ラップランド大学(2018年度交換留学生)国際文化学科4年 安藤駿佑 <2号 2018年11~12月>


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はじめに

 秋学期を無事に終了し、新たな気分で2019年を迎えることができました。ロヴァニエミは本格的な冬が到来し、-20℃を下回る日が増えるようになってきましたが、なんとか体調を崩すことなく暮らしています。今回は主に学内のプログラムと長期休暇の過ごし方について報告します。

凍ったケミ川でハイキングする様子(大きい川も凍る寒さ)

学内のプログラムについて

 学内にはESN(Erasmus Student Network)という組織が存在し、その組織が頻繁にイベントや旅行を企画しています。そのイベントの一部を紹介します。フィンランドにはSitSitと呼ばれる伝統的な飲みのスタイルがあります。基本的には名前の通り座りながら飲食をします。このイベントではToastMasterというゲームマスターのような役割があり、イベント中ゲストはその人に従います。SitSitの大きな特徴は、みんなで歌を歌うこととToastMasterのルールに反した場合みんなの前でペナルティを受けるということです。このようなフィンランド独特のイベントを開催しているのがESNです。それ以外にもロシア・サンクトペテルブルク観光、バルト海クルーズ、北極圏へオーロラ旅行なども企画しています。ラップランド大学での授業はスケジュールに余裕ができることがあるため、多くの学生がESNの旅行に参加します。私はビザなしで行けるロシア・サンクトペテルブルクの船旅に友人と行きました。ロシアへ旅行するにはヨーロッパ出身の学生であってもビザが必要な場合が多く、ビザなし旅行は多くの留学生にとって魅力的でした。ちなみにビザなしで入国できるのはヘルシンキからサンクトペテルブルク行きのフェリーで入国した場合です。サンクトペテルブルクでは、以前若者の日露友好交流のために参加したソチ開催のWFYS(World Festival of Youth and Students)で出会ったロシア人の友人に会うことができました。帰りにエストニアの首都であるタリンにも行きました。このような企画が頻繁に開催されているため、ラップランド大学での留学は勉強、娯楽共に大変充実しています。

冬休み休暇

 すべての授業は12月の第2週に終わりました。学期末にすべてのテストや課題があるわけではないので多忙過ぎることなく長期休暇を迎えました。学期の終わりということで秋学期しか滞在しない留学生とはお別れになってしまいました。彼らとの日々を思い出すと秋学期は毎日が大変充実していたと感じます。長期休暇は帰国しない組のアメリカ人と25日間のヨーロッパ旅行をしました。目的地はスウェーデンの首都ストックホルム、ポーランドの首都ワルシャワ、アウシュビッツ収容所で有名なクラコフ、ドイツの首都ベルリン、イギリスの首都ロンドン、フランスの首都パリ、ベルギーの首都ブリュッセル、オランダの首都アムステルダムでした。やはり一番勉強になったのはアウシュビッツ・ビルケナウ収容所でした。世界史の資料集で見た光景がそこに広がっていたのです。卒業論文のテーマはダークツーリズムなので本当に価値のある旅行でした。ポーランドだけでなくヨーロッパ各地に負の世界遺産が存在しており、旅行先各地でそれらをこの目で確認することができました。やはりヨーロッパ留学の利点の1つは、このように休暇中に多くの国を周り異なる歴史や文化を学べることだと思います。

最後に

 25日間の旅行も無事終了し、新学期が本格的に始まろうとしています。新しく来る留学生と深い友好関係を築き、彼らと新たな知識を共に身につけ自分の世界をより広いものにしていこうと思います。一方でサンクトペテルブルク、ロンドン、ベルリンではフィンランド留学以前の友人と再会することができ、世界は自分からアプローチすることでより近いものにできることも実感しました。これからより一層寒さが厳しくなり、つらい日々が続くと思いますが、皆さんも体調には気をつけて充実した日々を過ごしてください。

ベルリンの壁の一部