曲阜師範大学 国際文化学科3年 千葉明里 <最終号>

はじめに

 曲阜師範大学での約一年間の留学が終了しました。現在、中国で発症した新型コロナウイルスによる肺炎が世界的に話題となっていますが、1月の初め頃の曲阜では、そういったニュースは一切聞いておらず、日本に帰ってきてその事を知り驚きました。
 今回の定期報告では、11月初めの中間試験と1月初めに行われた期末試験、三孔見学について、曲阜のクリスマスと年越しについて、帰国の際の空港での話、帰国前と帰国後の就職活動について紹介します。

中間試験と期末試験について

 前期にも中間試験・期末試験がありましたが、後期の試験も同じような形式で行われました。後期のテストとしては、中間試験が11月7日と8日、期末試験が1月2日と3日でした。授業は漢語総合・聴力・口語・閲読・写作・儒家文化・文化体験の7科目あり、そのうち儒家文化と文化体験以外の授業でテストがありました。テストの1週間前は、復習の時間に充ててくれる先生が多く、授業も午前で終わるので、復習をする時間はたくさん取れます。総合と口語のテスト以外はHSK5級の問題を用いたテストで、普段の授業の復習をしっかりしておけば難しい内容ではありません。テスト結果は先生に聞くと教えてくれますが、授業では実施したテストの復習を少しして終わることが多いです。


修了式の写真

孔廟見学

 11月10日に大学行事の一環で、孔廟と孔府の見学へ行きました。最初は孔林の見学も含まれていましたが、天候が悪く行くことができませんでした。留学生と国際文化交流学院の先生たちと見学へ行き、ガイドの方も一人ついていました。前回のレポートにも記しましたが、西安・洛陽見学の時に比べて、授業での前知識などもあったので、ガイドの内容もわかりやすかったです。
 今回は大学行事であったため、入場料はかかりませんでしたが、三孔へ入場する際、外国人は5つの論語の文章を暗唱できれば、無料で入ることができます。暗唱しやすい短い文章を授業でも教えてくれるので、曲阜で留学をする際はぜひ挑戦してみてください。


三孔見学の様子

曲阜の年末

 日本では12月になると町中がクリスマスムードになるのに対し、曲阜市ではクリスマスの雰囲気がほとんど感じられません。スーパーも普段通りの品ぞろえで、クリスマスケーキなども売られていません。クリスマスソングも流れておらず、直前までクリスマスに気付かないほどでした。
 さらに日本とは違い、中国は陰暦で祝日を祝います。そのため1月1日よりも春節(今年は1月25日から)を盛大に祝います。しかし、年を越して1月1日になった瞬間に、外で花火のようなものが上がっていました。以前から春節には爆竹を鳴らすなどと聞いてはいましたが、日本では年越しは静かに行うのに対し、中国では本当にお祝いを派手行う事に驚きました。

帰国の準備

 私は1月5日に日本で企業説明会があったため、テストが3日に終わったあとすぐに上海へ向かい、4日の午前の便で帰国しなくてはいけませんでした。
 今回私は中国南方航空を利用しましたが、23キロまでの荷物が2つまで預け入れることができ、機内持ち込み荷物にボストンバックのサイズが持ち込めるので、一年分の荷物を持って帰るためには中国南方航空や東方航空を利用することをお勧めします。
 また、私は上海浦東空港から中部国際空港行きの便を利用したのですが、国際便を利用する際は離陸の2時間前にチェックインカウンターへ行けば間に合うと思っていました。実際に、夏に別の航空会社を利用して一時帰国した際は、2時間前に行けば十分でした。しかし、南方航空や東方航空、中国国際航空などは利用者も非常に多いので、2時間前では間に合いそうにありませんでした。そこで私は空港職員にチェックインを手伝ってもらい、早くチェックイン手続きをする代わりに、200元ほど追加でお金を払うことになりました。大手航空会社を利用する際は、3~4時間前にはチェックインカウンターへ向かうことをお勧めします。

就職活動について

 現在3年生の私は就職活動中ですが、夏にインターンシップに行けなかったことや、大学内で行われている就活セミナーなどに参加できなかったことで、就活に関して非常に焦っていました。
 中国にいる間は自由な時間を利用して、就活準備として企業研究やSPI対策を行い、1月2月のインターンの申し込みなどもしました。申込には証明写真が必要になるので、日本でスーツでの写真を撮っておくことをお勧めします。多くの場合がインターネットでの申し込みなので、証明写真のデータを携帯やパソコンに取り込んでおく必要があります。中国でも写真は撮れますし、日本で撮るよりも安く撮ることができますが、スーツでの写真ということや技術などが不安な場合は、日本で撮っておくと良いと思います。
 さらに、最近はエントリーの際にWEBセミナーの受講や動画の視聴などが必須の場合があります。その場合VPN(Virtual Private Network)が無料のものだとうまく動画が読み込めず、視聴ができないことがあります。そのため、特に後期はVPNを有料版にしておくとよいと思います。
 帰国後は、私の場合企業の会社説明会やインターンシップの面接などが非常に多くありました。3月中に新卒採用が決まってしまう早期採用の企業もあるので、特に1月2月は忙しくなります。自分の志望する企業の採用時期や、インターンの募集時期を確認しておくことが重要になります。

さいごに

 1年間の曲阜師範大学での留学を終えて、たくさんのことを学びました。留学が始まった時は、留学生だけのクラスでなかなか本科生と関わる機会もなく、中国語力が上がった実感もなかったので、前半は不安や焦りがありました。さらに自分の性格上、あまり積極的に留学生同士で交流することもできず、自己嫌悪に陥った時期もありました。正直なところ留学が終わったばかりの現段階では自分の留学生活に満足できておらず、後悔することが非常に多いです。しかし、今後の過ごし方や考え方次第で、この留学が自分にとって有意義なものになるはずです。今回の留学をこれからの就職活動や人生に役立つよう行動したいと思います。