慶南大学校 国際文化学科3年 又多絢音 <最終号 2023年11~12月>

はじめに

最初は長いと思っていた1年間の留学生活も気づけばあっという間に終わりを迎えてしまいました。初めての海外生活への恐怖や緊張に震えながら飛行機に乗った日が思い出されます。あの頃は何をするにも怖くて仕方がなかったような気がしますが、今となっては韓国から帰るのが惜しいと感じるほどに楽しく、充実した留学生活を過ごすことができました。

今回は期末考査について、11月・12月の韓国での生活について中心に報告します。

期末考査について

どの科目も中間考査と形式は同じでした。「中国の理解」、「大衆メディア文学」、「言語の神秘と文化」はテスト、「英語スピーキング」は担当の先生と一対一でのスピーキングテスト、「韓国民族と今日の文化」は授業内容をまとめるレポートの提出です。前回と形式が同じだったこともあり、何をすればいいのかが把握しやすかったので、中間考査の時よりは多少気が楽でした。結果も全体的に悪くなかったのでよかったです。後期は内容も難しいものが多く、レポート課題などに苦戦することが多かったですが、その分自分の韓国語能力の成長も感じることができました。

韓国での生活

韓国の高校に行って授業のお手伝いをしてきました。他大学からの日本人留学生と共にメンターとして日本の年末年始についての説明を行いました。私は年末年始に食べる料理についての説明を担当したのですが、基本的には全部日本語で説明を行うので、どうすればみんなが理解できるのか考えながら説明するスピードやジェスチャーなどを工夫して進行するのは大変でした。合計4時間の授業で活動したのですが、何度も回数を重ねていくうちに要領を掴めるようになり、少しずつですがスムーズに進行できるようになりました。高校生たちは何をするにも元気いっぱいで戸惑うことも多かったですが、おかげで楽しく進行する事ができました。また、給食も食べさせていただきました。授業に参加したことはもちろん、事前の準備も含めてとても良い経験になったと感じています。

そして、留学生活も最後ということで友人たちと경주(慶州)と부산(釜山)に旅行に行ってきました。慶州は、韓屋などの伝統的な建造物がたくさん残されている地域であり、昔ながらの韓国の雰囲気を楽しむことができます。以前、慶州ワールドという遊園地に行った際に街並みをバスの中から見て、いつか慶州で観光してみたいと思っていたため今回訪れることにしました。観光名所を巡ったり、美味しいものを食べたりと楽しい時間を過ごすことができました。釜山はホカンス(ホテルでの滞在自体を目的とした休暇の楽しみ方)をテーマに旅行をしたのですが、市場でトッポギやおでんを食べたり、猫カフェに行ってみたり、SNSで見かけてからずっと行ってみたかったお店で貝焼きを食べたり、ホテルで過ごすだけでなく釜山観光も楽しむことができました。

他にも友人たちに会いにソウルやコジェ島へ日帰りで遊びに行ったり、TOPIKの試験を受けるためにチンジュに行ったりしました。行ってみたいと思っていた場所にも最後にたくさん遊びに行くことができ、悔いのない留学生活を終えることができたのではないかと思います。

韓国の高校の給食
韓国の高校の給食
チンジュの資料館で撮った写真
チンジュの資料館で撮った写真

終わりに

はじめは自分の韓国語能力に全く自信がなく、周囲の人たちとコミュニケーションを取れるのか、授業についていけるのか、などなど挙げ出したらきりがないほど不安でいっぱいでした。しかし、一緒に留学生活を送ったルームメイトの井上さんや韓国人の友人たち、家族、親身になって面倒を見てくださった方々のおかげで楽しく充実した生活を送ることができました。本当に感謝しています。

私にとってこの1年間は大きな挑戦でした。韓国での生活を振り返ってみたとき、毎日が本当に充実していたなと感じます。もちろんしんどいことも壁にぶつかって落ち込むことも沢山ありましたが、それを乗り越えるために努力した経験もまた私にとってかけがえのないものになったと思います。そして、今しかできないことを沢山経験しようと色々なところへ出てみたり、友達を作ろうと色々な人に会って話してみたり、と奮闘し続けた日々は本当に楽しく、行動力やコミュニケーション能力を向上させることに繋がったのではないかと考えています。

韓国語の能力という面においても大きく成長することができたのではないかと思います。もともと読み書きが苦手で資料を読むことや友人たちとメッセージをやり取りすることでさえも私にとっては一苦労でした。また馬山は方言が強く、話しかけられても聞き取ることができないこともありました。しかし、留学生活を送りながら毎日のように韓国語を使わざるを得ない環境に身を置くことで、徐々に会話することや読み書きに対して苦痛を感じることが減っていきました。つたない私の韓国語を一生懸命に理解しようとしてくれたり、諦めずに会話を続けようとしてくれたり、時には韓国語を教えてくれた友人たちには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

韓国での留学生活が終わってしまうことへの寂しさはありますが、せっかく身に付けた韓国語能力が落ちないよう今後も勉強を続けたいです。

最後に、この場をお借りして1年間の留学生活を支えてくださった全ての方に改めて御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。