1. はじめに
曲阜師範大学は、中国山東省にある大学です。山東省済寧市曲阜市にある曲阜キャンパスと日照市にある日照キャンパスの2つに分かれており、現在私は曲阜キャンパスに留学しています。曲阜は孔子の故郷として有名で、大学の近くには三孔と呼ばれる観光地や孔子博物館など、孔子ゆかりの場所があります。
私は大学3年生の夏休みに曲阜師範大学への約1ヶ月の短期留学に参加しました。現地の方々との交流を通して中国の文化や習慣を学ぶことができ、またテレビやニュースだけではわからない中国のこともたくさん知ることができました。この学びや発見を曲阜という土地でさらに深めたいと思い、1年間の留学を決めました。
2. 留学前の準備
ビザの申請
まず、留学するにあたってビザの申請が必要となります。今回の留学ではX1ビザを取得しました。パスポート、証明写真、オンライン申請表、留学先の大学から送られてくる「入学通知書」、「JW202表」などが必要になります。
私は福岡総領事館で申請をしました。夏休みの短期留学のためにビザの申請を行った経験があったので、比較的スムーズに申請を行うことができました。しかしその際は新型コロナウイルスの影響でビザ申請自体に予約が必要でした。今回予約は必要ありませんでしたが、予約が必要かどうかはその時期の状況によって変わるので事前にサイトなどで確認しておくと良いと思います。ビザは申請してから約一週間後に指定した住所に届きました。
スマホ、VPN、各アプリの設定
まずスマホに関して、現地に到着したあと中国のSIMカードを購入するため、スマホをSIMフリーの状態にしておく必要があります。(SIMロック解除)。私は前年の夏休みに留学した際にあらかじめSIMロックを解除していたためSIMフリーの状態でした。SIMロックの解除はネットからも簡単にできますし、携帯会社に行って確認して解除してもらうことも可能です。
次にVPNに関して、中国はインターネットの規制が厳しいためLINE、Instagram、Googleなどを使うことができません。使うためにはあらかじめ日本でVPNを契約しておく必要があります。私は「MillenVPN」という有料のVPNと「VPNIFY」という無料のVPNの2つを利用しています。私はスマホ・タブレット・パソコンに設定して中国へ持って行きました。現在問題なく使うことができています。
最後に各アプリについて、私は短期留学の際に事前に「支付宝(Alipay)」と 「微信(WeChat)」という2つのアプリをインストールして行きました。中国は支払いのほとんどが電子決済です。「Alipay」は電子決済アプリで、銀行口座やVISAを紐付けして利用することができます。「WeChat」はLINEのようなトークアプリで連絡などはこのアプリを利用します。またこの「WeChat」にはWeChat payという機能もついており、「Alipay」と同じように利用できます。私は留学前の準備の段階で曲阜師範大学の担当者の方の連絡先を「WeChat」でもらい、その中で留学に必要なものや現地に到着する日程などのやりとりを行いました。
証明写真
私は留学する時に何枚かの証明写真を持って行きました。証明写真はのちほど説明する「外国人体格検査」の時や、その他の書類に必要です。大学の中には証明写真を印刷する場所があるので、事前に証明写真のデータを持って行くと良いと思います。私は持って行った証明写真の枚数が足りなかったため、データを使って印刷してもらいました。私は念のため、背景が白色と青色の2種類の証明写真のデータを用意して持って行きました。
その他の準備
私は留学する際に日本の薬を多めに持って行きました。薬などは日本のものを持って行くとよいと思います。
そして現金について、現地についてから銀行口座を開設するまでに病院での検査や教科書の購入などを行わなければならないので、ある程度現金を持って行くことをおすすめします。私は日本の銀行でいくらか換金して持って行きました。
3. 到着後
SIMカードの購入
最初に行ったのはSIMカードの購入です。中国で銀行口座を開設したり、アプリを使用したりするためには中国の電話番号が必要になるため、翌日すぐにSIMカードを購入しに行きました。購入には大学の方がサポートしてくださいました。金額は100元でその場で支払います。
外国人体格検査
到着して一週間後に外国人体格検査を行いました。検査には大学の担当者の方がついてきてくれます。大学から少し離れた済寧市にある病院で健康診断を行いました。事前に日本で「微信」を使い、大学の先生に現地についてから健康診断を受けるということを教えてもらっていたため、日本で受ける必要はありませんでした。健康診断には390元と証明写真2枚が必要になります。
外国人居留許可
中国に来たら1ヶ月以内に居留許可を取得する必要があります。健康診断を受けた後そのまま取得しに行きました。取得するには400元必要になります。2日後に大学にパスポートと一緒に届きました。
銀行口座の開設
私は大学内にある「中国建設銀行」で銀行口座を開設しました。手続きの際には、入学通知書・パスポート・身分証番号(マイナンバー)・外国人居留許可・中国の電話番号が必要になります。開設には中国語ができる留学生の方に手伝ってもらったため、比較的スムーズに開設することができました。銀行口座を開設した後にAlipayとWeChat payに開設した口座を紐付けしました。中国は電子マネーが主流なので、現在もこの2つのアプリを使って生活しています。
教科書の購入
到着後、授業で使用する教科書を購入しました。教科書の値段は自分が受講するクラスによって変わります。私は前期初級の授業でしたが、約800元かかりました。
SIMカード | 100元 |
教科書 | 800元 |
外国人体格検査 | 390元 |
外国人居留許可 | 400元 |
↑到着後の主な出費
4. 留学生活
寮について
現在私は、県立大学からに一緒に留学に来た先輩と2人で寮に住んでいます。去年留学していた県大生の方達と同じ部屋だったので、ドライヤー・ヘアアイロン・ハンガー・電気ポットなど生活に必要なものは一通りあります。現在もありがたく使わせてもらっています。大学の近くにはスーパーがあり、生活に必要なものは一通り売っているため現地で調達することもできます。
授業について
現在私は中国語の初級クラスで授業を受けています。その学期にどのレベルの授業が受けられるかは受講する留学生の最も多いレベルに合わせるため、自分たちがどのレベルの授業を受けるかは現地について知ることができます。授業は約15人で受けており、日本人・タイ人・ロシア人で受講しています。授業後は月曜日以外午前中で終わるため、午後からは授業の予習・復習を行ったり、留学生や中国人の友人と一緒にご飯を食べたりしています。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
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1限目 (8:00~9:50) |
汉语综合 初级 |
HSK 初级 |
汉语综合 初级 |
汉语听力 初级 |
汉语听力 初级 |
2限目 (10:10~12:00) |
汉语读写 初级 |
汉语口语 初级 |
汉语口语 初级 |
汉语读写 初级 |
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3限目 (14:00~15:50) |
中华才艺 |
↑授業の時間割
日常生活
食事について、普段は大学内にある食堂で食事をしています。食堂内はフードコートのようになっており、自分の好きな食事を選ぶことができます。金額は4~10元ほどで安く食べることができます。夜になると大学の門の正面に夜市ができます。軽食や果物などさまざまな食べ物を売っているのでよく利用しています。

交流について、大学に到着してからいろいろな出会いがありました。到着初日に迎えてくれた中国人学生の方と友達になり、お互いの趣味の話をしたり日常生活でのことを聞いたりといろいろ助けてもらっています。また中国人の学生や留学生と一緒にバトミントンをしたり、食事をしたりして交流の幅を広げています。去年の短期留学で出会った学生とも再会することができ、非常に楽しく交流することができました。また寮内にはさまざまな国の留学生がいます。大学のイベントや普段の生活を通して違う国の文化を知ることができ、とても良い経験ができます。
また、私は中国に留学してからいろいろな場所に旅行に行きたいと思っていたため、到着してから約2ヶ月間いくつかの場所に旅行に行きました。 曲阜、青島、淄博などに行きました。それぞれの違った魅力を発見することができるため、非常に良い経験になったと思います。これからも勉強と両立しながらさまざまな場所に旅行にいきたいと考えています。


5. おわりに
今回の報告書では留学に関する準備や生活について報告しました。約2ヶ月間はあっという間に過ぎたように感じます。はじめは中国語を聞き取ることも上手く話すこともできず不安でいっぱいでした。しかし今では少しずつ聞き取れるようになり、以前よりも余裕を持って生活をすることができるようになりました。留学前から現地に到着後もいろいろな人の助けがありました。家族、友人、一緒に生活を共にする仲間、県立大学の先生方、曲阜師範大学の先生方、現地の学生の皆さん、いろいろな方達に感謝しています。これからも感謝の心を忘れずに楽しく留学生活を頑張っていきたいと思います。