センター大学 国際文化学科3年 諫早紋由 <1号 2022年9~10月>

 この報告書では、留学前の準備期間から10月までのアメリカでの学校・日常生活について順を追って報告したいと思います。また本文では、主にこれからセンタ―大学への留学を考えている方々へ私が経験した失敗や気づきなどから得たアドバイスをお伝えできればなと思っております。

出発前

 私が今回の留学前準備で重要だと思うことは2つあります。一つ目は計画的に逆算して行動すること、二つ目は留学するうえで必要な情報には必ず目を通すことです。
 一つ目について、まず留学を少しでも考えている人(在学生・高校生など)は、例えば、留学の選考面接のためにいつまでにどのぐらいTOEICの点数を上げなければいけないのか、成績・GPAはいつのものが選考対象になるのか、資金計画はきちんと立てられているかなど確認したうえで、後悔しないためにも逆算して行動することが大切だと思います。
 私は、センタ―大学へ留学するために接種しなければいけないワクチン(海外ワクチン含む)を出国の二か月前から、しかもコロナのワクチンと並行して打ち始めた(ワクチン接種の間を空けなければいけなかった)のでぎりぎりまで病院に通ってバタバタとしてしまい後悔しました。山口県には海外からの輸入ワクチンを取り扱う「トラベルクリニック」というものがなかったため、私はビザ面接のついでに輸入ワクチンを大阪のクリニックで接種しました。また歯医者に出国の2週間前に行ってしまいましたが、直前行っても虫歯など治療が必要な場合に対応してもらうことが難しかったです。しっかり計画を立てて、留学準備をすることをおすすめします。
 二つ目についてですが、わたしは成田空港のアメリカ行き飛行機の搭乗を拒否されました。なぜなら、アメリカ行きのフライトの搭乗が許可されるのはコロナの基礎免疫ができる二回目接種後の二週間以降だからです。周りの方々からの助けにより無事アメリカに到着し、授業開始までに行わなければいけない手続き(携帯の契約・学校のヘルスチェックなど)をすべて終わらせることができました。ビザの面接における注意事項、必要書類、アメリカへの入国条件など留学するうえで必要な情報には必ず目を通してください。

アメリカでの学校生活

私がFall termに取った授業は以下の4つです。

MondayTuesdayWednesdayThursdayFriday
8:00~9:40ARS110aARS110a
9:40~11:10MUS120MUS120
10:20~11:20POL120bPOL120bPOL120b
14:20~15:50IST110cIST110c

1:ARS110a ( Intro to Drawing )- Dr. Stenulson 2:POL120b ( Introduction to Political Ideologies )- Dr.Bosco 3:IST110c ( Introduction to International Studies)- Dr.Kolenz 4:MUS120 (Materials and Structure of Music-1 )- Dr.Bintesky

 科目名と授業内容が少し異なっている授業も中にはあります。疑問・質問があれば、履修前にセンタ―大学の留学生担当の方にメールで質問してみてください。 上の表で授業名の後にa.bなどが付いていると思います。センタ―大学では一つの授業が複数のクラスに分類されており、教授もa.b.cのクラスごとに異なることもあります。実際にIST110では同じ授業でも、教授が異なるクラスでは週一でクイズがあります。私のISTcクラスはクイズではなく定期的にエッセイの提出があります。

授業内容と私の取り組み方について簡単に説明します。

ARS110a ( Intro to Drawing )- Dr. Stenulson
 この授業は、小さな箱や骨、紙といったオブジェクトを鉛筆やチャコを使って描いていきます。私たちの美術的な力量(グラデーション技術など)が授業回数を踏み段階的に解放されていくような感じです。例えば逆にグラデーションをしてはならない課題もありました。週に多くて2回(通常は1回)、月曜日の授業前締め切りの課題作品の提出があります。私は絵を描くことが好きなのでとても楽しく取り組めている授業です。しかし、住んでいる寮から建物まで徒歩約20分かかります。8時からの授業なので朝起きるのにとても苦労しています。

POL120b ( Introduction to Political Ideologies )- Dr.Bosco
 この授業は、自由主義、共産主義、保守主義など様々な政治イデオロギーを週ごとに学んでいきます。イデオロギーの解説・説明文を読み、月曜日の授業で話し合い、水曜日の授業では前回の授業の振り返りや自分なりの気づきを記したジャーナルの提出を基に教授からのイデオロギーの説明があります。金曜日は対面授業ではなく、Moodle上でその週のイデオロギーに関するクイズを受けます。アメリカ政治に限定された授業内容ではないのでついていけないかもしれないと心配する必要はないと思います。月曜のディスカッションについていくコツは、あらかじめ聞かれそうな質問をいくつか予想し、自分なり回答を作っておくことです。英語がうまくしゃべれなくても、周りの生徒はうなずいてくれますし、助けてくれます。Dr.Boscoは「ディスカッションについていけそう?大丈夫?」と聞いてくださったり、宿題の提出期限を特別に延ばしてくださったりします。留学生に親身に寄り添ってくれる教授です。政治の基礎知識を身に付けたい方におすすめの授業です。

IST110c ( Introduction to International Studies)- Dr.Kolenz
 この授業は、世界中の特定の国や地域における様々な問題(ジェンダー、貧困、健康問題、移民、環境問題)などを取り上げ、学際的な視野をもって問題を分析していきます。分野ごとに、新聞や論文(30~50ページ)を読んだり、またドキュメンタリーを見たりして授業の予習をおこないます。ディスカッションベースの授業で最初はついていけませんでしたが、少しずつ小グループで意見が言えるようになってきました。そして、私の取り組みをネイティブの生徒とは異なる留学生用の基準で教授に評価してもらえます。オフィスアワーに行くと、量が多い文章の読み方のコツ、授業内容の説明などをしてくださります。この教授も、申し出をすればエッセイの提出数を減らすこと、プレゼンテーションの事前録音を可能にしてくれるなど留学生に親身に寄り添ってくれます。

MUS120 (Materials and Structure of Music-1 )- Dr.Bintesky
 この授業は音楽理論(調号・楽譜の読み方)を学び、作曲する能力を養います。私はこの授業を取ったことを最も後悔しています。まず私以外の生徒はみな、何かしらの楽器が使えます。授業に取り残されていると毎回感じ、抜け出したくなります。小学校以降音楽理論を学んでおらず、楽器が一つも弾けない私は、中間試験が終わった現在、合格・不合格のボーダーライン(D)にいます。クイズの答案用紙にはほぼ毎回see meと書かれています。基礎の授業とはいえ、音楽経験者と肩を並べることは非常に難しいです。毎週チューターに通い、教授からオフィスアワーに個人的な指導を受けています。単位が取れるように頑張りたいと思います。 注意:履修の変更は授業開始から2週目の時点で不可能です。私はそのことを知らなかったがために苦しんでいます。履修変更期間に注意してください。


センタ―大学はすっかり秋景色です

ARSの課題で絵を描いている様子です

 寮のみんながケーキを作って誕生日をお祝いしてくれました。スイートのみんなはとてもやさしいです。私以外は4年生なのでいろいろなアドバイスが聞けます。