受託研究の事例


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山口県産農産物でつくるオリジナル八宝茶「楽楽(ruru)」の開発

受託研究委託者 中国茶館「茶座」
受託研究研究者 看護栄養学部看護学科  教授 市村孝雄
看護栄養学部栄養学科  教授 島田和子
看護栄養学部栄養学科  講師 園田純子
研究期間/平成21年度、平成22年度

研究の概要

 「八宝茶」は中国西北のシルクロード地方の回族に起源を持つと言われ、蓋碗で飲まれる。「八宝」とは「大切なものがたくさん」という意味があり、中国茶葉以外に数種類の素材をブレンドした健康茶である。現在、八宝茶は中国でパック詰めされたブレンド品と中国から輸入した素材を日本国内でブレンド・パック詰めされたものが大部分を占めているが、食の安心・安全の観点からは消費者に信頼される域内農産物の活用が望まれる。そこで本研究では、食の安心・安全の推進と地域の農業振興の観点から、県内農産品による「八宝茶」を開発した。

研究計画

嗜好性の検討

 ベースとなる中国茶の性質に応じたブレンド用農産物を選定し、それぞれの味と香りの嗜好性を検討した。

生理活性の検討

 上記の結果を受けて調整したブレンド茶の味と香りの生理活性を明らかにするために、脳波心電図と唾液アミラーゼ活性を測定した。

期待される成果

 生理活性の検討から、ブレンドする農産品を適切に選択することによって、「意識と身体を安静に覚醒させる効果」をもつ商品とこれとは全く逆に「意識と身体を休息に向かわせる効果」を持つ商品の両方が開発できることが明らかになった。このことから、季節ごとにブレンドする農産物の組み合わせを適切に変えることで、前述のふたつの効果を持った四季折々の八宝茶を開発することが可能であると考えられ、小規模少量生産という山口県の農業の特徴を活かした農業振興にもこの商品の開発が寄与できると期待される。