フィンランドでの生活もいよいよ折り返しとなり、残りの滞在期間を意識し始めるようになりました。現地は本格的な冬を迎えて、辺りは深く雪が積もっています。今回のレポートでは第一セメスターの後半からの大学生活やフィンランドのクリスマスの様子について書いていきます。

慣れ始めた大学生活

　フィンランドに来てから二か月を経過し、大学生活に慣れてきました。講義はひとつのセメスターの中でも大きく前・後半に分かれており、9月から開始した講義は終わり、新たな講義が始まりました。ラップランド大学の講義は最終試験によって評価されます。最終試験の方法はペーパーテストやプレゼンテーションなどです。明確な試験週間があるわけではないので、計画的に講義ごとにスケジュールを組み、自分で勉強する必要があります。また、もし講義内容やテストに関して質問があれば、その都度先生に確認することが大切です。特に第一セメスターの中で印象的だったのは「Finnish Design（フィンランドのデザイン）」のグループワーク中心の講義で、これは最終試験としてプレゼンテーションを行いました。英語を使ってのコミュニケーションには不安もあり、うまく行かないところもたくさんありましたが、最後までやり切れたことは自信につながりました。
　後半の講義は「サービスデザイン」というデザイン概念を学ぶものや「ドローイング（スケッチ）」「ウェービング（機織り）」など技術指導を伴う講義を履修しました。県立大学では設備的に難しい学びもでき、非常に充実した留学生活だと実感しています。
　講義以外の学びの場として、カフェリンガ（cafe lingua）という様々な国の語学・文化を学ぶワークショップに参加しています。これはそれぞれの国出身の留学生がリーダーを務めて、その国の文化に興味ある人がひとつのグループとなります。その中で定期的に集まり、リーダー中心にその文化について話したり、イベントなどを企画する中で、文化や語学についての理解を深めようというものです。僕は前期にイタリア語を勉強していたこともあり、イタリアの文化を学ぶグループに主に参加していました。講義の中で学ぶだけではなく、このような交流を通して文化を学ぶということは初めての機会だったため、非常に楽しく、さらに文化への興味を持つことができました。

余暇の過ごし方

　大学の講義以外の時間はデザインの作品制作や講義で課された課題をするため大学にいることが多くなりましたが、まとまった休日には中国出身の友達とフィンランド内を旅行しました。いくつかの地域をバスで移動して回り、ログハウスに宿泊しました。特に「イナリ」で見た北欧を象徴するような雪が深く積もる森林の風景は特に印象的でした。またフィンランド出身の友人に誘ってもらって、休日には大自然の中にあるコテージで過ごしました。フィンランドでは週末や長期休暇を大切にし、別荘やレンタルコテージなどで家族と過ごすという習慣があります。水道や電子コンロなど普段から当たり前のように使っているものがない一方、伝統的な薪サウナなどを体験でき、とても有意義な時間でした。
　12月に入ってからはフィンランドに来て初めてのウィンタースポーツを体験しました。ロヴァニエミにあるスキー場に行き、フィンランドの大自然の中でスキーやスノーボードをしたことはすごく貴重な思い出です。

友人に招待していただいた別荘

フィンランドの大自然

フィンランドのクリスマス

　クリスマスの印象が強いフィンランドですが、ロヴァニエミには本物のサンタクロースに会うことができるサンタ村（サンタビレッジ）があります。そこでは1年中クリスマスの雰囲気を味わうことができ、特に10月以降は街にイルミネーションが飾られ、クリスマスツリーに電飾が施されるなど、より一層クリスマスの雰囲気を感じるようになります。25日はフィンランド人の友人の家にお邪魔させて頂き、本場のクリスマスを体験することができました。フィンランドではクリスマス前に「ピパリ」（pipari）と呼ばれるジンジャークッキーを焼く風習があり、今回はその「ピパリ作り」も体験しました。留学生の友人との関係だけでは得られない、フィンランドならではの経験ができる機会をこれからも大切にしていきたいと思います。

今後の予定

　1月より第二セメスターとして、新たな講義がスタートします。残りの期間は大学のレクチャーだけではなく、フィンランドでしかできないプロジェクトを自分で作り出し、現地の学生と協力してもらいながら取り組んでいく予定です。自分でやりたいことを大学の先生に相談することで、自主的な活動についても取り組みやすいというのもラップランド大学の魅力です。そのため今後、留学を検討している人は、滞在期間中にいくつかやりたいことや達成したいことなどの目標を定めておくことは重要な準備になるかと思います。