曲阜師範大学 国際文化学科3年 千葉明里 <4号 2019年9~10月>

はじめに

 留学生活の後半が始まり約2か月が経ちました。今期私たちのA班にはロシア人の学生が3人、キルギスタンからの学生が2人とウズベキスタンで中国語教師をしている女性が1人、計6人が新しく入り、前期のA班に比べクラスメイトが増えました。
 曲阜では10月の国慶節が終わってから気温が一気に下がり、9月に比べ10度近く下がりました。しかし中国の地域による温度差は非常に激しく、上海などの南方では現在でも気温が高い日がまだ続いているようです。
 今回の定期報告では今学期の授業の様子と、日照キャンパスの留学生と行った文化研修について、国慶節で行った黄山旅行について紹介したいと思います。

後期の授業について

 中国では9月から新年度が始まります。大学内には新入生が多く見られ、9月中頃まで本科の新入生たちは軍隊練習というものをしています。  今期は前期に比べてロシア人の留学生が多く、新学期が始まった最初のころには留学生の開学式典や生活安全講座、さらに映像中継で日照キャンパスの学生と行われる曲阜師範大学の開学式典が行われます。


今学期の留学生

開学式典の写真

 今学期の授業は前期に引き続き総合、閲読、聴力、写作、口語の授業に加え、文化体験と儒家文化の授業があります。文化体験では大学院の学生から切り絵を教えてもらったり、外部講師を呼んで太極拳を習ったりします。儒家文化の授業では主に孔子についてや、「論語」の内容について学び、A班でのみ開講されている授業です。授業時間は前学期と同じく、8時から12時まで2科目授業があり、1コマ約1時間で5分ずつ休憩時間があります。授業の内容は先生や留学生の中国語能力によって異なると思いますが、今学期は前学期に比べて先生の話を聞く受動的な授業よりも、留学生同士で話し合ったり自分の意見を話すことを求められる能動的な授業が多いように感じます。
 今学期は前学期に比べ、大学内にある博物館などを見学したり、英語学科や国際文化交流学科の学生との交流など留学生に向けた活動が多く設けられています。

文化研修について

 曲阜師範大学では毎年、日照キャンパスの留学生たちと一緒に中国の歴史や文化を学ぶ1週間近くの文化研修があります。今年度は3泊4日で洛陽と西安へ行き、少林寺で拳法の発表を見たり、兵馬俑博物館へ行ったりしました。前期では日照キャンパスの学生との交流は全くなかったのでとても新鮮でした。
 旅行中のガイドは中国語が主で、担当ガイドによっては英語で説明をしてくれます。専門的な中国語が多くガイドの説明を完全に理解することは難しいですが、学内で先生たちが留学生に話してくれる聞き取りやすい中国語ではなく、現地の人へ向けたネイティブのスピードで話されているのを聞くことができます。


文化研修での集合写真

黄山旅行について

 中国では10月の初めに1週間の休みがあり、また、10月の国慶節が終わると1月末の春節まで祝日がありません。
 私は今回の国慶節を利用して、安徽省の黄山へ旅行しました。黄山までは曲阜東駅から高速鉄道に乗って3時間半ほどで着きます。黄山は市内にバスが通っていますが、高鉄駅から観光地へ行くにはあまり便利ではなく、観光用のバスかタクシーを利用するしかありません。しかし、バスのチケットを買う場所や値段などがよくわからなかったので、私はタクシーを利用して観光しました。高鉄駅である黄山北駅のタクシー乗り場には主要の観光地までのタクシーの値段の目安が書かれているので、外国人でも上乗せ料金を取られる心配をせずに利用することができます。さらに、中国では「滴滴出行」というタクシーを呼ぶアプリがあり、このアプリでは先払い制なので正規料金以上をとられる心配がありません。


黄山北駅タクシー乗り場

 前回の定期報告でも紹介しましたが、中国の南方では湖や川などの景観が良く、黄山でも多くの場所できれいな湖などを見ることができます。今回の旅行では、明朝時代に建築された建物が多く保全されている西逓と、呈坎八卦村という現存している最古の後漢の村へ行きました。西逓では支付宝(キャッシュレス決済サービス、アリペイ)を使って入場券を購入することができましたが、呈坎では現金のみでしか購入することができませんでした。このように観光地の一部では現金のみでしかチケットを購入することができない場所も多くあるので、旅行へ行く際には必ず現金を持ち歩くか、事前にインターネットなどでチケットを購入しておくと便利です。しかし、今回私は日本の旅行用アプリを使って観光地の入場券を購入しましたが、チケット引き換えの際に使えないと言われたので、中国のインターネットサイトや旅行アプリで予約をしておくことをお勧めします。私は現金を持っていなかったので、タクシーの運転手に支付宝や微信支付(モバイル決済サービス、WeChatPay)などで送金をして、代わりに入場券を買ってもらいました。事情を話せば高鉄駅などでも現金に換えてくれるそうです。


西逓

呈坎八卦村

さいごに

 中間テストを終え、残す留学生活も4分の1になりました。曲阜に来たばかりのころに比べ、現地の人たちの会話や先生たちの言っている内容が理解できるようになり、留学生同士の会話も英語より中国語で話すことの方が増え、確実に中国語力がついていると実感しています。現在では英語よりも中国語の方が理解しやすく話しやすいとも感じています。残りの2か月間で日本ではできないような中国留学ならではのことをたくさん経験し、悔いのない留学生活を送りたいです。