曲阜師範大学(2016年度日本語TA)国際文化学科3年 櫛田楓<3号 2017年1~2月>


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 2月27日から後期が始まり、私のTA生活も残り4か月となりました。
 1月、2月は冬休みのため日本に一時帰国していたので、今回は中国に戻ってくる際の旅行について書きます。

 2月14日、私は曲阜で一緒に働いている日本語教師の方と共に東京から香港へ旅立ちました。今回の計画は、中国の一番南に位置する香港から広州、アモイ、福州、杭州、蘇州、南京に滞在しつつ、北上しながら曲阜まで戻るというもので、高速鉄道のチケットの購入・ホテルの予約は学生に手伝ってもらい事前に行いました。
 今振り返ると、1日おきに長時間かけて移動していたので、本当に余裕の無いスケジュールだったと思います。その中で一番心に残っているのは蘇州です。蘇州は上海から数時間とかからない位置にあり、多数の世界遺産が存在する町です。ここで予期せぬ出来事がありました。最初に訪れた「留園」で、「100元で有名な場所にいけるツアーがある」と言われ、怪しいと思いながらも参加してみることにしました。すると思ったよりもちゃんとしたツアーで世界遺産を含めた5か所ほどに訪れることができ、入場料を考えると100元でそれらに行けたことはラッキーだったと思います。また、蘇州は刺繍が大変有名で、文化遺産にも登録された山塘街の繁華街で中国らしい品物を買うことができました。さらに、私たちはこの山塘街に隣接したユースホステルに滞在したのですが、このホステルは昔の家を改装したもので、古きよき「中国」の雰囲気を感じることができました。
 今回の旅では、高速鉄道、地下鉄、バスなどの公共交通機関を多く利用しました。中国の高速鉄道(日本でいう新幹線)は全席指定席で、事前にチケットを買っておくことが求められます。中国人のほとんどはネットで購入しており、日本からでもネットでチケットの購入ができます。しかし、大変なのが、当日のチケットの受け取りです。実際に高速鉄道に乗る日に窓口まで行き、予約番号とパスポートを見せてチケットを受け取ります。この時、都会の駅では長蛇の列ができていることが多いので、余裕をもって駅に着いていないといけません。また、中国の列車、地下鉄では乗車前に荷物検査をしなければならず、荷物の中に危険物が入っている場合、没収されるので気を付けた方がよいでしょう。さらに、大都市の駅は空港並みに広く、乗る列車によって待機する場所も異なりますし、発車時刻の10~15分前にならなければ、ホームには入れません。日本と異なる点が多いので、油断していると、乗れずに立ち往生してしまう可能性があるのが中国の列車です。
 また、中国のバスは日本のバスと異なり、最初にお金を払います。料金は大変安く、1~2元です(ちなみにバスの中に両替機はありません)。ただ、田舎のバスは英語のアナウンスがないので少し難しく感じます。私は中国語のアナウンスを聞きとるのが苦手なので、バス停で停留所の一覧表を写真に撮り、今バスがどこを走っているのか確認しながら乗ります。また、一番困惑したのが乗車拒否です。これは、アモイでの話ですが、目的地行きのバスに乗ろうとすると、何人かの人だけを乗せてすぐに行ってしまったのです。その後、違うバスに乗ったのですが、そこで理由がわかりました。入口(出口)が1つしかなく、席数以上の客を乗せると乗り降りが難しくなるためでした。バスの中では必ず座らなければならないし、満員の場合は次のバスを待たなければならない、そんなバスもあるのかと驚きました。
 このように大変なこともある旅行でしたが、その分中国を知ることができました。2月27日から新学期がはじまります。前期とは異なり、授業数は週に2つで2年生の「日語会話4」だけです。また、授業時間も大きく変わります。前期は8時から開始だった授業が8時30分からで、休憩時間も10分から5分に短縮されることになりました。慣れに甘えず、よりよい授業ができるように頑張ります。


南京の料理:蟹の小籠包に鴨肉、最高でした

世界遺産である「山塘街」

世界遺産の「留園」

蘇州のユースホステル