ラップランド大学(2017年度交換留学生)国際文化学科4年 山根沙千<3号 2018年1~2月>


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Ymmärätkö??(ウンマラットコ?)

 第3ピリオドに入り、今まで簡単な挨拶程度しか理解できなかったフィンランド語が少しずつ文章で理解できるようになってきました。まだまだ語彙力は乏しいですが、理解度が高まったことで友達や先生方とフィンランド語でコミュニケーションがとれる場面も増えてきたのでとても楽しいです。またフィンランド人も私たち留学生がフィンランド語を喋ろうとすると、その熱意に応えて真剣に聞いてくれて、意味が通じるととても喜んでくれます。フィンランド語が一般的に習得するのが難しいと言われているからなのか、留学生がフィンランド語で話しかけてくるといったことが、彼らにとっては少し珍しいことなのかもしれません。また外国人の私たちも、ほとんどのフィンランド人が流暢に英語を話すことができるのでついつい甘えてしまいます。文法によって単語の語尾が著しく変化して正しいセンテンスで言えていなかったり、また'U'と'Y'、'A'と'Ä'、そして'O'と'Ö'の発音の違いといった、日本語では区別しない音を上手く使い分けることができなかったりすることが多々あるので、よく'Ymmärätkö?'(分かる?)と最後に確認します。
 そのほとんどは、「あ、これたぶん通じてないな。」と思った時の冗談じみた表現です。

 ながーい冬のうちの半分が終わる頃、本場のクリスマスを楽しんだ学生たちが次々と帰国します。フラットの中では私と川口さん(以下:ちーちゃん)だけがホールイヤーの留学生なので、あとの4人もひとり、またひとりと帰っていきました。たった半年間ではありましたが、もっと長い間一緒に過ごしたような、まるで家族のような存在でした。それぞれ違った価値観をもっているはずなのに、特にこれといった衝突もなく、円満な秋セメスターだったと思います。それも、こちらの一方通行ではなく彼女らにとってもそうだったようで、お互いに「フラットメイトがあなたたちで本当に良かった。」と何度も涙を流しました。改めて仲間に恵まれていたと思います。そんな涙なみだの別れも束の間、春セメスターには、新しいフラットメイトが2人やってきました。チェコ人のクララちゃんと、中国人のイーミンちゃんです。2人とも明るい性格でとてもいい子たちです。前セメスターのフラットメイトと比べると、それぞれの友達のコミュニティーが異なるので、フラットは家族、という感覚があるのか、フラット以外で一緒に過ごす時間は今までよりも少ないように感じます。それでも家に帰ればお互いに1日の出来事を共有して、気づけば1時間以上喋っていたなんてことも少なくありません。変わらないことといえば、一緒にパーティーに行くことぐらいです。やはりヨーロッパ人は毎週末のパーティーが大好きです。といっても彼らは切り替えが上手なので、金曜日までにしっかりタスクを終えて、遊ぶ時はしっかり遊んで、日本人みたいに期限に追われてダラダラなんてことはあまりないです。日本人として生まれてきたこと、日本文化の中で育ったことに対して、基本的に誇りをもって生きていますが、やる気スイッチの切り替えは特に下手なので彼らを見習いたいです。そんな私は次の日の予定を考えながら、パーティーに行ったり行かなかったりで、行けば次の日確定で寝ています。よくよく考えてみれば自分より年下な子たちばかりなわけで、やはり若さに勝るものはないと思い知らされます。最近はこんな感じで内面的にも老いてきて少しネガティブな反面、そういった若い子たちに感化されて同じことをこなすことでどことなくポジティブに、「まだいける!」と後押ししてもらってる毎日です。日本の大学だと(少なからず私が今まで過ごしてきた環境では)違った年齢層の人たちと一緒に学ぶ機会はそう多くはないですし、ましてやナショナリティの異なる人と意見を交わすなんてことは滅多にできません。今自分が如何に貴重な環境下で学ばせてもらえているかを実感しています。

友達と作ったクリスマスシーズンのパイ

Chinese New Yearパーティーの様子。沢山の留学生が集まった。

 先ほど紹介した、フラットメイトのクララちゃんはとてもアクティブな子で、よく「朝日を見に行こう!」とか「森の水汲みに行こう!」などと誘ってくれます。ラップランドの冬は、日本の南で育った私には厳しすぎますが、その厳しい寒さの中で生みだされた自然の美しさは言葉で表現できないほどです。天気のいい日には、例え寒くても外に出て散歩したくなります。ふと思い立って柔らかい雪のカーペットにダイブしたくもなります。更には極寒の中でアイススイミングもしました。曜日によってサウナが使える時とそうでない時があり、私が行った時は丁度使えない日でした。ナチュラルハイだったのか、かまわず川に入水して、想像通りめちゃくちゃ寒かったわけですが、入った後は不思議と気分爽快でちょっとしたフィンランドの健康法だなんて言われているのが分かるような気がしました。フィンランドに来てアイススイミングするのは2回目なのですが(厳密にはノルウェーで初アイススイミング)、水につかること自体は何てことないです。室内から川まで寒空の中歩くのも大丈夫です。がしかし、足に限界が来ます。足の指が一瞬で凍り付いて激しい痛みを伴うので、冬といえどビーチサンダルもしくはクロックスのような履物を日本から持参するのをお勧めします。現地で買ってもいいですが、日本のほうが恐らく安いですし軽いのでたいした荷物にならないので問題ないと思います。またアパートメントによっては洗濯場がない場合があるので、ちょっとその辺までというときにサンダルは重宝します。

クララちゃんと水を汲みに行った時。これぞ、THE フィンランドの冬の森!

アイススイミングの様子。川じゃないみたいな、プールができている。

 この頃になると気温が-15度前後、というのが当たり前になってくるので、日によってはちょっとした雪の変化を楽しむことができます。しっかりと肉眼で雪の結晶を見ることができます。日本でも北のほうでは雪の結晶を見ることができるようですが。南育ちの私は初めて見たので大はしゃぎしました。英語でスノウフレークと呼ばれているだけに、空からゆっくりと結晶がヒラヒラと落ちてきます。地面に落ちてからも光が反射してキラキラしてとても綺麗です。またよく動画サイトでみかける、濡れタオルを凍らすチャレンジなどもしました。外で濡れタオルを振り回して数十秒、あっという間にバキバキに凍りました。他にも友達は水を霧吹き上に宙に投げて雪を作ったりしていました。まるで子供の自由研究のようですが、楽しいのでもし寒い地域に行く機会があれば是非やってみてほしいです。

肉眼で見ることができる雪の結晶。

車にできた雪の結晶。どれも幻想的な形をしている。

 時々フェイスブックでInternational officeのポストで留学生向けにボランティアの募集があります。私は小学校高学年の家庭科の授業のお手伝いのボランティアに参加しました。2回ほど行ったのですが、1回目はAsian food、2回目はAfrican foodがテーマでした。私の他にも韓国人の子と中国人の子が参加していて、皆でお米の炊き方などを伝授しました。こちらで売っているお米は大きく分けて2種類あり、メジャーなのがいわゆるタイ米のようなロングタイプのパサパサしたお米です。一方日本で食べるお米に一番近いものが、Riisi puuro(リースィ プーロ)と呼ばれるポリッジ用のお米です。これが日本のお米特有の粘り気のあるタイプと似ていて、味もほぼ変わりないので私も日本食が恋しくなった時によくお鍋で炊いています。小学校高学年といえばお年頃なわけですが、男の子はシャイで女の子は比較的落ち着きがありしっかりしているというイメージでした。中には日本に旅行したことがあって、近々日本への文化研修に参加予定の男の子もおり、積極的に日本に行った時の話を沢山してくれました。彼らは小学生といえど。ある程度の英語は通じます。低学年の時からスウェーデン語も学び始めるらしく、語学に対する教育熱心さを感じました。街中でどのフィンランド人に英語で話しかけてもたいていの場合、英語が通じるのも納得です。

ボランティアで小学校に行った時。先生も素敵な方だった。

 前セメスターのIce Sculptureの授業でお世話になった先生の奥さんが実は日本人で、そういった縁から先生のお宅に遊びに行かせてもらうことができました。家はロヴァニエミから車で数時間のところにあるのですが、小さな村でまるで絵本の中のような世界でした。ゲストハウスもやっているようで、よく日本からの旅行客も来るそうです。家の周りにはスケートリンクがあり、クロスカントリースキーも好きな時にできます。奥さんは多才な方で料理や編み物、草木染めなど何でもやります。季節に合わせてベリーを摘んだり、Voi kukka(タンポポ)のジャムを作ったり、ラップランドの伝統的なパターンで靴下を編んだり、白樺の樹で布を染めたり、私の憧れていた生活でした。人柄も素敵でまるで少女のような感受性を持った方です。授業でスライダーを作った時も、「これ楽しいね!すごいすごい!」と一番に楽しそうに滑ってくれて褒めてくれました。時々、できるものならずっとお菓子作りしてたいなんて考えたりもしますが、こころの中で「してたいな~(無理だけど)。」と諦めてしまっている自分がいました。しかし、今こうして実際に憧れの生活をしている人が目の前にいることで自信が湧いてきています。やってみる前から不可能に導いているのは自分自身で、本当にやりたいのであればまず行動してみようと思えるようになりました。フィンランドでは、フィンランド人をはじめとするヨーロッパ人、その他アジア人だけでなく、こういった素敵な日本人との出会いもあります。不思議な縁に感謝です。

タンポポのジャムとラップランド発祥のカンパニスという食べ物。スコーンみたい。

 最後に少しだけおススメの授業について紹介します。

Finnish Design (UART1102) 4 ECTS cr.
-Graphic, Audio-visual, Fashion, Textileといった観点からFinnish Designについて学ぶ。グループワーク。毎週プレゼンテーションで大変だがやりがいがある。

Sketch Models and Introduction to The Workshops (MTEO0801) 4 ECTS cr.
-Finnish Designのクラシカルな家具からオリジナルの家具をデザイン。1/6スケールのミニモデルを作る。Indstrial Designの授業。

実際にパインで作ったモデルと、そのスケッチ。

Workshop in Graphic Design (AGRA0502) 1-5 ECTS cr.
-日常の感情にフォーカスしたDrawingの授業。チャコールを用いたデッサン。


もう少しつらそうな表情をしていましたが、上手く表現できず...。

 残すところあと1ピリオドです。今ピリオドは健康的に過ごせたので、引き続き充実した生活を送れるよう、しっかり気を引き締めていこうと思います。