センター大学 国際文化学科4年 伊庭健悟 <3号 2024年1~2月>

Centre Term (1月3日~1月25日)

センター大学にはCentre Termという学期があり、基本的に1つの講義に集中して取り組むという期間となっています。基本的にどのクラスの場合も、平日は毎日3時間講義を受けることになっていますが、一部では3時間を超えて講義を受け続けることにもなったり、Centre Termが終了した後にも活動がある講義もあり、かなりハードな学期になっています。後にお話しますが、私の取った講義は教授からの許可がないと取ることのできない仕様になっているだけでなく、課題内容がかなり私にとっては大変なものとなっていて、初期は違う講義を取ろうか迷ったほどでした。自身の興味のある講義を取れるように、講義一覧が配られた際は早めに確認して取りたいと思う講義をメモしておくと良いと思います。

MUS-216 Songwriting from Theory to Practice

この講義では、音楽の歴史に沿って代表となった歌曲形式を学びつつ、それぞれの形式に沿った曲を作曲していくというものです。この講義の概要文では「譜読みが出来なくてもよい」と書かれており、そこから私は「譜読みが出来ないような音楽素人でも取れる講義なのだ」と思い、受講を決意しました。しかし、実際に講義に出席してみると、講義が始まって三日目或いは人によっては二日目から自作した曲を提出することを要求されたり、ピアノやギターなどのような作曲に向く楽器を演奏することができない場合は、作曲アプリを一から学ぶか誰かに協力してもらう必要があるなど、様々な問題がありました。その上、クラス内でそれぞれの作った曲を聴くと言った内容となっており、その辛さ故に当初最大で15人いたはずのクラスメートが次々に減っていき、一週目の終わりには元々少人数クラスだったはずが、いつの間にか受講人数10人という、さらに小規模の講義となってしまいました。

これだけ聞くと、ただ辛い講義を取ってしまったようにも聞こえるのですが、実際のところはピアノやギターが演奏できない私でも楽しく受講することができました。教授がOffice Hourで、真剣に作曲をする上でのアドバイスをしてくださったり、クラスメートに伴奏を頼んだりなど、打開策はいくらでもある上に、自身の曲に対して称賛をくれる方達ばかりだったため、とても雰囲気が良く素晴らしい講義だったと感じています。前述通り、ピアノやギター等の作曲向きの楽器が演奏できない人は、無料の音楽制作ソフトを使用して作曲することもできるため、より創造性豊かな曲を作ることもできます。この講義を終える頃には自身で作詞・作曲ができるようになったり、簡単なBGMが作れるほどに成長できるたりするため、音楽経験が多少あり、作曲経験をしてみたい方は是非ともこの講義に挑戦してみるとよいかと思います。

MUS-216の講義内の様子
MUS-216の講義内の様子

Spring Term(1月31日~5月15日)

Centre Termが終わって5日ほど休んだ後、すぐにSpring Termが始まります。休む期間は短かったですが、最後の学期になるため、その期間を有効活用してSpring Termに万全の状態で臨めるように心がけました。以下が私の受講した講義とその時間割となります。

Spring Termの時間割

秋学期に取った講義と比べてかなり簡単なものを取っています。理由としては、秋学期に受けた講義は自分の知らない知識を沢山取り入れて、英語で話すことが日課となっており、その結果全く理解が追い付いていなかったり、授業に積極的に参加することが困難になっていたりしました。そこで、春学期は予備知識のある講義を受講し、少しでも心に余裕を残したままグループ・ディスカッション等に参加できるようにしました。特に、秋学期に受講した社会学と今学期に受講した教育学の講義はお互いに深く関わりがあるため、社会学で習った知識を教育学の範囲に落とし込みつつ考えるようにしています。

CHN-120 Fundamentals of Chinese-II

Fall Termに引き続き、この講義を受講しました。内容が少し難しくなるだけでなく、課題もほんの少し複雑なものとなっています。講義内で扱われる内容はかなり日常生活に沿ったものが多いため、有用な中国語の知識や文化などを同時に知ることが出来ます。秋学期に私が受講したFundamentals of Chinese-Iと同じ時間帯で講義を受けることになります。

EDU-127 Education and U.S. Society

アメリカの教育システムや問題点などを学びつつ、「教育とは何か?」或いは「教師が教壇に立つ際に覚えておくべきことは何か?」などの教育哲学もこの講義で学ぶことができます。課題として読む量は大体15ページほどで、多すぎず少なすぎずと言った量となっており、講義形態も各自で発表をしたり、グループで話し合ったりすることがメインとなっていて、私としてはとても楽しい講義のように思います。教職課程を取っている方は是非ともこの講義を受講することをお勧めします。教授も親切な方ですし、講義内容も自身が授業をする際に活かすことができることばかりだと思います。

MUS-110 Fundamentals of Music

音楽の基礎知識をこの講義で学ぶことができます。譜読みの仕方やスケールなどの基本的なことを学び、おおよそ1週間に1回のペースで小テストを受けることになります。おそらく、吹奏楽部などに所属していて譜読みの仕方などを心得ている人にとっては少し簡単な講義になりますが、それでも今まで気づかなかった仕組みについて知ることができたり、感性のみを使って考えたりしていたことが、この講義を受講することで理論的に考えることができるようになります。基本的にここで音楽関連の専門用語や理論を学び、その他のChoirやOrchestra等の講義で知識のアウトプットを行うことができました。

MUS-183 Centre College Choir

センター大学には二つの合唱クラスがあり、私が取ったクラスはオーディションなどがない初心者向けの講義となっています。合唱を習ったことがあったり、経験などがあったりする方は、このクラスよりももう一段階レベルの高いMUS-184 Centre Singerを取ってみるのも良いかもしれません。私は合唱に関して全く経験のない素人だったので、Choirクラスを受講することに決めました。Fundamentals of Musicで習ったことを活かせる機会にもなりますし、ここでもさらに一歩踏み込んだ理論まで知ることができるので、かなり満足しています。音程が分からなくても、同じパートにいる人が教えてくれたり、その人の歌声を聞きながら合わせることもできるので、この講義に関してはそこまで音楽知識がなくても受講できるようになっています。

MUS-191 Centre Symphony Orchestra

オーケストラに所属して楽器を演奏するクラスとなっており、吹奏楽団等に所属して演奏会を開いたりするものと似たような活動になっています。初日から楽譜が配られ、合奏をすることになりますが、吹奏楽部に所属していた経験のある方からすると譜読み等に関して苦労することはさほどないように思います。言うまでもなく、出される指示が全て英語ですので、気を緩めると自身がいま何をしなければならないかがわからなくなるので、指示の聞き洩らしが無いように気を付けたり、予めFundamentals of Musicを受講するか、自身で音楽に関する基礎知識を英語で理解する能力を身に付けておくことが必要になります。

大学内での就労について

このセンター大学では、一部の講義でチューター制度が設けられており、Social Security NumberというIDカードを取得すれば、大学内でJapanese Peer Tutorとして働くことができます。Social Security Numberを持つことで、その他にも学内のショップの従業員として働くこともできますので、講義を取りつつ就労経験をしてみたい方は取得してみるといいと思います。しかし、学外で働くことは基本的にできなくなっているため、学内の働ける場所を探し、統括者に申請するようになります。

SSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)の取得について

SSNを取得する際には最大で2週間かかると言われています。大体1週間で取得することができるという方もいますが、私は取得に何故か2ヶ月以上かかっており、しかも未だに届いておりません。何等かの手違いが発生しているらしく、本来働き始める予定だった日よりも大幅に遅れてしまい、もっと早めに申請しておくべきだったと、とても後悔しています。提出書類に関してはそこまで複雑なものはなく、パスポートや実物のF-1(学生ビザ)に加えてI-9(従業員就労資格確認書)という書類を記入して、Social Security Administrationという機関に提出するという流れになっていますので、就労希望者の方はオリエンテーション期間中に申請をしておくと、後になって働きたいと思ったときに働けるので便利です。

Social Security Administration
Social Security Administration
食堂で作ってもらったクレープ
食堂で作ってもらったクレープ