センター大学 国際文化学科3年 松尾歩 <最終号 2023年5~6月>

1. 初めに

センター大学での交換留学を終え、日本に帰国しました。やっと終わった、と達成感を感じる一方で、帰ってきてほんの数日ですが、アメリカにいた頃を思い出してしまう日々が続いています。この最終号では、センター大学に留学してからの約10カ月を振り返りたいと思います。

2. 秋学期

センター大学に到着してから約1週間程度、留学に来た学生のためのオリエンテーションがありました。私は当時つたない英語で何とか会話に入ったり、会話を聴いたりすることで精一杯でした。周りの学生は英語が流暢で、焦りを感じていました。また、これから始まる授業について行けるのか不安でいっぱいだったことを今でもよく覚えています。私はとても内気な性格で、人と話すのもあまり好きではないので、留学はそういった自分を見つめ直す機会であったと思うし、そういう意味ではとてもストレスフルなものになりました。

21時前なのに明るい風景
図1 21時前なのに明るい

授業が始まり、毎日が勉強の日々になりました。最初の方は聴くことだけに全集中力を持っていかれ、ノートが取れないという事件が発生しました。ノートを取ろうとすると英語が入ってこないため、最初の方はとても困っていました。しかし、予習量を増やして、授業で話されるであろうことを軽く頭に入れてから授業に行くようにしたため改善することができました。英語にも徐々に慣れていき、秋学期の中旬ごろにやっと、大体の授業内容が理解できるようになりました。ただ問題は他にもありました。それは様々な英語があることです。これは私が個人的に感じることですが、私たち日本人は学校教育できれいな英語をリスニングします。そのため、私たちはきれいな英語にはとてもよく反応することができます。ただ、私たちがきれいとする英語ではない英語に関しては、慣れていない為かついていけないことがよくあるのではないかと感じます。教授が話すと理解できるのに、ある友だちと話すと理解が遅れるといったものです。つまり私は色々な人の英語に柔軟に対応していく必要がありました。しかしそういった課題を抱えながらも、何とか秋学期を走り終えました。また、ルームメイトや他の留学生とも上手く仲良くなることができたため、とても充実した秋学期だったと思います。

3. 冬休み

テストや学期を終えた次の日に、私は他の留学生と一緒にニューヨークに旅行に行きました。その友達は同じ交換留学生だったので意気投合して仲良くなりました。ニューヨークには15日程度滞在し、後から来た他の友達とも合流してとても充実した経験ができたと思います。

4. 冬学期

この期間に私は英語の歴史を学ぶ授業を受講しました。この授業では新たに知ることばかりでしたが、好きな分野であったため勉強がはかどったように思います。また、日常的に英語を使うことに慣れてきたためか、英語で会話することに対する恐怖心もだんだんとなくなっていきました。

友人とNYへ行った時の様子
図2 冬休みに友達とNYへ

5. 春学期

冬学期が終わるとすぐに春学期が始まりました。秋よりも頑張りたいと思い、授業を多めに入れたために、体調管理が上手くできなくなって、精神的にも身体的にも不安定でした。

そのためか早く日本に帰りたいと思うことが増えた時期がありました。その時は何をしてもやる気が起きず、機械のように毎日をただこなす日々が続きました。人と会うのも話すのもより億劫になって、部屋に籠ることも多くなっていました。しかし、友達やルームメイトが気にかけてくれたため救われました。これまでの自分は、何か問題が起きた時になんでも自分だけで解決しようとする癖があったと感じます。人に頼ることが苦手で、人に迷惑をかけたくなかったのです。今も基本的にはこの考え方ですが、留学を通してこの考え方に少し変化があったように思います。自分一人で考え込んでもどうしようもない、そもそも正解などない物事もあるのだから、周りの人の異なる意見も参考にしてみるよう今は心がけています。

春学期の終わりのころには、より多くの人と関わることができたと思います。

天井に突き刺さったオラフ
図3 オラフが天井に突き刺さっていました。

自分の行動範囲を広げてみることで、世界が広がったように思います。またダンスやスポーツ、映画鑑賞など様々な機会が用意されていたため、このような変化につながったのではないかと思います。

6. 終わりに

約10カ月を通して、自分が成長したという自信はあまりありません。ただ多くの発見があったと思います。それは日本ではもちろん、特定の状況にいる時にしか得られないものであると思います。また、たくさん心が折れました。折れては修復しての繰り返しでとても辛かったですが、それらすべてを含めて留学をしてよかったと強く思っています。それはなぜかというと、一つ確かに言えることは、周りの人たちに支えられて今があるということです。現地でできた友達や関わった人々、留学という機会を提供してくださった大学、家族など多くの人たちの支援なしで留学はできないので、感謝の気持ちを忘れず、今後につなげていきたいです。もし留学したいと考えている方は、センター大学をお勧めします。センター大学での生活は絶対に日本では経験できないものなので、大きな刺激になります。その刺激を自分の中でどう受け止めるかによって留学の意義が大きく変わってくると思うので、感覚神経を研ぎ澄ませると良いのではないかと思います。改めて、約10カ月ありがとうございました。

松尾さんが使っていた教科書
図4 教科書たち
ルームメイトだったジャクソンさんとの一枚
図5 ルームメイトだったジャクソン