Moi!(フィンランド語で「こんにちは!」という意味です。)
フィンランド暮らしを始めて、もうすぐ3ヶ月が経とうとしています。
今後、ラップランド大学に留学を考えている皆さん、北欧に興味のある皆さん、そうでなくてもこの報告書を読んでくれている皆さんに、私のフィンランドでの学びと暮らしをシェアできたらと思っています。

アパートの近く
出国とロヴァニエミまでの道のりについて
8月16日に名古屋空港からフィンエアーの直行便でヘルシンキ入りし、3日間程知人のフィンランド人ファミリー宅に宿泊させてもらいました。出国前のビザの申請は全て自分でするので、少しでもラップランド大学への留学を考えている方は、駐日フィンランド大使館のホームページで事前に詳細を確認しておくと余裕を持って準備ができると思います。そして19日にnorwegian air LCC(Low Cost Carrier)の国内線でヘルシンキから北上し、ラップランド大学のあるロヴァニエミに移動しました。フィンエアーは高いので、日本からヘルシンキまではフィンエアーを利用し、ヘルシンキからロヴァニエミまでは国内線(約1時間半)もしくは、VRという夜行・長距離電車(約8時間)で北上することをお勧めします。大学生活
8月21日から、1週間留学生用オリエンテーションに参加しました。ESN(学生会)がほかの留学生と交流を深められるようにと様々なイベントを計画してくれているので、ぜひ参加してみてください。9月から本格的に授業が始まりました。授業は、前期・後期用に固定の時間割表はありません。そのため、同じ時間に取りたい授業が重なってしまうということも少なくありません。自分の学習計画から毎日取捨選択します。また、山口県立大学の授業時間は1コマ1時間半ですが、こちらでは一番短い授業時間が2時間です。最初は自分のペースを掴むまで大変でしたが、慣れてくると「お!2時間授業か。今日は楽だな」と気持ちに余裕を持って学ぶ姿勢ができてきました。ここまででもしかすると結構不安になった皆さんもいると思うのですが、"TUUDO"というフィンランドの大学共通のアプリケーションがあり、自分が履修登録した授業の時間割を自動的に組んでくれる便利なものがあります。ほとんどの学生がこれを使って1日のタイムスケジュールを管理しています。私はこのアプリケーションにおおいに助けられています。現在始まっている授業は"Arctic Design Project(Finnish/English)""Finnish Culture(English)""Printing Workshop(English)""English:Reading Comprehension""Materiaalit ja muoto(ファッションマテリアルについてby Finnish)""Luova vaatets(Fashion Design-by Finnish)"です。この他にもいくつか興味のある分野のデザインの授業を履修しています。フィンランドの大学でのプロジェクトの授業は、実際に企業がスポンサーにつきイベントを一からデザインしていくという、かなり実践的なものだということを聞いていたので、絶対に留学中にプロジェクトの授業を履修したいと思っていました。ちなみに私のプロジェクトは"Cumulus Conference"です。開催大学は毎年異なりますが、来年の春にラップランド大学が開催します。
"Cumulus is the only global association to serve art and design education and research. It is a forum for partnership and transfer of knowledge and best practices. Cumulus consists currently of 257 members from 54 countries."
(Cumulus HPより)
このプロジェクトは"Faculty of Art and Design"の学生を対象に開講されています。昨年、山口県立大学で「サービスデザイン論」の授業を履修し、問題定義やデザイン思考を通してより良いサービス環境を作り上げていくプロセスのサービスデザインに興味を持ちましたが、この授業ではどのプロジェクトを選んでも全てに実践的なサービスデザインを自ら考案、体験することができ、去年学んだ知識をアウトプットできる絶好の機会です。このプロジェクトを履修している留学生は私1人だけです。これはフィンランド人学生対象の授業なので、本来フィンランド語開講のクラスでした。そのため、まさか自分だけだとは予想していなかったので、「私1人のためにお手数おかけしてすみません。履修できなければ大丈夫です。」と担当教員に伝えると、「あなたが希望するプロジェクトに入れるように頑張りましょう。」と言ってくれました。そして初回ではフィンランド語だったスライドが次回から英語に変わっていました。このたった「1」人でさえも、どう一緒に同じことを学ばせるか。フィンランド教育の根底にある「誰もが平等に、同じ」ということが垣間見れたような瞬間で、とても幸せに感じました。
「前例がなくてもフレキシブルに対応してくれる→学びたいことが学べる」
フィンランド人の国民性はシャイですが、こちら側から助けを求めると喜んで助けてくれます。そのため分からないときは助けを求めまくっています。学びたいこと、興味のあること、分からないことがあれば自己解決せずにクラスメイトや先生に相談してみましょう。特に先生は何らかの解決策を一緒に考えてくれます。プロジェクトメンバーにも恵まれ、グラフィック、インダストリアル、テキスタイルの学生全員が多くの可能性を持っていて、一人一人違う背景を持ちそれぞれにスキルを持っている人たちと協働します。「私はこのプロジェクトにどう貢献することができるだろう?」彼らと話し合いながらいつも考えていることです。私はここまで大規模なプロジェクトに携わったこともありませんし、何か特別なスキルを持っている訳ではありません。少しずつ、彼らから教わりながら意見を出し合っています。正直、簡単ではありませんが自分の内側から喜びを感じています。いかにメンバーとの信頼関係を築き、貢献し、協働して一つのものを作り上げていくかを考えさせられています。容易いことではありませんが、とても楽しいです!