデザインの授業が中心で北欧のデザインについて様々な分野の先生がレクチャーをする講義やCGでデザイン画を組み立てたり、ポートフォリオ制作をするという実践的なものなど様々です。年明けから始まった特に印象的だった講義について二つご紹介します。一つ目は「Innovation in Clothing Design」という講義で、服飾デザインの中で「革新と発明」について深く研究し、自分の考えを反映させた作品をデザインします。講義の中ではグループディスカッションなどもあり、漠然とした概念についてフィンランドの学生と意見を交わし合うことで、自分の考え方が変わったり新たな気づきを得ることができます。フィンランドに来てからは少しディスカッションに苦手意識もありましたが、少しずつ抵抗が無くなってきたような気がします。英語力がそこまで大きく変わったかは分かりませんが、ある程度自身をもって話せるようになったというところが、ディスカッションでも生きてきたのだと思います。二つ目はPrintingのワークショップで、布にプリントする様々な方法を実践を通して学びます。特にメインとなるのはシルクスクリーン技法でハンドプリンティングの代表的な方法です。自分がデザインしたイラストを基に専用の道具を使って着色します。このワークショップの最後にはプレゼンテーションと学内展示が予定されています。この講義はまだ受講している最中ですが、残りの留学生活において貴重なワークショップの時間を大切にしていきたいと思います。


Printing ワークショップ

余暇の過ごし方

 残りの留学期間を意識しだすようになり、講義以外の時間も大学で課題や作業をやる日が多くなってきました。空いた時間にはできる限り留学先の人と交流することを心掛け、近くに住んでいる人とパーティーをしたり、学生プログラムに参加したりしました。大学の外で留学生と話す中では単純に英語を使ってコミュニケーションを取る機会が増えるだけではなく、文化の違いに驚かされたりといい刺激を受けることができました。

他の留学生とパーティー



みんなでカードゲーム(学生プログラム)

ロバニエミのミュージアム

 普段の生活の中心地であるセンター街の近くには北欧の芸術や文化を研究・展示しているミュージアムがたくさんあります。今まで行ったことあるところが多いですが、大学で課された課題をするため、改めて見て回る機会がありました。それぞれ特徴があるミュージアムばかりでロバニエミらしい展示やラップランドならではの資料を見ることができます。定期的に展示内容が変わるところも多く、新鮮な気持ちで楽しむことができました。 留学で海外に行く人はその文化や歴史を自分の目で見ることができるので、ミュージアム巡りはおススメです! ロバニエミを含めフィンランド国内のミュージアムを回る時には1年間有効なミュージアムカードを利用できます。これを一度購入すると、それ以降は期間内ほとんどのフィンランド国内のミュージアムをカードの提示だけで入場することができます。留学中、博物館や美術館にたくさん行きたい!という方は是非チェックしてみてください。

ロバニエミのミュージアム Arktikum

今後の予定

 僕が履修している講義は4月中旬までの予定なので、それが終了次第、日本に帰国する予定です。残りフィンランドで過ごせる期間は限られているので、今済んでいるロバニエミを離れてからも少しフィンランド国内を旅行しようと計画しています。様々な人に協力してもらいながら実現したフィンランドでの留学生活、最後まで悔いの残らない計画にしていきます!