このたび、学部生・大学院生・別科生合わせて364人が、本学に入学しました。
学長式辞
令和7年4月2日
山口県立大学学長
田中マキ子
式辞
桜咲きほころぶ本日、山口県立大学及び大学院、別科助産専攻に入学されました364名のみなさん、ご入学、誠におめでとうございます。全教職員と共に、みなさんのご入学を心よりお祝申し上げます。
入学式を挙行するにあたり、山口県知事 村岡 嗣政 様、山口県議会議長
柳居 俊学 様、教育後援会会長 三隅 栄治 様、一般社団法人山口県立大学桜圃校友会理事長 相本 艶子 様のご臨席を賜りましたこと、本学にとり、この上ない喜びでございます。また、これまでみなさんの成長を慈しみ、育んでこられましたご家族、ご関係者の皆様におかれましても、さぞお喜びのことと、お祝い申し上げます。
さて、みなさんは、本日から大学生となられますが、大学ではどんな学びを追求されるでしょうか。急速な少子化は人口減少社会をもたらし、一人一人の能力を高める必要があることから「知の総和」と掲げられ、一人一人が持つ、個性豊かな能力をどのように伸ばしていけるかについて、高等教育機関である大学教育の在り方へも課題が突きつけられています。こうした課題に対して、本学では、全国の模範となるような幾つもの挑戦を行っており、本学に入学されたみなさんが「山口県立大学に入学して良かった」と思っていただけるよう実績を積み上げております。地域活性化人材育成のための通称SPARCといわれる事業では、国立大学である山口大学、私立大学である山口学芸大学と連携法人をなし、共同で開講する科目を複数展開しています。本学にありながら他大学の学生さんとの意見交換など、刺激に満ちた学修が行えます。また、課題解決学習、通称PBLといわれますが、地域や市町、企業の方々からご支援をいただき、教室内では経験できない鮮明な学修が展開されます。また、大学だからこそ1学年時にどのような学び方・追求の仕方・方法を学ぶかが重要となりますが、「やまぐち未来デザインプロジェクト」と呼ばれる専門の枠を超えた、1年間の学習は、大学ならではの問いの立て方、課題解決のための方法や導き方を学びます。この体験は、地域で学び、地域と育ち、地域を拓くことに通じ、山口県立大学を代表する学び方であると同時に、他大学では経験できない、特徴的で魅力的な学修です。小規模大学だからこそ実現できる濃厚な学修で、みなさんお一人おひとりの個性をしっかり伸ばす教育の基盤となっています。
こうした教育に支えられている本学ですが、本年は、国際文化学部に新しく情報社会学科が開設され、社会から求められるデジタル人材育成が始動します。「人間がテクノロジーに引きずられるのではなく、人間によって考え抜かれたテクノロジーを使って、人と人、人と地域、人と世界を縦横無尽につなぎ、より活発なコミュニケーションを促進していくことを通じて、世界をより多彩で幸福なものにしていくこと」に貢献できるテクノロジー・コミュニケーターの養成に力を入れていきます。みなさんが社会の主人公として活躍し、デジタルと人・地域をつなぎ活躍するための学問で、本学では「デジつよ文系になる」と標ぼうしています。特に一期生となられる44名のみなさんは、先輩がいません。みなさんの活躍が伝統となり、次なる世代へつながっていきます。一期生としての自覚と誇りをもって、楽しく・挑戦的に学修を進めてください。DXスキルの学修は、情報社会学科のみならず、大学全体においてもDX教育を進めていきます。みなさんが、デジタル社会を牽引する「文系DX人材」になられることを願います。
さらに本学では、学生目線にたった学修者本位の学びの実現など学生ファーストを掲げることはもとより、大学運営への学生参画を進めています。決して長くはない4年間という貴重な時間・空間を、有意義に過ごしてもらうために、豊かな学びが実現できるようみなさんと共に山口県立大学の生活をデザインしていきましょう。
結びに、近代日本の扉を開いた吉田松陰は、「活きたるものには必ず機あり、機なるものは触に従いて発し、感にあいて動く」と述べます。動きだす源に「感動すること」があり、その感動が動きを触発すると。みなさん、本学で多くの感動を味わい、その感動を糧に、様々な活動へ繋げていってください。本学教職員は、そんなみなさんをしっかり見まもり・支えていくことをお約束いたします。
山口県立大学にようこそ。ご入学、誠におめでとうございます。