曲阜師範大学 国際文化学科4年 中藤日向子 <2号 2024年5~6月>

はじめに

中国での生活も早いもので4か月が経ちました。7月1日から3日にかけて期末テストが行われ、それが終わると、夏休みがやってきました。曲阜では雨が降ることが少なく、日本のようなジメジメとした暑さはなく乾燥しています。中国語も授業や自主学習に加えて、留学生や中国人の友人と交流をすることで、中国語を話すことがより好きになってきました。

今回の報告書では曲阜での大学生活についてと、夢だった中国での一人旅の様子を中心に紹介していこうと思います。

大学生活について

学校での活動

大学では定期的に様々な活動が行われています。夜にグランドで音楽祭が開かれたり、文化祭で学校の講堂で行われるダンスや行進の発表を見に行ったりしました。私が特に面白いなと感じた活動は、中国では6月が卒業のため、卒業が近づくと学生が使わなくなった物や本、雑貨などを大学内で売るのですが、それらをバザーのように売っていたことです。毎日夜8時になると学生や先生などが集まって学生の夜市を開き、毎晩盛り上がっていました。私もいくつか買ってみたり、そこで学生とお話をしたりするのがとても楽しかったです。

音楽祭
音楽祭

授業・テストについて

6月にロシアの学生が帰国したためクラスの人数が減りました。そのため先生と学生の距離がもっと近くなり、毎日の授業がより深く学べることができました。中間テストは、「中国文化体験」の太極拳のテストがあり、太極拳を覚えて4、5人グループで発表するというものでした。期末テストは、テストの1週間前から授業が自主学習になり、7月1日から3日かけて行われました。主に教科書やHSKの内容についての出題でした。漢字のピンイン(中国語の発音を表す記号)を書く問題や並び替え問題、作文問題、授業で習った範囲の総合的な問題が出題されました。口語では、与えられたトピックについて先生と1対1でスピーチするというものでした。テストはすごく難しいというわけではなく、授業を毎日予習・復習していれば解けるものばかりでした。

留学生のサッカーチーム

留学生のサッカーチームがあり、午後にみんなでサッカーをするときもあります。私は今までサッカーをしたことがなく、初めましてのサッカーでした。でも、運動するのが好きだよねと言われてよく誘ってもらい、ユニフォームも頼んでもらい、一緒にサッカーをしています。サッカーをした後にみんなでスイカを食べたり、ご飯を食べに出かけたりと留学生で和気あいあいとしています。

留学生のサッカーチーム

休日の過ごし方

留学生の友人と一緒に山東省の中にある济宁市、临沂市という町に出かけたり、中国人の友人と大学からバスで40分ほどの距離にある石門山という山に登りに行ったり、KTVに行ったりしました。

6月下旬に山口県と山東省の交流事業で県大の友人が曲阜に来たので一緒に大学内にある教師博物館を見学したり、夜市に行ったりしました。中国で彼女に会うことができてパワーをもらいました。

石門山の山頂
石門山の山頂
大学内にある中国教師博物館
大学内にある中国教師博物館

中国一人旅

期末テストが終わってから、いつか海外で一人旅をするのが夢だったし、中国を理解するためとまだ行ったことのない町に行って新しい景色を見たいと思っていたので、一人旅をしてみました。高速鉄道を使って約1週間、一時帰国をする前に南京、杭州、上海を巡る旅をしました。中国には外国人が泊まれないホテルがあるので予約する際は、Trip.comから予約すると安心です。中国で旅をするときは「小红书」という中国でよく使用されているアプリを頼りに旅をすると攻略法なども書かれているのでとても役に立ちます。

南京

南京は日本と歴史的な繋がりが深い場所で曲阜から高速鉄道で2時間ほどの場所にあります。約3日間南京に滞在して、南京大虐殺記念館、夫子庙、老门东、牛首山などを訪れました。

南京大虐殺記念館
南京大虐殺記念館
南京での写真

南京に行こうと決めた一番の理由は、日本人として南京大虐殺について本当の事実をこの目で見て、知りたかったからです。最近中国と日本の戦争を扱った中国映画を見たこともあり、中国に留学していて、中国のことを知る上でこのことは避けては通れないことだと感じ、実際に南京大虐殺記念館へ行くことを決めました。この記念館の最後に、「私たちは過去に学び、恨みを継続するためではなく、中国・日本の両国民は代々友好を続け、歴史を胸に、未来に向かって共同で人類の平和のために貢献するべき」と掲げられていました。平和な世界を築いていくためには私たち一人ひとりの心持ちが大切で、南京大虐殺記念館に行けて、より理解を深めることができました。仏教のテーマパークと言われている牛首山は、黄金の大仏ショーが驚くほど綺麗で行ってよかった場所です。

杭州での写真

杭州

「天に極楽あり、地に蘇州、杭州あり」と称されるほど美しい景色の多い土地と言われている場所です。世界文化遺産の西湖があり、1元札に描かれている風景が見える場所です。夜には湖で噴水ショーがあり、昼間とは違う風景も見ることができました。アジア競技大会が開催された都市で、地震のない場所ということもあり、日本ではまず見ないようなビル群やホテルが立ち並んでいて、その建物たちがイルミネーションされており、その夜景は圧巻でした。

上海

上海に来るのは3回目ですが、外灘の夜景は語学研修の時に私が初めて中国に来て一番初めに見た景色です。上海に来るたびに外灘の夜景を見に来ています。私にとっての中国の原点の場所です。

上海での写真

一人旅を通して

今回一人旅をしてみて、中国の自然や雄大な遺産、建物などを見ると何もかも忘れて、違う時代にタイムスリップしたかのような体験をすることができました。旅をしてみて、中国はとても広くて、知らない世界がまだまだ沢山あるなと思い知らされました。また、旅をしているとトラブルがあったり、中国や中国人の嫌な部分を目にしたりと良いことばかりではありません。しかし、それ以上に得られるものは大きく、実際に足を踏み入れて、この目で見てみないと感動や楽しさは味わえないと感じました。高速鉄道で隣の人とお話をしたり、バスの運転手さんと仲良くなったり、町で困っているときに助けてもらったりと中国人の優しさに助けられ、忘れられない旅になりました。

今後の目標

留学中の写真

今学期が目まぐるしい速さで終わり、多くの友人が次のステップへと曲阜を離れていきました。人との出会いは一期一会で、中国に来て素敵な出会いが沢山ありました。留学生を含め、自分と全く違う環境にいた人に出会うことで、色んな人の考え方や人生観などに触れ、とても新鮮でした。こんな考えや生き方は良いなと思う人にも出会え、自分の考え方も少し変化したように感じます。

留学生や中国の友人と話せば話すほど、こんな時はなんていうのだろう、こう言いたいのに言えないと悔しい思いがします。ですが、交流することが大好きな私にとって、好きなことをしながら成長できる留学は大きな魅力に感じますし、中国語を話せるようになりたい気持ちがますます大きくなっています。来学期は日照キャンパスへ移動する予定です。新しい環境、新しい友達との出会い、どんなことが待っているのだろうとワクワクしています。支えてくれている家族や友達、仲間に感謝しながら次回も良い報告ができるように楽しみながら頑張ります。