センター大学 国際文化学科4年 中山樹 <4号 2022年3~4月>

はじめに

 交換留学生活もいよいよ終盤が近づいてきました。長いようで短かったこの交換留学生活があと少しで終わると思うと、清々しいような、寂しいような複雑な感情を抱いています。今回の報告書ではSpring Termの授業のテスト内容について触れたいと思います。Spring Termの詳しい日程は前回の報告書に記載しているのでそちらを参照してください。

Young Hallで飼われている蛇が脱皮する写真
Young Hallで飼われている蛇が
脱皮していました。
動物の写真
名前は忘れてしまいましたが可愛かったです。

春学期の授業について

 私が春学期に履修した授業の詳しい時間割は前回の報告書に掲載しています。

・REL 110-a Biblical History and Ideas
 前回の報告書に記載した通り、聖書の歴史やその内容について学びました。この授業ではスライド形式で授業が行われるのでできるだけ前の方に座ることを心掛けました。私が朝に弱いこともあって度々授業に遅刻してしまい、授業後に教授がその日の授業のパワーポイントを写させて下さったことが何回かありました。朝寝坊は完全にこちら側の責任なので、教授には頭が上がりませんでした。それでも、真摯に自分と向き合っていただいた教授には感謝の気持ちしかありません。この授業は今まで触れたことが無かった聖書の本質や核となる考え方を学んでいるようでとても楽しい授業でした。予習や復習では覚えることや考えることが膨大で、日々の予習や復習を完ぺきにこなせず悔しい思いを抱いていました。しかし、聖書を読んでいて、どうしてこのような記述になったのか、その当時の時代背景はどういったものだったのか、この文脈からどのようなことが読み取れるのか、といったような、文学的な要素を中心に学習していたので楽しく授業を履修する事が出来ました。聖書はインターネットでも気軽に読むことが出来るので、この授業に興味がある方は事前に聖書の知識をある程度頭の中に入れてから、履修することをお勧めします。
 キリスト教と一口に言っても様々な派閥があるので、それぞれの派閥によって考え方、聖書の捉え方も少し違っています。日本にある教会に行ってみて、キリスト教がどのような宗教なのか漠然としたイメージを形成することもお勧めします。 ここからは最終テストについて言及したいと思いますが、この授業の最終テストは中間テストと同様に記述形式です。単語や文章の意味やそれに関連する歴史的な事象を回答する部分と、聖書の文章について、なぜそれが特筆すべき文章なのかの理由を回答する部分に分かれています。復習するべき単語や聖書の文章は事前に教えてもらえるので、ノートや教科書、ネットの記事などを参考に復習していました。私はリスニングが完璧では無かったので、ノートをほぼ取ることが出来ませんでした。教科書やネットの情報を参考にしていましたが、時間がかかる上に正確ではありませんでした。教授もある程度こちらの事情を理解して下さっていると思うので、臆せずに教授に改めて単語の意味や文章の意味を確認しに行かれることをお勧めします。自分は、単語の意味を聞きに行くことは、回答を聞きに行くようなものだと思ったので、一人で何とかしようとしましたが、時間が足りずに失敗しました。意味を直接聞きに行くのではなく、例えば教科書のどこを参考にすればよいかを聞くのもいいでしょうし、他の学生のノートを見せてもらうのもいいかもしれません。
 最終テストとは別に、エッセイの課題も課されていました。これは、聖書に関する自由なテーマで指定された文字数のエッセイを書く課題です。テーマは自由ということは裏を返せば、自分でエッセイの方向性を構成しなければならないという事です。また、数冊の書籍を参考文献として使用しなければならず、それらをどのように探せばよいのかといったことも分かりませんでした。自分自身、どのような構想で書くかについてはある程度方向性が決まっていたつもりだったのですが、該当する参考文献を上手く探すことが出来ずに苦労しました。結局、最終的には時間が無く最後まで書き上げることが出来ませんでした。テーマや参考文献の探し方については教授に相談して早めに方向性を決めた方が賢明だったと思います。また、参考文献についてはくれぐれも一冊全体を読まないことをお勧めします。ただでさえ時間が無い中、全部を読むことは不可能に近いと思いました。書籍であればInstructionの部分を読めば、ある程度は筆者の主張を理解することは出来ますし、目次から関連する項目だけをピックアップするのもいいでしょう。ネットには書籍を要約した記事やサイトもあるのでそちらを参考にされても良いと思います。多くの授業でこのような範囲があらかじめ提示されているテスト方式がとられていると思うので、まずは周りを頼ることから始めてみるのが賢明かもしれません。

・HIS 230-a Inventing the United States
 この授業では、暗記形式のテストではなくて、提示されたお題に沿ってエッセイを書くものでした。中間テストと最終テストはどちらもこの形式でした。エッセイは、指定された4つのお題の中から2つを選んでそれぞれ2ページ分の分量を書かなければいけませんでした。分量的には多くなく、自分は逆にその分量に収めるように調整することに苦労しました。外部からの参考資料を求められることもなく、授業で使った資料や教科書、ノートを参考文献として引用するよう指示されました。ただ、指示されたお題には正解が無く、自分が授業を通して提示されたお題に対してどのように考えたのかを問われる内容がほとんどだったので、文章構成を考えるのには苦労しました。
 また、文章のstructureは厳しく評価されるので、短い文章の中でしっかりと構成を完成させなければいけませんでした。私は、構成の仕方の部分がいつもB判定だったので、エッセイの評価が返ってきた時に、教授にどこをどう修正すればよいか聞くべきだったと後悔しています。このエッセイの他にも、自分が選んだテーマについて、複数の参考資料を用いて、一つのエッセイを完成させるという課題も課されました。この課題は最終的に一つのエッセイを完成させるのですがその過程として、参考資料についての簡単な説明をする「Annotated Bibliography」、それらの資料を基にして、自分が選んだ歴史的な出来事等の題材について説明する「Historiographic Essay」、調べた事実を基にして子供向けの絵本、あるいは、その題材を知らない人向けにその出来事のどこが重要なのか、どういったところが魅力的なのかを説明する「Children's Book」、そして、その絵本、もしくは説明文についてなぜ自分がその題材を選んだか、どこが魅力的だと感じたかについて1000字以上で説明する「Explanation of Children's Book」をそれぞれ書き上げなければいけませんでした。ただ、それぞれの書き物はそれぞれそこまで量は多くない上に、授業の始まりからこの課題内容が提示されていたので、余裕を持って進めることができました。 また、この授業では中間テストの期間中に、今まで学んだ内容の中から自分でお題を選んでそのことについて調べた内容を説明するエッセイが課されていたので、この最終エッセイのお題は中間エッセイで使ったお題を流用しました。なので、比較的スムーズにテーマを選ぶことが出来ました。また、子供向けの絵本の課題ですが、こちらは、必ずしも絵本の形式にしなくても大丈夫なようでした。もちろん絵本形式にして短く、端的に調べた内容をまとめてもいいですし、普通のノンフィクション作品として、調べた事実と自身の考えを組み合させてエッセイ形式にまとめてもどちらでもよいと説明を受けました。話の構成に悩んだときは教授が積極的に話しを聞いてくれたので、スムーズに書き上げることができたと思います。この授業ではテストが無かったので比較的気楽に授業を受けることができたと思います。またこの授業も含めて、Inventing the United Statesの授業では教科書としてThe American YAWPというサイトを使用するようなので、もし歴史の授業に興味があるのであれば事前にそちらを呼んでおくことを強くお勧めします。あらかじめ、内容を把握しておけばそれだけ他にやれることが増えるのでお勧めです。

・THR 133-a Foundations of Drama & Theatre-I
 この授業の中間テストは、暗記系で今まで学んだ内容から総合的に出題されるテストでした。内容は用語の意味の確認から、それぞれの国の特徴的な舞台構成や人物の来歴などが出題されました。テスト範囲は事前に出題される内容が提示されており、授業で使われたパワーポイントも閲覧できました。しかし、演劇の用語は独特の名前と発音をしているため覚えるのは大変でした。それに加え、世界各国の演劇の歴史や特徴について学んでいたため、同じような内容を混同して覚えてしまっていたこともあったため、復習には時間がかかると感じました。私は、テストに対する復習を一人でやっていたのですが、教授からグループかペアで行う方法を勧められました。確かに、一人で復習を行っていると、ノートの不完全性もあって、とても時間がかかっていました。結果として、不完全な復習になっていたことは事実でした。きちんと周りを頼ることの重要性に気付かされた気がしました。
 中間テストは、グループになってお互いに答え合わせをしながら回答するというものでしたが、私は個人で記述する方式だと思っていたので驚きましたが、ほとんど復習できていなかったので助かりました。ただ、この時に他の人に頼りっぱなしになっていたので、他の学生に迷惑をかけないためにもきちんと頼るべきところは頼るべきだと実感しました。
 最終テストは、テストではなく、グループに分かれて今まで学習してきた各国からいくつかピックアップして、その中で特筆すべき点をまとめるというものでした。教授のご厚意でこの授業を履修している他の県大生とグループを作ることが出来たので、この課題はスムーズにこなすことが出来ました。また、授業時間中にこの課題を勧められるようにして下さっていたので、他の教科の復習に時間を割くことが出来ました。外部からの参考文献の引用を求められることもなかったので、授業中に取ったノートとパワーポイントで資料を完結させることが出来ました。このテスト形式が今後続くのかは分かりませんが、とてもアットホームな授業雰囲気だったので、気軽に演劇の歴史を学ぶことが出来たと思います。

・ANT 252-a Tombs, Temples, and Trash: Intro to Archaeology
 この授業のテストは普通のテストの形式でした。中間テストと最終テストはともに、それまで学習してきた内容から総合的に出題されました。授業中に使用されるパワーポイントをしっかりとメモしておけば、重要な説明は、簡単ではありますがそこに集約されているので、後は授業中取ったノートと教科書を参考にして復習すれば、きちんとテスト対策ができると思います。 この授業では教科書は参考程度にしか使っていなかったので、日々の予習はさらっと目を通す程度で良いと感じました。テストも選択式だったので、用語の名前やその年代を覚える必要が無かったので安心でした。選択肢も比較的分かりやすいものだったので、しっかりとパワーポイントの内容を復習していれば問題ないように感じました。
 本来の予定では最終レポートとして、提示された資料を基にしたエッセイが課される予定でしたが、それは各人の自由ということになったので、勉強の分量的にはそこまで多くは無かったように思います。この授業では考古学という分野の中でも主に遺跡や遺物についての歴史やその測定方法について学ぶので、その分野に興味がある方は楽しめると思います。

最後に

 交換留学生活もいよいよ終盤に突入し、時が経つのはやはり早いものだと実感する日々です。最初は、ほとんど聞き取れなかった授業も徐々に分かるようになってきた段階だったので、このタイミングで帰国するのは少々名残惜しい気がしています。まだまだ、教科書を隅々まで読めているわけではありませんし、授業自体も完全に理解しているとは言えません。参考資料として読んでいた書籍もさわり程度にしか読めていません。色々と取りこぼした内容をきちんと自分の中に吸収するにはさらなる学習が必要だと感じています。 しかし、時は人間のことを待ってはくれません。一年近くの交換留学でしたが、確かに自分の英語力が上達していると感じています。と同時に、自分の課題だったコミュニケーション能力も少しではありますが、向上した気がします。言語の違う世界で生活することは困難なことだらけですが、確実に人間を成長させるいい機会だということをこの交換留学を通じて実感しました。

最後のConvocationの写真
最後のConvocationも楽しむことが出来ました。

ANT 252-aの実習の写真
ANT 252-aの実習の写真

ANT 252-aの実習の一コマです。この実習では、昔から使われている手法で陶器を作成しました。