ラップランド大学(2017年度交換留学生)国際文化学科4年 山根沙千<2号 2017年11~12月>


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Mitä kuuluu?(ミタ クール―?)

 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。ますます寒さが厳しくなり、サマータイムが終わることで日本との時差が-7時間となり、太陽も姿をなかなか見せてくれなくなってきたフィンランドの冬...今回は悲しいことに別れの季節でもあるAutumun Semesterの第2ピリオドでの出来事として、主に授業について紹介しつつ、サンタクロースの街ロヴァニエミで過ごしたクリスマスや旅行など引き続き生活面について報告します。

 私が所属しているClothing Design学科の授業のほとんどはフィンランド語で開講されています。そのため授業をとることはできても、他のフィンランド人の学生と同様に聴講し理解するのは難しい状況です。そのため、履修登録にも注意が必要になります。ネット上にある留学生用のシラバスの欄にあるClothing Design学科の授業は非常に少なかったり、シラバスにある授業が今年は開講されていなかったり、表記がフィンランド語に書き換えられていたりして自分の興味のある授業を見落とす可能性があります。留学してすぐに教授とLerning Agreementについて相談する機会があるので、その際にしっかり自分の学びたいことを伝え、選んだ授業について詳しく聞き、他にとれる授業がないか教えてもらうことが重要です。また、同じArt&Design学部の授業であれば基本的にとることができるので、その場合も要相談です。私の場合はファッション関連の授業を開講している教授に相談したところ、留学生の学びたい分野(Drawing, Collection, Portfolio, Patterning, Exhibition)の自主的な学習に応じて単位を出してくれるということで、服飾を学んだバックグラウンドがほとんどない私は、基本であるファッションドローイングの練習から始めました。いくつか授業を紹介するので、少しでもこれからラップランド大学に留学しようと考えているみなさんの参考になれば幸いです。

Luova vaatetus(FVAA1024) 5 ECTS cr.

-Drawingの練習やIdea bookの作成。

Muoto I(FVAA1027) 3 ECTS cr.

-PatternやSewing machineを使用した作品づくり。

Tuotteistaminen(FVAA2033) 3 ECTS cr.

-簡易的なPortfolioの作成など。

Design Project or Production(UMUO1243)

-チームで企画書を作り、実際にクライアントとやり取りをしながら実行。
私たちのチームは地元のIce Skating Clubとコラボし、PR動画、カレンダーそして衣装を製作しました。私は衣装チームで、クライアントの要望を考慮しながらデザイン、プロトタイプの作製、またクライアント向けに衣装作製のワークショップを行いました。

fashion drawingの練習、80' fashionを参考

授業の一環で作成した、Berriesのdrawingを使ったpattern

フィンランドの自然を意識したsymbol drawing

Design Projectでのクライアントとのミーティングの様子

最終プレゼンの様子

Ice Design and Sculpture Workshop(MVAP0024)

-スキーリゾートのRukaで氷を使ったアトラクションを制作。
私たちは訪れた観光客をターゲットに大人から子供まで楽しめる滑り台や、オブジェ、記念撮影用の顔はめ氷柱を3日間かけて制作しました。

Rukaで制作した顔ハメパネルならぬ顔ハメ氷柱

 フィンランドでは楽しい思い出ばかりですが、実は11月の中頃に体調を崩してしまい、やむをえず病院に行くなど大変な思いをしました。三半規管に問題が生じてバランス感覚を失ってしまい、歩くことのみならず、めまいにより吐き気がすることから数センチ頭を動かすことすら躊躇うといった、飲食もままならない寝たきりの状態が2週間ほど続きました。原因は大学にあるロッキングチェアでの揺れすぎによる耳石のずれだそうで、理由が理由だけにとても恥ずかしいのですが、当時の対応など、万が一のための情報として参考にしてもらえたらと思います。私の場合、幸い日本人を含めたフラットメイトが5人いたので彼女らに沢山助けてもらうことができました。最も酷い状態だった時に、日本人の友達を経由してフィンランド人の友達に手伝ってもらいながら病院に行きました。同時に保険会社に電話で問い合わせをし、今回の病院での費用は保険適用範囲内であるのか、またその場合どういった手続きを行えばよいのかといったことを尋ねました。担当の方曰く、フィンランド滞在時の支払いは自己負担して、後日、日本に帰国後領収書をもって申請をすれば全額返ってくるとのことでした。病院での記憶は少し曖昧ですが、医師や看護師の方々がとても親切に対応してくれたのを覚えています。また、手助けをしてくれたフィンランド人の友達は元々日本での留学経験があり日本語や英語が達者だったので、病気の用語など普段使わないような表現が的確に病院側に伝わり、より事がスムーズに進んだのだと思います。留学中の病気は経験がないことからどうすればいいか分からず、どうしても病院に行くのを躊躇ってしまいますが、その時は遠慮せず周りを頼って、酷くなる前に病院に行くことをお勧めします。また、歯の治療は保険適用外なので必ず留学前に虫歯の治療や親知らずを抜くなど前もってできる対応を済ませておくのがいいでしょう。私はそれらをやらなかったため、急に親知らずが疼いて非常に困っています。日本での常備薬がきれてしまったので、今はこちらの薬局で鎮痛剤を買って飲んで何とかしのいでいますが、決して安くはないのでお勧めしません。万が一、留学中に病気にかかってしまった場合は、まず薬局の薬で試し、それでも治らなければ大学の医師にかかり、それでもダメならば病院へというのが一般的な流れだそうです。限られた留学期間を病気で無駄にしてしまっては勿体ないです。ある意味いい経験をした身として、これを読んだ方に少しでも健康を意識してもらえたら嬉しいです。

 苦い経験とは一転、12月は国内旅行をしました。北からLevi, Oulu, Tampareそして首都であるHelsinkiに行き、丁度フィンランドの独立100周年ということで、Helsinkiでは記念セレモニーに参加しました。ヘルシンキ大学の日本人学生やインターン生と知り合うなど人脈の広がりも大きな収穫でした。クロスカントリーに挑戦したり、トナカイと触れ合ったり、ハスキーのソリを運転したり、氷点下の中、海に飛び込んだり、クリスマスマーケットでお買い物したり、駅前にあるライトアップされた美術館や図書館に囲まれたリンクでスケートしたりと、フィンランドでしかできない素敵な体験を沢山することができたので嬉しかったです。移動はバスで、事前に予約すればRovaniemi-Oulu間が5€など激安なのでお勧めです。宿泊費と移動費だけで2万円弱、島根から東京にバスで往復移動するのとほぼ同じ値段で、これだけ多くの場所に行けるのでとても学生に優しいですね。この調子でもっと色んな街に行ってみたいです。

独立100周年セレモニー、大聖堂の前で日本人留学生と

大統領官邸前にある100本のフィンランドフラッグの前で記念写真

世界遺産スオメンリンナの要塞で山根砲発射キメてみた

同じくスオメンリンナでキメてみたシリーズ

Leviでのトナカイソリ体験。気分はサンタクロース

 ロヴァニエミといえば、「クリスマス!!」サンタクロースはロヴァニエミに住んでいて、ここから世界中にプレゼントを届けに行きます。小さい頃に、クリスマスにフィンランドのサンタクロースから手紙が来てすごく嬉しかった思い出があり、当時は考えもしませんでしたが、今、思えば既にその時からフィンランドと縁があったのかも...。そんなロヴァニエミでのクリスマスは、フラットメイトや留学生たちとクリスマスパーティーをして過ごしました。またサンタクロースビレッジに行き、家族や友達にクリスマスカードを書いて送るなど思い出のおすそ分けをしました。パーティーではそれぞれの国でのクリスマスの過ごし方を聞いたり、クリスマスソングをかけながらプレゼント交換をしたり、一緒にジンジャークッキーを焼いたりしました。日本ではクリスマスにも働くしお店も沢山開いてるよと話すと皆驚いてました。感覚的に、ヨーロッパの子たちにとってのクリスマスは日本人でいうお正月のような感じだと思いました。ディナーにはキャンドルを灯しながらチキンやサーモンを食べ、"Glögi"(グロッギ)と呼ばれるフィンランドでクリスマスシーズンに飲むスパイスの効いた甘いホットドリンクを飲みました。寒いフィンランドにぴったりで私のお気に入りです。こんなにアットホームなクリスマスは初めてで、とても温かい気持ちになりました。また自分でパーティーをオーガナイズするなど、ちょっとした挑戦も兼ねて有意義な時間を過ごすことができて大大大満足です。

Joulupukki-サンタクロースと

サンタクロースのお手伝いをする可愛い妖精、トントゥたちと。子どもたちがいい子にしてるか見守るのもこのトントゥの役目です

日本の家族や友達へクリスマスカードを。Hyvää joulua!!

クリスマスにフラットメイトの皆と。本当に皆仲良しでパーティー大好き

皆で作ったジンジャークッキー。ちょっと硬かったのはご愛敬

 もう一つのビッグイベントが年越しです。イベントを求めてどこかに旅行しようか迷いましたが、せっかくならロヴァニエミで...と決めてこれまたフラットメイトとフィンランドで出会った友達らと過ごしました。日本と同様、フラットの大掃除をした後に他の友達と森へ行きました。焚き火をしながら、その辺の木の枝を自分でカットしてそれにソーセージやマシュマロを刺して焼いたり、コーヒーを飲みながら話したりと寒いものの心温まる時間でした。その後、街に戻りいざ年越し花火へ。フィンランドでは年越しの時だけ花火をすることが許されると法律で定められているそうで、街のあちこちで花火が打ち上げられていました。もちろん手持ち花火もあって、大小関わらず花火のことをフィンランド語で"Ilotulitus"。素敵なことに、これを日本語に訳すと"幸せの火"となります。日本語ではまるで花のように広がって見える火だと、英語では火の工場といったユーモアある表現、そしてフィンランド人はそれらの火を見て幸せと感じているのだと、意味を教えてもらった時、その素敵な感受性に感動しました。話が少しそれましたが、年越しの瞬間は意外とあっさりしていてカウントダウンは特になく、川沿いに集まった人たちが皆静かに新年の挨拶と共に抱き合っていました。それが逆に平和でフィンランドらしいと感じました。改めて、ロヴァニエミで年越しして良かっと思います。

フィンランド流年越し焚火

派手さにかけるけど幸せ感じるお茶目な花火

 あっという間に留学の半分が終わり、ワンセメスターの留学生が次々とフィンランドを去りました。もしかしたら中にはこの先の人生で会うことのない、貴重な出会いだったのかもしれないと少しメランコリックな気持ちになりつつも、また次のセメスターで新しい出会いを迎える準備をしなければと前向きに考えてます。一期一会という言葉を身に染みて感じるそんなセメスターでした。