ナバラ州立大学(2017年度交換留学生)国際文化学科3年 園田美海<2号 2017年11~12月>


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 12月22日から1月7日まで、冬休みを利用してカナダ、イギリス、フランス、ドイツを回って昨晩パンプローナへ帰ってきました。パンプローナ空港へ着くと雪が積もっていて嬉しい気分になっていたのもつかの間、フランクフルトで預けたはずの私の荷物はパンプローナには帰ってこず、手ぶらの寂しい気持ちで家に帰りました。人生初のロストバゲージです。10日からまた出掛けようと思っていたので余計に焦り、朝起きてから保険会社や空港、航空会社に問い合わせの電話をしました。その結果、私の荷物は無事パンプローナに到着したことが確認でき、今は家まで配達されるのを待っています。感動の再会を果たしたいと思います。さて、クリスマスは友人を訪ねてバンクーバーで過ごし、ロンドンに移動して年を越しました。ロンドンのニューイヤー花火は必ず見たいと思っていたのでチケットを取って正面で見ることができました。12分間も続く花火は圧巻で、今年も良い1年になる予感がしました。途中で立ち寄ったベルリンでは奇妙な体験をしました。ベルリン中央駅に向かって1人で歩いている途中、橋を渡ろうとすると同年代ぐらいの女性に声をかけられました。彼女はきっと何かの募金と署名を呼び掛けていたのだと思います。私はただ橋を渡って駅に行きたかったので、その女性を断って進もうとしました。すると、周りにいた募金を呼び掛けていた人が、一斉に私の周りに集まってきてもみくちゃにされました。カバンも開けられている気がしたのですが、10人弱が一斉に来て抱きつかれたりしていて全く身動きが取れませんでした。そして、よくわからないまま解放されてカバンを確認するとやはり財布がなくなっていました。スリにあったと思って途方に暮れていたのですが、一応振り返ってみようと思って後ろの彼らを見ると、その中の1人が私の財布をなぜか渡しに来ていました。怖かったのですが、財布を受け取って中身を確認するとカードも現金もそのままで何も盗られていませんでした。カバンの中も何も変わってなく、何が起こったのか分からなかったのですが、本当に怖かったです。海外の恐ろしさと素晴らしさと、どちらも味わえた旅行になりました。
 12月の第1週は日本のゴールデンウィークのように祝日が重なって1週間まるまる休みになったので初めての海外一人旅に出かけました。ドイツのドレスデンで世界最古のクリスマスマーケットを見ることを目的にスロバキア、オーストリア、チェコ、ドイツ、デンマークを回りました。高校生の時、世界史で出てきた場所に自分が立っていることに感慨深さを感じました。ホステルで出会った人たちと友人になり、自分の国のことや旅した国のことなど情報交換できたのも良い思い出です。


ドレスデンのクリスマスマーケット

ロンドンのニューイヤー花火


 履修していたほとんどの授業は冬休みに入る前に終わりました。私は留学生向けのスペイン語の授業、世界の料理の授業、言語センターのスペイン語の授業を履修していました。料理の授業は素敵な人たちと出会うことができたので、履修して良かったと思っています。教えてくれるのはパンプローナの中心街でレストランを経営しているシェフで、最年少でピンチョと呼ばれるおつまみのコンテストで優勝した腕前の持ち主です。そして、一緒に授業を受けていたのは研究生や英語の先生、妊婦さん、図書館の司書さんや、やけに顔の広いおじいちゃんまで年齢も職業も個性も様々でした。留学してから周りが全員スペイン人だけの環境に置かれることはなかったので刺激的でした。毎回の授業では、異なる国の料理をシェフに習いながらみんなで作ります。いろいろな材料が用意されているのですが、みんな味見と称してつまみ食いをたくさんします。彼らによると、スペインには「遠慮をしていたら何も飲めないし何も食べられない。」という意味の諺があるらしいです。私も負けじと味見させてもらいました。授業も中盤に差し掛かると、皆打ち解けてお喋りが止まりません。何を言っているのか理解できない時もあったのですが、聞くと誰かが必ず教えてくれたので私も一緒に笑うことができました。料理の説明は全てスペイン語なのですが、興味深いことにほぼ毎回と言って良いほど日本の言葉が出てきました。代表的なのが「うまみ」や「出汁」などです。なぜか、えのきも「ENOKI」とパッケージに書かれていて面白いなと思いました。さらに、シェフの使っている包丁も日本製で日本の食文化の世界への広まりとレベルの高さを知ることができました。授業の終盤に、思わぬハプニングに見舞われました。なんと授業で使っていた棟が火事に遭い、使えなくなってしまったのです。そこで、シェフのレストランの厨房を借りて授業を続けることになりました。レストランの裏側に入れることはなかなかないので全員興味津々で、ポーズを決めて写真の取り合いっこをしました。料理の授業のクラスメイトとはシェフのレストランにランチやピンチョを食べに行ったり、シェフの出店するイベントに参加して一緒に食べて踊ったりしました。外国人でわけのわからない私を快く仲間に入れてくれたことがすごく嬉しかったです。また、ピンチョを食べに行きがてらパンプローナの歴史について教えてもらいました。パンプローナは昔、壁に囲まれた3つの国に分かれていて、ある王によって統一された後、領土を拡大していったそうです。そして、その3つの国の中心には現在市役所が建っています。ちなみに市役所の右隣の建物には一つだけ絵で描かれた窓があります。全く他と見分けがつかないほど忠実で、言われるまで気が付きませんでした。授業がきっかけで地元の人たちと話す機会ができたことは私にとってとても幸せなことであり、日本でもこんな授業があったら面白いだろうなと思いました。
 12月の中旬に私の大好きなルームメイトが1人、彼の国へ帰りました。コロンビア人の彼とは片言のスペイン語を使ってでしかコミュニケーションをとれなかったのですが、いろいろな問題を共に乗り越え、兄妹のように仲良しでした。これから、私を支えてくれた友人たちが続々と祖国へ帰ってしまいます。とても寂しいですが、いつか互いの国で再会する約束をして笑顔で送り出したいです。そして、新しい出会いを楽しみに新学期を迎えます。

料理の授業の最後の日、シェフにみんなでプレゼントした写真

授業で作った日本食、巻き寿司



ルームメイトが全員集まった最後の晩餐
各国の料理でお別れパーティー