ナバラ州立大学(2017年度交換留学生)国際文化学科3年 河野美咲<1号 2017年9~10月>


関連ワードで検索する

 スペインに留学して2か月が経ちました。最近は朝晩がとても冷え込みますが、昼間は日が照り、時には上着を着なくても良いほど暑い日もあります。つい先日、サマータイムが終了し、日本との時差が7時間から8時間になりました。日本には馴染みがありませんが、ヨーロッパや多くの外国では、夏場の日照時間を有効に使うために標準時間を1時間進めます。サマータイムが終了した日は1時間多く寝ることができ、得した気分になりましたが、同時に日が落ちるのが一段と早くなり、冬の訪れを感じています。この2か月はビザの手続きやピソ探しなどで、目まぐるしい毎日で生活に慣れるのに必死でしたが、最近は落ち着いてきています。

ビザの手続き

 長期留学をする際には、ビザの手続きを行う必要があります。各自で必要書類を揃えなければなりません。ビザが発行されるまで約2~3か月かかる上、東京で手続きと受け取りを行わなければならないので、余裕を持って行動しなければなりません。私は書類を揃えるのを5月くらいから始めたため、受け取りがギリギリになるのではないか心配でたまりませんでした。特に大変だったことは、入学証明書と無犯罪証明書の発行手続きです。入学証明書は原本が必要になります。4月頃にナバラ州立大学から入学手続きのメールが届くので、個人情報をスペイン語で入力します。スペイン語が全然分からなくて大変でした。そして自分が履修したい科目を仮で良いので送らなければなりません。大学のホームページから自分で探し、希望を出します。学科を問わず取りたい科目を取れるので、私は経済系や栄養系の科目の希望を出しました。また入学証明書の原本が届くまで2~3週間かかります。そこで問題だったのは、証明書に記載されていたパスポート番号が間違っていたことです。手続きの際に正確な情報を入力していても、こういうトラブルはあるようです。ちなみに私の友達もミスがありました。届いたらしっかり確認することと、恐れずに早急にナバラ州立大学へメールすることをお勧めします。なぜなら時差がある上、返信が早いわけではないからです。
 無犯罪証明書も必要書類を揃えて警察に行かなければなりません。私は地元が山口ですが、基本的には住民票があるところで行うようです。これも手続きと受け取りに2回行かなくてはならないので、余裕をもって準備すると良いです。
 スペインに着いてからも手続きは続きます。La oficina de extranjero で身分証明書を発行してもらいます。これがビザの延長手続きで、到着後1か月以内にしなければいけません。その手続きも行けばやってもらえるわけではなく、オフィスに行き、初めて必要書類の説明を受け、指定日時までに集めます。市役所で住民票を出してもらう必要がありますが、その予約を電話でします。電話でないと受け付けてくれません。また銀行にお金を払いに行かなければならず、バタバタします。住民票を出してもらう際には、ピソの契約書などが必要になるので、ピソが決まった時に一緒に契約書をもらっておくと困りません。指定日時に申請に行くと、指紋を取られます。そして、カードができるまで、約1か月かかります。
 ここまで長い道のりでしたが、カードができないと受けられないサービスもたくさんあるので、早く作る事をお勧めします。例えば、私は日本から荷物を送ってもらっていますが、1か月経ってもまだ届きません。まだマドリードにあります。なぜなら、様々な手続きの中で身分を証明しなければならないことがあり、これはパスポートでは通用しませんでした。

AEP


La Selva de Irati : ヨーロッパで2番目に大きい山に登りました。Oneday tripといい、AEPはいろいろなイベントを企画してくれます
 AEPはパンプローナの留学生のサポートをしてくれる団体です。サポートしてくれる人はほとんどが留学経験者で、スペイン人や南米の人もいます。現役大学生から卒業生までさまざまです。留学直前にナバラ州立大学からメールをもらい、留学生1人に1人ずつバディがついていました。私のバディは初日にパンプローナ駅まで迎えに来てくれ、ピソ探しも手伝ってくれました。何かあれば助けてくれます。また、AEPは毎週末にさまざまなアクティビティを計画してくれ、それに参加すればたくさんの留学生と交流を深めることができます。10月に、ナバラ州立大学が30周年記念で、留学生が自由に参加できるかくし芸大会があったので、一緒に来ている後輩が県立大学で同じダンスサークルに入っていたので、ダンスで出場することにしました。3日で仕上げましたが、優勝して一躍有名になり、それからたくさんの留学生に声をかけてもらえるようになりました。

家探し

 パンプローナに着いて1週間は、大学に近い寮に泊まりました。聞いた話によると到着後2~3日は無料で宿を貸してくれるところがあるようですが、私は見つけきれなかったので、1週間、朝食込みで3万ほど払いました。その間に家を探します。寮に住めば一人暮らし、ピソは大体シェアハウスになります。私は同時にホストファミリーも探してみました。3つを比べると、寮やホストファミリーは1か月の生活費がピソの2倍以上するので、高いです。メリットデメリットはあると思いますが、私はピソを探すことにしました。しかし、ピソ探しは簡単なことではありませんでした。私は3軒目でやっと今のピソに住むことができています。
 最初はAEPのバディに手伝ってもらいました。私のバディはとても親切な方で、スペイン語が理解できなかったので、ピソにアポを取るところからピソの見学まで付いて来てもらいました。最初のピソは三人暮らしで、既に2人の女の子が住んでいました。家はモダンな感じではなく、薄暗く、"the ヨーロッパ"といった雰囲気でした。光熱費込みで1か月が安かったので、そこに決めようと思い、またオーナーに「今日中に決めてくれ」と言われたため、その日の夕方には連絡をしました。「意外と簡単だった」と思っていたら、オーナーから2,3日間連絡が来なかったあげく「6か月(1セメスター)の子なら住めるからあなたは住めない、ごめんね」とメールが入り、一瞬にして頭が真っ白になりました。私が1年住むことや希望は全て伝えた上で見学に行ったのに、いきなり振り出しに戻されました。その時は寮に滞在できるのも残りわずかで、急いで次のピソを探しました。
 2軒目は自分でネットから気になるピソに電話をしました。オーナーは男性で英語が喋れたので、電話してすぐ見学に行きました。不安の中1人で行っていたら、道中で留学生に出会い、また彼らはスペイン語が話せる人たちだったので付いて来てもらいました。そこはオーナーと一緒に住むピソでした。私が住む頃には女の子の留学生1人が来ると言われ、他にピソを探している人を呼んでも良いと言われたので、女の子3人なら良いだろうと思い、そこに決めようとしていました。そして次の日に、そのピソに他の留学生と行き、紹介すると、オーナーは「女2人、男2人がいい」と言い、既に昨日はいなかった男の人が居たのです。さらに、もう1人の別の女の子もそこに住むか決めてはないとかで、昨日と言っていることが違うのです。結局、その家も断ることにしました。その帰り道、一緒に見学に行った留学生と途方に暮れていたら、別のピソを探している留学生と合流し、情報を共有し合っていました。私は疲れ果て、スペイン語も英語も頭に入ってきていませんでしたが、他の留学生がたくさん調べてくれました。
 ここで3軒目、今住んでいるピソに巡り合えました。たくさん他の留学生が調べて、アポを取ってくれたのに付いていくと、大学にとても近い7人で住むピソに着きました。部屋は4つあり、それぞれベッドが2つずつと、大きなリビングに広いキッチンがあります。現在、メキシコ人、中国人3人と私の5人で生活しています。全員女の子です。家賃は光熱費が含まれていませんが3万3千円くらいです。この値段はピソの平均相場より少し高いかもしれませんが、オーナーがとても詳しく家の事を説明してくれた上に、何かあれば助けてくれて、住みやすいので気に入っています。ピソ探しにおいて重要だと身をもって感じたことは、自分の条件はしっかり突き通すべきだということと、妥協で決めないことです。1軒目も2軒目も条件にあったところを探したはずですが、実際見学に行って住んでいる人や家の雰囲気を見て何か違うと感じました。言葉には表しにくいですが、どこか自分の心が落ち着かない感じがしました。私の場合、寮を出る期限が迫っていたので、尚更妥協で決めてしまいそうでしたが、今考えると、落ち着かない中慣れない生活をするのはとても大変だっただろうと思います。スペインに着いて早速上手くいかないことにたくさん直面しましたが、自分で行動しなければ何も始まらないということと、行動すれば周りの人が助けてくれる、助けを求めることが重要であることを学びました。ちなみに、寮は3日ほど延長しました。延長することは可能ですが、1泊が高いです。

大学

 大学は9月から始まります。その前に1週間ほど語学センターでスペイン語の授業を無料で受けることもできます。私はこのセメスターで語学センターのスペイン語の授業は取りませんでしたが、大学にも留学生用のスペイン語の授業があります。クラス分けがあり、私はビギナークラスからのスタートですが、次のセメスターでは上のクラスに上がれるように頑張ります。他にも、留学生用のスペインの文化を学ぶ授業もあります。政治や食文化について学んだりできます。授業は全てスペイン語で行われるので、最初はついていくだけで必死でしたが、2か月経つと先生の言っていることが聞き取れるようになりました。宿題をしっかりすることと分からない単語を調べることが大切です。 履修は留学生1人に1人ずつコーディネーターがついていて、その先生が履修のアドバイスをくれます。最初に書いたように、経済系や栄養系の科目に興味があり、それで履修を組んでいましたが、「これは難しい、これはできると思う」などたくさん先生からアドバイスをもらいました。時には先生が他の先生にコンタクトを取ってくれて、難しいか、そうではないか、聞いてくれました。日本では経済や栄養について特化した勉強はしてないので、その旨と自分の意思を伝え、今期は1つ経済の授業を取っています。「Economic of Health」という授業です。健康についての経済を学びます。保険の話や、患者と病院、国や県がどういう風に動いているのかを経済的に見ていきます。授業は英語です。この授業は、英語でさえも内容を理解することが難しいですが、英語の良い勉強だと思って日々頑張っています。評価がプレゼンとエッセイなので、単位をとれるように頑張りたいと思います。授業時間は県立大学と変わらず1時間半か、長くて2時間です。他の留学生はたくさん発言するので、恥を捨て自分から発言するように心がけるようにもなりました。
 大学にはサークル活動はありませんが、お金を払えば大学のジムを使って体を動かしたり、好きなスポーツやエクササイズのクラスを取ることができます。私はズンバを取りました。

生活

 日々の生活は2か月あれば慣れることができました。家から20分くらい歩くとショッピングモールがあるので、そこで買い物をしたり、この前は家の反対側の道にスーパーを見つけ、わざわざ遠くまで歩いて行かなくても買い物できることを知りました。生活に慣れたとは言え、まだまだ新しい発見の連続です。スーパーに売ってある食材は日本より安い気がします。1キロ単位で売ってあるものが多いので、1人分を買うのにそんなに高く感じません。

Pintxo:普通は1つ2ユーロくらい。パンプローナでは毎週木曜にJuevintxoがある
 毎週木曜日"Juevintxo"がありいくつかのバーで、2ユーロで1Pintxoと1杯飲み物を飲むことができます。"Pintxo"はスペインに欠かせない食文化の代表の1つです。普通はそれだけで2ユーロくらいするので、飲み物がついてくるのはお得です。飲み物は大体ビールかワインです。ジュースを頼む人はごくわずかです。ここでもスペインの文化を垣間見ることができるかと思います。何軒か回るのが普通のようで、木曜日は特に、街に若者からお年寄りまで集まります。
 日本や日本語に興味のあるスペイン人は少なくありません。山口図書館では毎月、スペイン人が日本の映画や日本についての本を読み、ディスカッションする会があるようです。私も1回だけ参加しました。また、私は日本語をスペイン人に教えています。空き時間を使ってなので、定期的ではありませんが、時間を有効活用することができます。私と同じくらいの年齢の人で日本語に興味のある人たちもたくさんいます。また、来週は幼稚園児に折り紙を教えることになりました。私が日本語や日本を教えることで、自分が自分自身の国について正確に知らなくてはいけないので、教える大変さももちろんありますが、多くの事を学ぶことができ、良い経験となっています。またスペイン語をスペイン人と話す良いトレーニングにもなります。

 もっとスペイン語が聞き取れて話せるように、今月からはルームメイトに「全部スペイン語で話してほしい」と宣言しました。日々の努力でいろんな経験ができたら良いと考えています。