ナバラ州立大学 国際文化学科4年 佐守薫乃<最終号 2023年7月>

早いもので渡航してから10カ月の時が経ち、今回が最終号となりました。留学期間を通して経験したこと、感じたこと、考えたこと、今後の展望などを綴りたいと思います。

サン・フェルミン

パンプローナでは7月に入ると、サンフェルミンというお祭りが開催されます。今年は7月6日から14日の約1週間行われました。この期間中、朝は8時ごろからencierroという牛追い、闘牛、夜は花火が毎日打ち上げられます。闘牛で活躍した牛たちはその日に仕留められ、次の日にはまた別の牛が登場するため、たくさんの牛が命を落とすのだと知りました。花火は大会として行われ、毎日違う花火師たちが花火の打ち上げをしています。日本と比べて音が大きく連発して打ち上げられるので、その衝撃が体にまで響いてきて、圧巻のパフォーマンスでした。開始時間は23時です。日が暮れるのが遅いのでそれに合わせているのだと思います。

サンフェルミンのencierro(牛追い)の様子1
サンフェルミンのencierro(牛追い)の様子2
サンフェルミンのencierroの様子
花火大会の様子1
花火大会の様子2
花火大会の様子

一人旅

サンフェルミンの後、三泊四日でマドリードに旅行に行きました。ソフィア王妃芸術センターでピカソのゲルニカなどを鑑賞し、マヨール広場を通り、サンミゲル市場ではサングリアとピンチョスを楽しみました。ヨーロッパ文化に触れるとても良い機会となりました。

私が訪れた時期は40℃を超える猛暑日が続いていたため、旅行の最中に体調を崩してしまいました。スペイン北部のパンプローナと中部のマドリードでは気候が異なり、急激な気温の変化に自分の身体がついていけなかったのだと思います。知り合いの日本人の方に薬を頂いて、幸いにもすぐに回復しました。日本の薬はいくつかの症状に対して効能を発揮しますが、スペインでは咳などの特定症状に対して、決められた成分の薬が処方されるそうです。

日帰り旅行

スペイン人の友人と一緒にPasajesという小さな港町に行きました。パンプローナからサンセバスチャンまで高速バスで行き、そこからローカルバスに20分ほど乗って到着しました。小さな船に乗って対岸に行くことができ、その港にはたくさんの船が出入りしていて、のどかで、とても過ごしやすそうなところでした。友人に近くのおすすめのレストランに連れて行ってもらい、Sopa de ajoという伝統的なにんにくのスープ、Lubinaという新鮮な白身魚とArroz con lecheというミルク粥を頂きました。港町ということもあり、魚料理がとても美味しかったです。その後、サンセバスチャンの海岸沿いを散歩していると、途中でクラゲが出たとアナウンスがあり、一部が遊泳禁止となっていました。この日は日差しも強く、日焼け止めを塗っていたものの、次の日に顔と足が真っ赤に腫れ、痛みを伴いました。数日で治まりましたが、日本では日焼けで痛みが起こったことはなかったので、予想外の経験となりました。

Sopa de ajo(伝統的なにんにくのスープ)
Sopa de ajo
Arroz con leche(ミルク粥)
Arroz con leche
Lubina(新鮮な白身魚)
Lubina
船上の様子
船上の様子
サンセバスチャンの海
サンセバスチャンの海

クレジットカードについて

帰国の準備をしている際に直面し、解決に日数を要したことを書きたいと思います。

留学中、日本のクレジットカードだとエラーとなって支払いができない場所が何カ所かありました。例えば、私の場合Renfeというスペインの列車の支払いの時、クレジットカード払いのみの機械では支払いができませんでした。インターネット上では問題がなかったため、決済可能でしたが、何枚かカードを持っていくと安心だと思います。日本のクレジットカードのセキュリティが高く、現金も多少の備えが必要だと感じた出来事でした。

帰国の便を取る時にも同様の問題が起こり、この場合はインターネット上でクレジットカードでの支払いができませんでした。そのため、親に相談して(親子カードだったため)クレジットカード会社に連絡をしてもらい、一時的にセキュリティを解除していただき帰りのチケットを購入することができました。海外で一定金額を超えた高額な買い物をすると、制限がかかる場合があるようです。ちなみに大学に併設されている語学学校の支払いもインターネット上で行うことができず、語学学校まで出向いてカードを読み込ませ、支払いました。

終わりに

出発前は一人で飛行機に乗り、山口からパンプローナまで辿り着けるのか不安でいっぱいでしたが、帰りはそういったことを考えることもなく、スペインでの生活を名残惜しく感じていました。帰国便では特別な手続きなどはなく、コロナ以前の状況と同じように出入国を行うことができました。機内でもマスクをする必要はありませんでした。

こうして大きな問題に直面することもなく、無事に留学を終えることができました。ここに至るまで、いろいろな人の支えがありました。山口県立大学の国際、教務部門の方々、ナバラ州立大学の関係者の方々、先生方、仲良くしてくれたスペインの人たちや日本人の皆さん、そして心配をかけましたが、気持ちよく送り出してくれた両親にこの場で感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。

あっという間に過ぎ去った日々でしたが、これからも私を支えてくれる生涯の宝となりました。この経験を糧に、今後いろいろなことに挑戦していこうと思います。

Gracias por leer. !Adiós¡