センター大学 国際文化学科4年 上京田ちえ莉 <1号 2021年9~10月>

渡航まで

 5月に教育実習を終えてから、ビザ申請、飛行機の予約、履修登録...と怒涛の勢いで準備をしていました。コロナ禍の影響で、状況が刻々と変わっていく中、今できる最善の判断をできるだけ早く行うことが大変でした。大学のお陰で、コロナのワクチンを早めにうたせていただいたので、無事に渡航することができました。大学の協力に感謝しています。

到着してから授業が始まるまで

 実は、8月18日にアメリカに到着してから、2回目のワクチン接種後2週間が経過する8月23日まで、大学内の小さな家で、県大生3人で隔離生活を送りました。昼食と夕食を大学の職員の方か、ISAという留学生のお世話をしてくれる学生の方が届けてくれました。一回当たりの食事の量が大変多く、一番初めにアメリカらしさを感じたのがこの食事でした。


図1 隔離中のご飯(一食分)

アメリカでの授業について

MondayTuesdayWednesdayThursdayFriday
10:20~11:20EDU127EDU127EDU127
12:40~14:10MUS110MUS110
14:20~15:50CRW140CRW140
15:00~16:00THR117THR117THR117

まず、私が今学期取っている授業はこの4つです。
• EDU127 Education and U.S. Society (教育とアメリカ社会)
• CRW140 Fundamentals of Poetry Writing (英語で詩を書く授業:基礎)
• MUS110 Fundamentals of Music (音楽:基礎)
• THR117 Acting (演劇)

 アメリカでは一つの授業当たり、3単位の場合が多く、学期ごとに最低12単位以上、授業を取ります。今学期は、各授業3単位ずつ、12単位取りました。私の場合、月水金曜日の授業が1コマ60分、火木曜日の授業が1コマ90分です。アメリカでは2021年の春学期から対面の授業を少しずつ開始していて、秋学期の私の授業はすべて対面で行われています。他の学生とも顔を合わせて授業を受けられるため、友達が増えて嬉しいです。

Education and U.S. Society (教育とアメリカ社会)
 これは、「アメリカの教育の仕組み」や「教育」とは...といったことを学ぶ授業です。日本とアメリカの教育制度には、こんなに違いがあったのか!と毎回驚いてしまいます。これまでで一番驚いたのは、アメリカの公立学校には「School Funding」という、学校自体がお金を集める制度がある事です。学校の運営のためのお金は、州にもよりますが、州から支給されるお金とこのSchool Funding が半分半分というところが多く、School Fundingによって公立学校でも格差が生まれてしまいます。これは、世界でも珍しい制度です。アメリカの制度と比べると日本の教育は、格差を是正するための機能を果たしているということがわかりました。

CWR140 Fundamentals Poetry Writing (英語で詩を書く授業:基礎)
 英語で詩を書いたり、英語の詩を読んでディスカッションをしたりする授業です。授業ごとに、少なくとも1編は詩を書いて持っていきます。韻の踏み方や、読んでいて美しさを感じさせる詩ってどんなものだろう...?と毎回試行錯誤しながら書いています。詩の美しさは、「言葉の美しさ」だけではなく、「配置の美しさ」、「音の美しさ」、「見た目の美しさ」など、いろいろな観点があってとても興味深いです。最初の頃は、詩の書き方がわからず、毎回苦労していました。しかし、最近は私の書いた詩をクラスメイトが、すごく褒めてくれるので、楽しく詩を書くことができています。

MUS110 Fundamentals of Music(音楽:基礎)
 楽譜の読み方、楽譜の決まり、コードのことなど、音楽の基礎を習う授業です。小さいときから、ピアノや吹奏楽など音楽に親しんできたので、楽しく授業を受けられています。また、音楽を日本語でしか習ったことがないので、英語で学ぶと、新たな視点で音楽を見ることができて面白いです。この授業は、課題がそこまで多くないですが、1週間に1度ほどクイズ(日本でいう小テストのようなもの)があります。クイズに向けて、自分で書いたノートや教科書、練習問題を解くことができるサイトを使って復習しています。
実は、この授業が始まる前に、大学のブックストアからテキストを購入したのですが、表紙が明らかに大学のサイトで見たものと違っていました。ブックストアの店員の方に確認したところ、「ISBN(図書用国際規格コード)は合っているから大丈夫だよ」と言われました。授業の時に、教授に確認したところ、やっぱり違う教科書だったことが判明しました。そこで、教授の方から、ブックストアに連絡を取ってもらい、交換してもらうことができました。渡米してから一か月も経たないうちに起きた出来事だったので、英語で話すことに慣れておらず、対応するのが怖かったのですが、無事に交換してもらえてよかったです。

THR117 ActingⅠ-A
 演劇の基礎を学ぶ授業です。自分で演技することに加えて、ほかの人の演技を見てディスカッションをしたりします。これまでに、Picture Exercise, Monologue, Open Scene, Life character interviewと4つのパフォーマンスをしました。演技をすることで、よりアメリカ人らしい態度(行動、しぐさ)、英語の発音などにいつも以上に気を使うようになったので、英語の力を伸ばすのにも役立っています。毎回のパフォーマンスまでに、台本を読み解いて、自分なりに演技プランを立ててやってみます。その過程の中でたくさんの発見があって、それによって自分の演技プランを適宜修正しながら演じていきます。本番までに試行錯誤する過程が面白い授業です。それから、演技することと同じくらい、その役に合った衣装を選ぶことが好きでわくわくします。衣裳を選ぶと、演じる人物がより具体的にイメージできて、練習が楽しくなります。


Open SceneでDianaを演じたときの衣装

休日について

 休日は、課題をしたり買い物に行ったりして過ごすことが多いです。ホームカミングという休日の際は、2年前に山口県立大学に交換留学に来ていたOliviaさんとNatalieさんが大学まで来てくれました。2人は、一年越しにアメリカにこれたことを私以上に喜んでくれて、胸がいっぱいになりました。Oliviaさんとは、次の日に一緒にレキシントンまで行って買い物をしました。


図2 Oliviaさんとルームメイトとレキシントンへ行きました。

 ハロウィンの際は、大学内で仮装をして屋外で踊ったり歌ったりしました。バンドの生演奏の後、DJタイムのような形で音楽がずっと流れていたので、「これぞ、アメリカ!」という感じがしました。アメリカの大学生のハロウィンの楽しみ方は人それぞれで、仮装して屋外でのパーティーを楽しむ人もいれば、部屋にいたよという友達もいました。アメリカでは、いい意味で周りの人に深く干渉しない人が多いので、ハロウィンも「絶対仮装しなければいけない!」という雰囲気ではなく、思い思いに楽しんでいる様子がいいなと思いました。


図3 ハロウィンで友人と。
※写真を撮った後はすぐマスクをしました。


図4 ハロウィンの日のパーティーの様子。
※外ではマスクを外してもいいので、マスクをしている人は少なめです。

終わりに

 渡航してから3か月が過ぎました。少しずつ友達が増えて、「Hi! Chieri!」と声をかけてくれる人が増えていくのが嬉しいです。授業についていけなかったり、自分の確認不足で課題をするのを忘れていたり、周りの人と比べてしまって落ち込むこともありますが、周りの人のおかげで楽しく留学生活を送れています。帰国後に後悔が残らないよう、授業だけでなく、アメリカでの生活をもっと充実したものにしたいです。