職場でできるワーク&ヘルスプログラム「けんかつ」の開発と評価
受託研究委託者 | 地方職員共済組合山口県支部 |
受託研究研究者 | 栄養学科 教授 乃木 章子 |
研究背景
県庁職員の健診結果では、体重減少の必要な職員が若い世代で多く、データヘルス計画(第二期)では、メタボリックシンドローム対策が重要と分析されている。 データヘルス計画とは、健康診査などから得られるデータの分析に基づいてPDCAサイクルで実施する効率的な保健事業であり、平成27年度からすべての健康保険組合に対して厚生労働省が実施を求めている。
研究内容
40歳未満、BMI25kg/㎡以上の県職員26名(男20名,女性6名)を対象に、身体組成計測と生活習慣調査およびグループ学習を中心とした4カ月間の参加型健康講座を開催した。
職場でできる健康学習と成果の見える化を目指し、時間・空間・仲間・健康課題の共有と体組成測定を組み合わせ、目標達成へとつなげていった。
ワールドカフェ
食生活と運動習慣の改善のため、「けんかつプラン」を自ら考え、仲間と共に実行に取り組んだ。
本学で体脂肪と部位別筋肉量を測定
研究結果
プログラム前後で、特に男性の体重、BMI並びに体脂肪量の減少と下肢筋肉量の増加が認められた。また、生活習慣の改善や自己効力感向上の傾向が認められ、生活習慣病予防効果が示唆された。
3ヵ月間の平均体重減少量は、男性1.9±1.8kg、女性1.4±1.5kgであった。男性では、体重減少量の多少に関わらず、体脂肪は減少し除脂肪体重(体脂肪を除いた総量で、減少するときは筋肉量や基礎代謝量の低下を意味する)を維持できた。
応用・展開
・職場の健康講座に応用 ・家族巻き込みプログラムに展開 ・継続支援プログラムの開発 ・体組成測定の健康行動継続効果の検証