ナバラ州立大学(2017年度交換留学生)国際文化学科4年 園田美海<最終号>


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 5月は4月後半から準備していたRep. your countryの発表から始まりました。これは留学生が母国を他の留学生に紹介するという留学生団体AEPの企画で、プレゼンテーションや料理、ダンスや民族衣装などそれぞれの国が工夫を凝らして発表していました。発表したい国だけが発表するという仕組みだったので他にもメキシコやイタリアなどが発表していましたが、日本の発表はアジアの国では初めてでした。プレゼンテーションを作る過程で今まで調べたことがなかった日本文化の意味や日本を紹介する英語の表現方法など知ることができ、自分自身の勉強にもなりました。また、日本にいたころには自分で作ったこともなかった巻き寿司をスペインでは4回も作ったこともあり、今回の発表で振る舞った巻き寿司はきっと今までで一番の出来だったと思います。私は当日、日本から送ってもらっていた浴衣を着ていたので、たくさんの留学生に一緒に写真を撮ってもらえました。

用意した日本食

プレゼンテーションが始まる前

 スペイン語の授業の最後の試験は2人組でプレゼンテーションでした。私はエジプト人の男性とペアだったので、カフェテリアに集まってパワーポイント作りの話し合いをしました。話し合いはいつも1時間ほどで終わるのですが、そのあとはエジプトのことやアラブ諸国のこと、イスラム教について教えてもらっていました。アラブの国々からはエジプトの他に、トルコやモロッコからの留学生がいました。私は授業終わりにはよく彼らとコーヒー休憩をしていて、イスラム教の国出身者同士が互いの国のイスラム教の違いについて話しているのを聞くこともありました。私はイスラム教に特に馴染みがなく、そこまで違いがあるとは思っていなかったので驚きました。特に5月の終盤に始まったラマダーンのトルコ人とエジプト人の取り組み方の違いには驚かされました。トルコ出身の留学生の中にはクルド人もいて、トルコ人と違うところやクルド人が今どういう状況なのかなど教えてもらいました。アラブ出身の彼らと話していると世界史の授業やニュースで出てくる地名や出来事が沢山会話に出てきました。その都度、地図を見たり質問したりして、世界史で勉強した時よりもより理解が深まったようには思います。しかしやはり現地に行ってみないとわからないことや、現地の人にしか伝わらないこともあるのではないかと思いました。彼らはとても気さくで楽しい人たちでした。いつかまた会いたいです。

ケバブを食べに行きました

最後の授業終わり。友人が名付けた私のトルコ名はMERVEです

 テストが終わるとすぐにスペイン人の友人の実家にホームステイをさせてもらいました。友人の実家はレオン県にあり、パンプローナからは電車で4時間かかりました。レオン県はレオン大聖堂が主な観光スポットでカミノデサンティアゴの通過点でもあります。牛で作ったハムのセシーナがレオン県の特産です。レオン県の中心から車で約2時間のところには世界遺産に認定されているサラマンカがあります。友人のお宅にお世話になっている間は、スペインの家庭料理を沢山ごちそうになりました。その中でもスペインと言えばのパエリアは、そこらのレストランの味と比べ物にならない美味しさで感動しました。友人の家族と話す際は必ずスペイン語だったので、留学の最後にとてもいい練習になりました。レオン県で話されているスペイン語はなまりが一番少なく標準語に近いため、サラマンカ大学に沢山の語学留学生が勉強しに来ているそうです。さらに、レオン県にいる間にヨーロッパのチャンピオンリーグの決勝戦があり、レアルマドリードが得点するたびに叫び声と花火が上がるという場面も見ることができました。バルでの盛り上がりも凄まじかったです。

友人の祖父母にカードゲームを教えてもらいました

友人の祖母特製のパエリア

 帰国までの1週間ほどはパンプローナで出会った人たちに手紙を書いたり、部屋の片づけをしたりしながら、最後のパンプローナを楽しみました。最後の最後まで帰国する実感がわかず、なかなか荷造りに取り掛かれませんでした。タクシーに乗って空港に向かっている間にやっとこれからここを去るんだという実感がわき、涙があふれました。飛行機に乗ってからも涙が止まらず、私はきっと飛行機の中で変な日本人でした。
 帰国後はすぐに就職活動や卒論中間発表の準備、単位互換申請の準備などやらなくてはいけないことが目白押しでゆっくり休む暇もない状況でした。最近、帰国から1か月ほど経ち、やっと生活が落ち着いてきたかなというところです。よくわからないのですが、私は帰国後から、逆カルチャーショックのようで体調が悪い日が続いたり、気分がすぐれないことがありました。スペインでは受け入れられていたことが日本では受け入れられなかったり、これまで楽しんでいた人との会話をつまらないと感じたりすることにストレスを感じ、やることに追われているのに手に着かないという負の連鎖でした。日本人なのに日本に慣れるのに少し時間がかかりそうです。
 留学を終えて思うのは毎日本当に楽しかったということです。新しい価値観に触れて、面白いと思ったり、たまには理解できず自分の心の狭さを思い知ったり、そしてまた理解しあおうと意見をぶつけ合ったり。それができなくて悔しかったり。異文化と自文化に挟まれたり。自分を見つめなおしたり。毎日が発見の連続で刺激的な毎日でした。そしてたくさんの人と出会い、その分のお別れを経験しました。話せば必ず理解してくれる友人がすぐそばにいたのは、私にとって大きな心の支えでした。パンプローナで彼らに出会えたことに感謝です。さらにこのような貴重な経験をさせてくれた両親に感謝だと旅行中のウィーンで思いました。今まででこのように思ったことはあまりなかったので、感謝の気持ちに気づけたことも留学の一つの成長だと思います。留学後の就職活動は開始がほかの人よりも遅れるため不安でいっぱいでしたが、留学経験や留学で養ったコミュニケーション能力と寛容さが評価され、有利に働きました。就職活動を理由に留学をあきらめようとしている人にはぜひ留学という道を選んでほしいです。私はスペインに留学して本当に良かったです。
 7月中旬にパンプローナではサンフェルミン(牛追い祭り)が開催されました。友人らがサンフェルミンに参加している様子を写真や動画で見て、とても楽しそうで、私も参加したかったと思いました。いつかサンフェルミンに参加するためにまたパンプローナに戻ろうと思います。



プラサデカスティージョ、木曜日の夜はここに集合


AEPでバーベキュー




留学Before After サン・セバスチャン 去年の9月と今年の6月の写真です。5キロ増えました