曲阜師範大学 国際文化学科3年 野村唯衣 <4号 2019年9~10月>

はじめに

 後期がスタートして2か月が経ちました。曲阜市は秋らしい気候の期間が非常に短く、10月の初めから突然寒くなりました。ダウンコートを着て外に出る日もあれば、長袖一枚で過ごすことができる日もあります。また新学期が始まり、新しい留学生との出会いなど、新しい環境の中で充実した生活を過ごしています。

新学期、授業

入学式・式典
 中国では、日本と異なり新学期が9月から始まります。そのため曲阜師範大学でも入学式が行われました。9月10日は留学生開学式典が行われ、9月19日は本科生開学式典に留学生も参加しました。本科生の式典では、曲阜師範大学日照キャンパスと中継しながら、合同で大々的に開かれました。日本での大学の入学式の多くは、制服やスーツを着用して参加しますが、曲阜師範大学の学生は最初に配布される共通のジャージと学科ごとに異なる色のシャツを着て参加しており日本とは入学式の雰囲気が異なるように感じられました。また一人一人学生が中国の国旗の旗を持って参加し、その旗を振りながら歌を歌っている姿には驚きました。

開学式典に参加した時の様子

新学期からの授業
 後期から留学生の多くが入れ替わり、新しい環境で中国語を学習しています。私は前期のクラス分けでテストを受けたので、今回はテストを受ける必要はありませんでした。前期に引き続きAクラスで、計14人で授業を受けています。前期から変わったことは、まずは教科書です。前期に比べて教科書の種類や難易度が上がり、少し難しく感じます。また前期にあったHSK(中国政府公認の中国語検定)の授業がなくなり、儒学と中国文化体験の授業が増えました。儒学では孔子や孔子の論語について学び、文化体験では太極拳や剪纸(切り絵)を体験しています。

剪纸の授業の時の様子

学内での活動

大学校史館・中国教師博物館の訪問
 曲阜師範大学のキャンパス内には大学校史館と中国教師博物館があり、他の留学生と共に訪れました。学生が英語と中国語を使って案内してくれました。中国教師博物館は2016年に建設された中国で初めて教師の歴史や文化をテーマとした博物館です。曲阜市は偉大な教育家である孔子の故郷であるため、教育の歴史や教師という職業の身分の変遷史など中国の教育の発展を描いています。また歴史的な教具や資料なども数多く保管されています。

博物館の展示の様子

修学旅行
 曲阜師範大学の日照キャンパスの留学生と共に、3泊4日で河南省の洛陽、陝西省の西安などを訪れました。初めて見る場所や雰囲気、また中国の歴史に、中国は広く、まだまだ知らないことがたくさんあるなと思った旅行でした。日照キャンパスの留学生とは初めて交流しましたが、この4日間ですぐ仲良くなることができ、留学生活の話や言語や歌などで非常に盛り上がり、とても楽しかったです。


洛陽の龍門石窟

西安の秦始皇兵馬俑博物館

西安碑林博物館

祝祭日

中秋節 ~済南~
 2019年の中国の中秋節は9月13日でした。中国では月餅を食べます。月餅の丸い形が「家族の輪」「家族の団らん」を意味しているそうで、家族団らんの日とも言われています。私たちにも先生方が月餅を用意してくださいました。月餅の餡には、ナッツ類や果物など様々な味があります。また、中国では一年中スーパーにお菓子感覚で食べるような月餅も販売しています。
 またその祝日を使って、曲阜市の近くで山東省の西部に位置し省都である済南市を訪れました。私は2年前「海外語学・文化研修」で済南市を訪れたことがあったため、非常に懐かしく感じました。


大明湖

泉城広場

国慶節 ~北京~
 2019年の中国の国慶節は10月1日で、1日から7日まで休日期間でした。1949年10月1日毛沢東によって中華人民共和国が成立され、今年は特に70周年ということもあり、北京の天安門広場では盛大な祝賀行事や軍事パレードが行われました。
 私は2日から北京を訪れ観光をしました。国慶節ということもあり北京に行く人は、高速鉄道に乗る際はいつも一回で終わりですが、今回は二重で荷物検査をされました。荷物を一人一人中身までしっかり調べられました。地下鉄の荷物検査も非常に厳重でした。また中国人は日本人に比べると盛大に祝日を祝う風習があるように感じました。街中の建物も雰囲気も通常とは異なり、中国の国旗を持って観光したり、顔に国旗のシールを張ったり、中国の国旗が描かれたTシャツを着たりなど、日本ではあまり見ることのない雰囲気でした。

オリンピック公園


頤和園

2019年度日本教育情報学会国際交流研究会への参加

 曲阜師範大学日照キャンパスで行われた「2019年度日本教育情報学会国際交流研究会」に参加しました。この学会は日本と中国の留学や交流について発表、討論する会で、私は曲阜師範大学での留学生活の現状や課題について発表しました。また日本語を学習している日照キャンパスの学生と交流する機会もあり、日照を案内してくれました。とても貴重な体験をさせていただきました。

発表している時の様子

おわりに

 留学生活も残り約2か月となりました。11月は中間テストがあり、帰国後のHSKや中国語検定の受験をするため、中国語の試験勉強により一層励みたいと思います。また今年は春節が早いため、1月の初めに期末テストが終了したら帰国します。そのため残りの短い2か月悔いが残らないように過ごしていきたいと思います。