ナバラ州立大学(2017年度交換留学生)国際文化学科3年 園田美海<3号 2018年1~2月>

 ついに留学生活も残すところ3か月となってしまいました。ここでの生活を最後まで全力で楽しもうと思っています。1月、2月を振り返り思うことは、とても濃い2か月だったということです。スペインでの生活も半年を迎え、全てに慣れていたように思っていたのですが、カルチャーショック第二波は寒波と共に到来しました。
 1月は後期が始まるまで2週間ほど大学が休みだったので、アドリア海に面する国を回ってきました。イタリアのベネチア、スロベニアのリュブリャナ、クロアチアのザグレブとドブロブニクと4都市を回ったのですが、時期のせいかどこの都市でも日本人に会い、毎晩誰かと晩御飯を共にできるという楽しい旅になりました。この旅で出会った日本人は留学を終えて帰国前にヨーロッパを旅しているという人であったり、就職を控えて今のうちに世界を見て回っている人であったり、私と同じようにヨーロッパの国に留学中の人であったり、状況は様々でしたが皆同世代ということもあり、すぐに意気投合して留学中の話、旅の話、日本の話、将来の話など現地のお酒を飲みながら語らいました。海外で一定期間生活したからこそ見えてくる日本の現状や将来に対する考え方などとても興味深く、私自身考えさせられることも多かったです。良い出会いに恵まれたと思いました。


ベネチアでディナー。ホステルで出会った日本人と台湾人とベネチアンマスクと。

ドブロブニクの街 最後にやっと晴れてくれました。

 後期が始まり、第1週目はウエルカムウィークで後期から新しく来た留学生との交流イベントが毎日催されました。前期はヨーロッパ全体からとラテンの国々からの留学生が各国少数ずつ来ていた印象でしたが、後期はイタリアやアメリカ、エジプト、チリなど特定の国から多数の留学生が来ている印象でした。私の特に仲の良かった留学生たちのほとんどは後期が始まる前に帰国していたため、新しい友人を作るべくウエルカムウィークに参加しました。そこで感じたことは他国の留学生たちとの間に壁があるということです。同じ国から来た人が固まっていることも多く、自分からぐいぐい行かないとすぐに蚊帳の外でした。それでもいくつかのアクティビティに参加していくうちに話せる人が少しずつ増えていき、積極的に動くことの重要性を再認識させられました。自分から話しかけることはもちろん大切ですが、興味を持って話しかけてくれた人に対して、質問のされっぱなしになってしまっては相手にとって面白くない人で終わってしまいます。自分が相手に興味を持ち、どのようにそれを伝えられるかが要になってくると感じました。
 2月は朝起きると窓の外が突然銀世界になっていたりと寒い日が続きましたが、私のヒーローであるルームメイトの帰国から始まり、地元のサッカーチームの試合観戦、パンプローナのお祭りやカーニバル、バレンタインデーや中国の旧正月、カミノデサンティアゴという巡礼の道の一部を歩いたりとイベントが目白押しでした。


雪が降る中でOSASUNAの試合観戦。サポーターのヤジが強烈でした

パンプローナのお祭り

ピソ探しから悩み相談まで頼れるhermanoの帰国

カミノデサンティアゴを20キロほど歩きました
イタリア人の友人によるとWindowsの壁紙みたいな景色がずっと続き、綺麗でした

 さらに、日本に興味を持っているスペイン人との交流の機会を積極的にとることも始めました。これらのイベントやスペイン人との交流の中で、私は今までは感じていなかった日本とスペインの文化の違いをより知ることかできました。その一つはバレンタインデーに起こりました。日本人がチョコレートを渡すのは恋人に愛を伝えるためだけではなく、周りの人に日ごろの感謝の意を込めて渡す場合があると思います。私は後者の理由でルームメイトとお世話になっているスペイン人2人にチョコレートをプレゼントしました。スペインではバレンタインデーは恋人たちの日なのでスペイン人の友人に渡すと最初とても驚かれましたが、2人とも日本文化に興味を持ってくれているので「ホワイトデーにお返しするね」と喜んで受け取ってくれました。そして、彼らにルームメイトにもプレゼントしたという話をするとホワイトデーの話をしたのかと聞かれました。私はルームメイトにただ喜んでもらいたいとプレゼントしただけで、ホワイトデーにお返しを期待する気持ちもなかったので何も言っていませんでした。その旨を伝えると、それはスペインではありえないと言われました。個人差もあるとは思いますが、見返りを求めることを時におこがましいと感じる日本人の行動は、もらえるものは何でももらおうとするスペイン人にとって謙虚すぎるように映るようです。
 また、日本に興味を持っているスペイン人の友人2人ともが声をそろえて日本人の本音と建前が理解できないと言います。いつも本音が当たり前な彼らにとって、建前を使われていい気はしないようです。最近では私が何か言うと面白半分で「それは建前だね。」と言われたり、「本音で答えてね。」と言われたりすることがあります。確かにズバズバと物事を口に出すスペイン人にたまに驚かされることはありますが、かといって彼らが全く気を使っていないようには思えませんし、スペイン人には日本人とはまた違う本音同士のやり取りがあるように感じます。
 さらに、それぞれの国の女性問題を取り巻く文化的背景や若者の家族との関わり方、恋愛の進め方に至るまで、こんなにも考え方が違うのかと驚くことの連続です。それらを知ることでスペイン人の行動に納得できたり、より日本人らしさについて考えさせられたりします。新しい考え方を知ることはとても面白く、ますます興味が湧いてきます。
 最後に、トルコ人の友人が面白いことを言っていました。「日本人は失敗をした時にそれを自分の責任と思って自殺をするけど、トルコ人はそんなことはしない。なぜならトルコ人は全てが運命のせいだと考えるから。自分が失敗したのは運命のせいだから仕方ないと割り切る。失敗も成功も運命。あなたがここにいるのも全て運命。運命に信じる神など関係ない。」少し無責任な言い分にも感じますが、責任問題を気にしすぎる日本人にとって少し心の軽くなる考え方ではないかと思いました。スペインに来て半年たった今でさえ新しく知ることは底をつきません。何事もまずは深く考えすぎず、自分らしく体当たりの姿勢で臨んでいこうと思います。寒い季節が終わり、暖かい春のパンプローナが楽しみです。


家の近くの山口公園。桜が咲きそうです。