はじめに
長かったようであっという間だった約9カ月のフィンランドでの留学生活も終わりを迎えてしまいました。気づけば体験記も最終号です。期待や楽しみよりも不安をいっぱい抱えて飛行機に乗り込み始まった長期留学、悩んだり考え込んだり苦労することも多かったですが、それもすべて楽しくて充実していて刺激いっぱいの日々でした。振り返ってみてもこんなにいろんな経験・冒険ができた怒涛の一年はなかったと心から思います。そんなことを考えながらフィンランドでたくさん歩いてきた道を散歩して、いつも見てきた景色を見ていると、とても名残惜しくて帰りたくない気もしてきましたが、そう思えるくらいにフィンランドでの生活を満喫できたことが嬉しくも思えるような複雑な気持ちでフィンランドの5月を過ごしました。
冬は凍っていて湖の上を歩くことも
できました。
2025年のクリスマスにサンタ村から
届く予定です。
5月のフィンランド
寒くて暗くて長い冬が終わったフィンランドの春は、雪も溶けて緑が増えた春らしい景色とともに、街には活気があふれ、みんなが日向ぼっこしながらアイスを食べるほほえましい光景が広がっていました。そんな中私は、提出すべきレポートも出し終え、授業もすべて終わってほっと一息つきたいところでしたが、帰国準備と友人とのお別れパーティー、旅行で大忙しでした。
フィンランド周遊旅行では、タンペレで念願のムーミン美術館やサウナに行ったり、ケミでピクニックや散歩、カフェ、公園の遊具で遊んだりと春を楽しむことに全力を尽くしました。また3度目にして最後のヘルシンキでマリメッコのファッションショーを見て、お土産の買い納めをしました。自分たちが住むロバニエミでも、お気に入りのカフェやレストラン、サンタクロース村に行ったり、友人とパーティーをしたりと1カ月間でフィンランドでの時間を最大限満喫しました。
旅行のパッキングや部屋の掃除、帰国準備に追われながらも友人たちと一緒に過ごすことが多く、別れの挨拶と再会の約束をして、だんだんと友人が去っていくロバニエミで自分の留学も終わりが近づいていることをじわじわと実感していく日々でした。
また、この春学期の間はヨーロッパ圏内の旅行に行くこともできました。2月にはオランダ、ドイツ、イタリア、5月にポルトガルとスペインを訪れ、その土地の色んな景色と食べ物も満喫して、実り豊かな濃い1年となりました。
フィンランド語が理解できて感動しました。
(私は今コーヒーを飲んでいます)
全部見終わってから行くと感動が桁違いでした。
ぶらぶら路地裏探検して楽しみました。
旅行中たくさん食べました。
お気に入りの海辺の街です。魔女の宅急便のモデル地と言われているとか言われてないとか?
留学を振り返って
海外への漠然とした憧れから、フィンランドの教育について学ぶこと、そして自分の英語力の向上を目的として日本を飛び出し、約1年を過ごし、授業での学びはもちろん、日常生活やいろんな人との交流においても異文化をたくさん感じ、それらを大きい学びとして体験できた1年でした。学業に励む中でのこの1年の大きな出来事としては、フィンランドで2学期にわたって教育実習に参加できたことでした。参加をためらってしまうくらい履修時は自信もなく不安でいっぱいでしたが、せっかくここまで来てもったいない!と自分を奮い立たせて挑戦し、2つの実習に参加させていただきました。タスクの多さや重さ、学業以外でもうまくいかないことに悩んだりもしましたが、日常生活も日本ではできないようなこともめいっぱい楽しんで、教育や英語だけではなく、フィンランドの文化や生活についても学び、なんとかすべてをめげずにやり通すことがでました。穏やかで楽しい日々を過ごす中で、フィンランドで出会った人達、そして日本の友人、家族、先生方の温かさ、優しさにたくさん支えられて留学生活を終えることができました。
振り返ると本当にいろんな人に助けられた9カ月でした。大学入学のために地元を飛び出し、留学に当たって日本を飛び出し、人生の転機ともいえるような出来事があるたびに、「自立しないと」「自分でできるようにならないと」「一人で頑張らないと」と思うことが増えてあまり周りを頼れずに戦ってきたことが多く、留学当初も気を張りすぎたり、思いや頑張りと結果のギャップに苦しんだり、ふさぎ込んで自分らしさを見失いかけたこともありました。しかしその都度回復して頑張るための活力になったのは、周りの人の存在でした。人はひとりでは生きていけないし、私はひとりではないことに改めて気づくことができてから心が軽くなったような気がして、程よく周りの人に相談したり頼ったりできるようになり、色んな人とお話しすることがより楽しくて大好きなものになりました。
この留学生活で得た学びや体験は、フィンランドの冬の厳しさと、その中だからこそより強く感じられたフィンランド文化の温かさがくれた、"フィンランドらしいクリスマスプレゼント"のようなものだと思います。
これからも私の胸の中に大切にしまっておきたい、素敵な思い出であり、間違いなく私の人生における大きな冒険でした。
面白くなってしまうくらい色々祈られているけどとても嬉しかったです。
帰国直前に存在を思い出し、滑り込みセーフで食べに行くことができました。
おわりに
着いてすぐめそめそしながら外の空気を吸いに一人で出かけていた散歩道や、友人と議論を白熱させたり課題に追い込まれたりして通い詰めたカフェ、雪景色の美しさに心躍らせた通学路、季節の移ろいを見守った自室の窓の外の景色、ロヴァニエミはこの9カ月で自分の思い出やお気に入りが溢れかえっています。そんなロヴァニエミが愛おしく、長い期間色んな感情で過ごして頑張ってきたことを実感すると同時に、留学期間中の色んな出来事が本当に自分を強くしてくれたんだなと思います。
私の留学前からの小さな目標は、私が大好きな映画で主人公が最後に言う「落ち込むこともあったけど、私、この町が好きです」というセリフを帰国までに感じられる留学にすることでした。新しい環境下や慣れない生活、フィンランドならではの寒さなど、とにかく悩みは尽きませんでしたが、その度にたくさん考えて乗り越えてきました。留学を終えた今、なんだかんだすべてが楽しかったと心の底から思えて、フィンランドが大好きと言えることがとても誇らしいです。そして、新しくできた私のちょっとした人生の目標は、またヨーロッパ・フィンランドに戻ってこられるように頑張ることと、自分の大好きな家族、友人たちを大切にして少しずつ恩返しすること、そしてそのために自分のことも大事にすることです。
最後にはなりますが、私は間違いなくいろんな人の支えがなければ留学に行くことも、この9か月間を乗り越えることもできなかったと思います。留学に行くという挑戦を認め、いろんな形で応援してくれた家族、どんなときも隣で全力で一緒に戦ったり楽しんだりしてくれた親友、背中を押してくれたり励ましの言葉や何気ない会話で心の支えになってくれた友人たち、留学をサポートしてくれた先生方、フィンランドで出会った人たちには感謝の気持ちでいっぱいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
Kiitos pajion !!
9か月間お世話になりました!!