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オリーブ茶葉の飲用が若年女性の身体に及ぼす影響

受託研究委託者 株式会社山口茶業
受託研究研究者 看護栄養学部栄養学科 講師 加藤元士
研究期間/平成25年度

研究の概要

 本研究では、株式会社山口茶業で栽培されたオリーブ葉を用いて作られたオリーブ葉茶を毎日飲用することにより、若年女性の身体に及ぼす影響を検討した。また、若年女性のオリーブ葉茶に対する味、色、香り等に関する嗜好性を明らかにするために、アンケート調査を実施した。

研究計画

 山口県立大学看護栄養学部栄養学科の女子学生のうち、協力の同意が得られた21名(19~22歳)を対象とし、オリーブ葉茶を飲用するグループ(以下オリーブ葉茶群)11人とその比較対象として小野茶を飲用するグループ10人(以下プラセボ茶群)にグループ分けを行った。そして、毎日各茶葉5gを熱湯500mlで抽出したものを1ヶ月間飲用した。期間中、定期的に体重、体脂肪率、飲水量、体温、便通(排便回数・排便量)、血圧、ヘモグロビン量、肌の水分量・油分量・ハリを記録した。また、オリーブ葉茶飲用の事前と事後に自記式のアンケート調査を実施した。
 オリーブ葉茶は、天日干ししたオリーブ葉(H18年の栽培開始より農薬不使用)と釜炒りした小野茶葉(H12年以降は農薬不使用)を8:2の比率でブレンドしたものを用い、プラセボ茶は小野茶葉のみを使用した。茶葉の生産、加工はすべて株式会社山口茶業にて行った。
 なお、本研究は、本学生命倫理委員会の承認を経た後に実施した(承認番号25-48号)。

期待される成果

 オリーブ葉抽出物には、抗酸化作用、抗高血圧作用等さまざまな作用が言われている。今回、女子学生を対象としてオリーブ葉茶を1か月間飲用したが、体重や体脂肪率など、すべての項目において大きな変化を認めなかった。しかし、個人では、便秘、貧血、肌トラブルの改善などの効果を実感しているといった記述もあったため、オリーブ葉の作用についてさらに検討することで、健康効果が期待できる可能性があり、また茶葉の量の再検討やブレンド配合の工夫などを行うことで、若年女性により好まれるオリーブ茶が開発できるものと考える。