受託研究の事例


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青汁の効能研究

計画の概要

 「青汁」は全国40万人の愛飲者を持つ野菜飲料で、ビタミン・ミネラルに富み健康によいと言われながらその科学的根拠が示されていない。キューサイ(株)は、本学の研究者に効能の実証研究を委託することで製品の評価を高めることができればさらに新たな愛飲者が生まれ、国民の健康増進に貢献するものと期待している。一方、本学の研究者/森口覚教授は、「青汁」乾燥末添加食で飼育したラットを用いて脾臓の免疫担当細胞(NK細胞)活性が著明に上昇することを確認し、加齢による免疫低下と癌細胞増殖転移を抑制する可能性を見いだした。そこで、キューサイ(株)は以下の研究計画をもって「青汁」の効能を実証する研究を森口覚教授に委託することとした。

研究計画

 蕀@「青汁」がNK活性を上昇させるメカニズムの解明
 実験動物(ラット10匹)に青汁添加食を8週間与え、脾臓のT細胞とNK細胞の割合、NK細胞の活 性、インターフェロンガンマの変化を検討する。青汁非添加食群ラット5匹を対照とする。
 蕁A癌の増殖転移を抑制する作用の検討
 実験動物(癌細胞吉田肉腫移植らっと10匹)に青汁添加食を4週間与え、癌細胞の増殖生存日 数臓器転移について検討する。青汁非添加食群・癌細胞吉田肉腫転移ラット10匹を対照とする。

期待される成果

蕀@全NK活性の上昇がNK細胞数の増加によるか、個々の活性増加によるか、あるいはインターフェロンガンマに対する感受性上昇によるか、メカニズムが決められる。
蕁A癌化初期の変異細胞を認識し攻撃するNK細胞の活性上昇によって、移植癌細胞の増殖転移が抑制される効果を実証できると期待される。