ナバラ州立大学(2017年度交換留学生)国際文化学科4年 園田美海<4号 2018年3~4月>


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 授業の時間、日本では昼寝やスマホゲームをしている人がいますが、最近私は授業片手にサッカー観戦をしている人をよく見かけます。広場があればサッカーをしている少年たちがいて、サッカーの試合がある日には友人の家やバルに集まり、熱くなるどころではなく叫んでいるスペイン人らしさでしょうか。スペイン語の悪い言葉を覚えるには、サッカーの試合をスペイン人と観戦するのが一番の方法かもしれません。さて、後期の授業はスペイン語と英語、国際法の授業を履修しています。英語の授業ではアメリカ英語とイギリス英語の違いの解説もあるので面白いです。学生同士で話す機会もあり、仕事や家族のテーマで話している時に発見がありました。自分が就職して安定した収入がありながら両親と同居している場合、月々の食費や光熱費などを両親に払うかという問いに対し、スペイン人のクラスメイト全員が払わないと答えました。日本の感覚では払う人が多い気がしていたので驚きました。友人に話を聞くと、チームのように「助けて」と言われたら助けるが毎月払うことはまずないとのことでした。私が出会ったスペイン人家族たちは少し出掛けるのにもハグやキス、離れて暮らしている娘や息子とは毎日電話が当たり前で、子供の自立を良しとする日本とはまた違う親子や家族の関係性を感じました。
 3月8日の国際女性デーでは、女性は午後から仕事をストライキし、大学内や旧市街で行われるデモに参加していました。パンプローナは毎年7月に開催されるサンフェルミン(牛追い祭り)が世界的にも有名ですが、近年期間中に女性への性的暴行事件がいくつも起こっていて問題となっています。特に一昨年のサンフェルミンでは18歳の女性が5人の男にレイプ、撮影されるという事件がありました。この事件の判決が最近下り、彼らが性的暴行罪で有罪になったものの強姦罪で無罪になったことがスペイン全体で強い反発を呼んでいました。この国際女性デーにイタリアではミモザの花を男性から女性に贈るそうです。イタリア人のルームメイトが一緒に住んでいる女性全員にお花をプレゼントしてくれました。他の国の男性の友人らからはお祝いのメッセージも届き、国際女性デーがいかに大切にされている日か知ることができました。
 3月の後半から4月の第1週はイースターの休みでした。休みが始まる直前から県立大学の友人が遠方はるばる日本から遊びに来てくれました。パンプローナを案内したり、私のルームメイトとサッカーをしたりしました。休暇中は友人と共にイタリアとスイス、1人でポルトガルを旅してきました。途中、ローマでは町はずれの予約していたはずのB&B(bed and breakfast)が見つけられず、何度も電話をかけたのですが繋がらず、近所の人に尋ねてもたどり着いた先はガレージで、野宿を覚悟しました。結局、近所の方のご厚意で一泊だけその方のお家に泊めてもらい、次の日はその方の経営するB&Bにお世話になりました。イタリアの食文化や生活のことなど沢山お話を伺うことができ、貴重な体験になったと同時に、急にお宅にお邪魔したにも関わらず娘のように心配してくれ、感謝の思いでいっぱいです。受け取った親切をまた違う誰かへつなげていこうと思います。
 チューリップが見たかったため4月の終わりの土日を利用してオランダとベルギーにも行ってきました。隣接している国にもかかわらずこの2つの国の首都の雰囲気は全く違いました。大人の自由の街アムステルダムと、どこかアフリカのようなブリュッセルでした。日本にいると移民問題を微塵も感じませんが、言語や地理の関係上ヨーロッパには沢山の移民がいて、そこでの生活に溶け込んでいる人もいればホームレスになっている人も多いです。
 スペイン留学中にヨーロッパの国々を見てみたいと留学前から考えており、これまで行ってきましたが、旅先でたくさんの人に出会い、話を聞くことができ、私の世界はぐっと広がったように思います。ヨーロッパを舞台に活躍するフリーのインド人シェフ、たくさんの言語を操り船乗りをしながら体を鍛えるボクサー、訪れたことのある国は58か国という旅好きのエジプト人法律家、自分の国を愛してやまないゲイのおじさんなど、私は彼らから様々な生き方、考え方があることを学びました。留学生活や旅をする過程で、日本人、ましてやアジア人が自分1人だけという状況に置かれることもざらにあり、自分がマイノリティーであるという感覚も経験しました。留学期間もあと1か月を切り、帰国後は大学卒業後について本格的に考え動いていかなければなりません。ここで得たこと、体験したことが今後の人生の糧になると信じ、留学生活に有終の美を飾りたいです。

春になり近くの山に黄色い絨毯を見つけました。菜の花でした。

豚の血と米でできたソーセージ モルシージャ


ローマ、コロッセオの中身

ツェルマットのマッターホルン




キューケンホフ公園、オランダ

『フランダースの犬』でネロとパトラッシュが最後に見た絵、ベルギー