ビショップス大学 国際文化学科4年 三上詩歩 <最終号>

はじめに

 パンデミックの拡大の影響を受けて、予定より1か月早く留学生活を終えました。1か月程経った今でも、写真を見返しているとビショップス大学での生活や友人を思い出す切ない気持ちと楽しかった思い出が思い返されます。この体験記では3月の生活、後期オンライン授業、そして帰国後の想いを綴っていきます。

オンライン授業、期末テストについて

 3月の初旬から授業がオンラインに切り替わったので、授業や試験は従来のものとは異なる部分が多いと思いますが少しでも参考になると嬉しいです。

EWP099 Writing English Efficiency
 オンライン授業では、エッセイの課題が1つありました。先生がメールで送付してくれた段落構成を考える用紙を参考に作成しました。チューターの先生は親身で頼りやすい先生だったので質問もしやすく、メールでのやり取りでも安心してエッセイを進めることができました。下書きの提出後、1,2週間後に本稿のものを提出しました。試験は文法とエッセイのそれぞれの試験が1つずつ課されました。どちらもメールでワード形式のテストが送られてきて、締め切り時間以内に提出する形で行われました。文法のテストは授業のプリント等の復習内容でした。エッセイは4つほどの題から選択して答えるものでした。

FRE101 French Ⅱ
 この授業はMoodleと呼ばれる大学のポータルに各章の授業のパワーポイントとクイズ(必須ではない)が挙げられていたので自学しやすかったです。試験はまとまった章ごとに4回あり、最後に最終のまとめ試験がありました。最後の試験は全範囲で、クイズ形式で聞き取りと選択問題で構成されていました。発音のテストや文章を作るテストもあるので様々な力をつけることができます。フランス出身の友人に手伝ってもらうこともありました。

POL101 Comparative Politics
 この授業は実際に授業で学んだ範囲以上は試験範囲に含まれませんでした。オンライン授業期間は先生が提示するPDFを読み、知識をつけました。学期末はレポートと試験がありました。レポートは先生が提示した5か国から選び、自分でテーマを決め授業で学んだことと共にまとめました。試験は2つの20ページほどのPDFからの要約と問題、そして今までの授業で学んだことを答えるものがありました。

SOC102 Quebec Society I
 中間テストの後にグループでポスターセッションを行う予定だったのですが、オンラインになってしまったのでGoogle Documentを使ってそれぞれ役割分担をしてグループで1枚のポスターを作成しました。オンライン授業は先生が提示するPDFや指定されたテキストの章を読むことで学習を進めました。学期末は、指定時間以内に学校のポータルサイトに提出する形で行いました。授業資料のPDFやテキストをもとに学期で学んだ知識や自分の意見を書く問題が提出されました。

 オンライン授業では、時差によってテスト時間に苦労するときもありましたが、都合の悪いときは先生に連絡をすると柔軟に対応をしてくれました。

留学の目的

 私は幼い頃に英会話を始め、英語を話せることで国籍や育ってきた環境を問わず多くの人と対話ができることに魅力を感じていました。そして、その当時から留学生活を夢見ていました。留学を目的に国際学部のある本大学を選び、大学の提供する国際プログラムには積極的に参加してきました。その中でも、短期語学研修でシンガポールへ行った際に多文化の人々が共生している多文化共生社会に関心を持ちました。日本は日本語が公用語であり、独自の文化も成立しています。その環境が当たり前だったため、他の民族が一緒に生活していることが不思議に思ったと同時に魅力的に感じました。カナダは移民や難民も寛容に受け入れており、様々な国から移住してきた人が多いことから、ビショップス大学で多文化社会を体験したいと考え交換留学先に決めました。また、ビショップス大学の位置しているケベック州は英語とフランス語が公用語です。英語だけでなく、もう1言語学べる点も私にとっては魅力的でした。


カナダは州ごとに国旗のある、連邦国家で、ケベック州は特に特徴のある州の1つです。

学んだこと、得たこと

 カナダでの生活は充実しすぎて、7か月はあっという間に過ぎていきました。留学はトランジット先であるアメリカのVISAを取っておらず、飛行機の中でVISAを急いで取得することから始まり、復路のチケットのキャンセルもできないまま帰国日の2日前に新たに取得して帰るというドタバタ状態で終えました。思い返すと、その他にも旅行中に急にホテルから宿泊をキャンセルされてしまう事件や体調不良で救急車に乗るなど様々な問題や困難に直面しましたが、今となっては笑い話やいい思い出になっています。こういった問題を友人と協力しながら乗り越えた経験から、どんな失敗でも前向きに乗り越える力がついたと思います。
 学習面においては、アウトプットが大切だということを学びました。留学当初は、何を言っているか分からなかったり自分が言いたいことを言えなかったりと悔しい思いをしたので休憩をする隙間時間も英語学習の動画や洋画、洋楽など英語を見聞きすることを心掛けました。そして、友人と話すときに学んだフレーズを積極的に使うことが一番効果的な英語学習方法だったと思います。また、日本で教わっている教育は海外では当たり前ではないということも学びました。海外の学生は外国の政治や経済などニュースへの関心も強かったので、私ももっと自分の興味以外のことにも目を向けようと思うきっかけになりました。
 最後に、この7か月間でできた友人は本当に貴重な存在です。日常も学校の行事も休日のお出かけも全て最高の思い出です。地元に帰ってしまった友人や学外に住んでいる友人一人一人に最後のお別れをしっかりできなかったのは心残りです。帰国後もSNSで連絡を取り合ったり電話したりできているので、今後もこの縁を大切にしていきたいなと思っています。落ち着いたらポスターカードも送りたいと思っています。



友人たちとの写真です。3枚はお別れの前日に撮ったもの、1枚は仲良しなマルジェリとお寿司を食べに行ったときの写真です。

最後に

 この留学期間は自分のために時間を使い、たくさん努力することができました。長年の夢だった留学を叶えることができ、達成感でいっぱいです。これからも、この留学生活で学んだことや得たことを活かし、常に向上心を持ち続けていきます。
 来年度ビショップス大学は春、夏学期は完全にオンラインで実施することに決まっています。しかし、秋学期の実施方法まだ決定されていないと友人から聞きました。9月から、次の交換留学生がビショップス大学で留学生活を送れることを心から願っています。


帰る日の早朝に撮ったキャンパスの写真です。お世話になりました!