慶南大学校 国際文化学科4年 寺沢茉莉 <1号 2023年3~4月>

はじめに

今回の定期報告では、留学に至るまでの準備や留学生活の中で困ったことや頼りになるところ、感じたこと学んだことについて報告します。

留学準備にあたって―困ったこと

私は、県大に入学する前から韓国への関心が強く、交換留学をしたいと考えていました。交換留学生は今まで大学3年生が派遣されていましたが、私はどうしても留学をして学びたいという気持ちがあり、諦めずに大学4年生でやっと留学に行くことが決まりました。

コロナのために3年ほど交換留学がなかったので、詳しい情報が少なく困ったことが多々ありました。一番困ったのは携帯契約です。私は韓国で携帯契約できるまで30日のSIMカードを使って過ごしました。ただ韓国での生活では電話番号をよく使います。さらに寮に入校する日から電話番号が必要になるので、SIMカードも電話番号付きのものが良いかと思います。

また在学証明書のアポスティーユの取得も大変でした。県大は法人化しているので、アポスティーユ申請の前に、公証役場と地方法務局での手続きが必要です。ビザ申請は、山口に住民票がある人ならば広島に申請に行きます。慶南大学は認証大学なので追加資料も必要なく簡単でした。そのほか、提出書類の肺結核検査の結果書は、県大で行ったものではなくまた新たに自分で病院へ行って診断結果書を出してもらう必要があります。交換留学プログラムへの参加同意書は保護者のサインと印鑑が必要なので一人暮らしの人は郵送など手間がかかります。海外保険については大学が斡旋してくれるので、それにしたがって手続きして加入できます。

準備は自分一人で全て行うということもあり、どれも予想よりも時間と手間がかかります。そのため早め早めの行動を意識するのが大切だと感じました。

留学中の生活について―頼りになるところ

まず、韓国の支払いはカードばかりです。支払いで現金を使うことはほとんどないです。ただ、大学が手配してくれた空港から慶南大学行きのタクシー代(50,000ウォン/2人・70,000ウォン/3人)、前期の寮費(662,000ウォン)、寝具代(58,000ウォン)、学食費(一食4,500ウォン程度)、洗濯・乾燥(各々毎回1,000ウォン)などは現金支払いです。換金については空港でもできますが、大学内にある慶南銀行の方がレートが良かったりするので、大学に行くまでに必要な現金以外は、大学に着いてから換金した方が良いかもしれません。また大学の銀行ならば、外国人が手続きに来ることが多い為か慣れているので、そこを利用するのが便利でした。私は現金を日本円で15万円ほど持って行きました。

大学の창조관(創造館)にある国際所には日本語ができる先生がいるので、困ったことがあればそこにいって相談することができました。ただ部屋の変更や生活で困ったことなどの寮についてはC棟の一階にある事務室で相談できました。

オリエンテーションでは、日本語を勉強している学生を紹介してくださり、その学生と食事や遊びに行くことができ、韓国での生活や学校にスムーズになじむことができました。

学食
図1 学食
창조관と慶南銀行
図2 창조관(創造館:左奥)と
慶南銀行(右手前)
校内地図
図3 校内地図

授業について―積極性の大切さ

留学先の大学の所属学科は自分の好きな学科を選べるのですが、私は韓国語文学科にしました。

前期で取れる単位数は最低12単位、最高で19単位までです。前期は、留学生向けの韓国語の授業、「韓国語文法中級」「韓国語対話中級」「韓国語読み書き中級」の3つの講義と、「日本人の生活と文化」という留学生以外の本学生も受講する講義を1つ取り、合計12単位でした。留学生向けの韓国語の授業は、それぞれ週に2回あり1回目は動画でもう一回は対面です。内容については、県大での韓国語の授業をしっかり受けていたため問題なく理解できました。課題は、動画の講義内で出された課題を対面の時に発表するような形式です。一方日本人の生活と文化も内容が日本に関することなので大半理解できています。ただ理解できない部分もあるため、許可を取り授業を録音したり、授業後に教授に質問に行ったりしていました。

私は留学生向けの授業とその他の授業を1つしか取っていないため、普通に生活しているだけでは友達もできず、授業を聞くことばかりになってしまいます。そのため自分が韓国語を使う場面がありませんでした。ゆえに先ほど述べたように教授に積極的に質問をしにいくなどして、自分が韓国語を使う機会を作っていきました。また国際所から日本に興味があって日本について学びたい学生の紹介が来るので、そこから積極的に韓国の人と関わる機会を増やしていきました。この経験から、自分から積極的に動かなければ学びの機会は作れないと感じました。

前期授業時間表
図4 前期授業時間表

まとめ

渡韓してきて、思ったよりも早く2ヶ月が過ぎました。この2ヶ月で一番感じたことは、上でも述べた通り積極的に行動しないと学びの機会はほとんど無いことです。それと同時に恥ずかしがらずに学びにいく姿勢の大切さも実感しました。やはり初めは自分の韓国語に自信がなく躊躇するばかりでしたが、留学に来ている身として間違えることは当たり前と考え、積極的に話し行動するようにしたら、学べる機会を増やすことができました。

また当たり前ですが、韓国は日本と違うところが多くあります。例えば韓国は仲を深める際に一緒にお酒を飲んだりします。ただ私は元々飲めないためあらかじめ伝えていました。しかし飲まされそうになる時もありました。そこから何もかも文化の学びになると受け入れるのではなく、嫌なことはきっぱりと断る勇気も必要だと感じました。

留学生活では困ることが多いですが、嫌なことや困ったことは自ら訴えていけば窓口や事務所が相談に乗ってくれ、すぐ対処をしてくれます。何かあればためらわず自己主張することも大切だと感じます。

2ヶ月で様々な文化体験や経験から学びが得られましたが、これからも常に学ぶ意識を持って生活し、多くのことを学んでいきたいと思っています。