ラップランド大学(2017年度交換留学生)文化創造学科4年 川口千穂<4号 2018年3~4月>


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 早くも第4回目の報告になりました。授業は全て終わり、残すはエッセイを書くのみです。第4ピリオドでは、フィンランド語(Finnish for Foreigners4)、テキスタイルデザイン(Printing Workshop)と歴史(Textile History)、建築デザインと歴史(History of Design and Architecture in Finland)について勉強しました。
 フィンランド語の授業は、1‐4の最後のレベルというだけあって、テストもこれまでのものに比べると難しかったです。何より、単語の量がかなり多いので大変でした。しかし、それだけフィンランド人と話せるようになるんだと思ってモチベーションを上げました。先生も全ての質問に積極的に答えてくれ、沢山褒めてくれるのでやる気が出ます。ここに来たばかりの時にできたフィンランド人の友人が、「本当によく学んだね、近くで見てきたから分かるよ」と言ってくれました。彼女ともフィンランド語で会話できることが多くなり、自分でも実感しています。なぜ勉強しているのかという明確な理由がないと言語は続けられる勉強ではないと思います。私は、フィンランド語しか話さない友人がこちらででき、彼と話せないことが本当にもどかしかったというのが勉強に力を入れ始めた一番の動機でした。これからここで学ぶ人に向けて、選択は自由ですが、私はフィンランド語を学ぶことをお勧めします。なぜなら、私は最後まで途中で辞めずに勉強してきて、フィンランド人との関係が新たに生まれたり、深くなったり、言語を知るというのは彼らを知る一番の有効な方法だったと思うからです。関係が深くなると、フィンランドらしい経験ができる機会が増えます。彼らも喜んでくれ、よく気にかけてくれるようになります。こちらで出会った留学生によく、「あなたはフィンランド人との関係が多くあって羨ましい」と言われます。確かに、住む場所も留学生用のアパートであったり、授業も留学生のみで受けることがほとんどであったりと、友人になるきっかけは少ないのかとも思いますが、私はとにかくフィンランド人が好きで、彼らの生活を知りたいと強く思ったので、自分から積極的にアプローチしました。機会は自分次第で沢山見つけて掴むことができます。初めに入学生と交換留学生に向けたイベントなどがあるので、よくチェックしてみてください。私はそこで出会った友人ととても仲良くなり、今度実家に招いてくれることになりました。本当に彼女にはたくさんのフィンランドらしいことを経験させてもらって、新しい出会いも与えてくれ、私は幸せ者です。他にも日本に興味を持っている人もいます。Café Linguaというカフェでお茶を飲みながら母国の言葉を教え合う企画があります。私は人に何かを教えたり、リーダーというポジションはあまり得意ではなく参加することをとても躊躇ったのですが、せっかく日本に興味を持ってくれている人がいたり、日本語を知りたいと勉強してくれている人がいるのに...と考え、日本語の先生のリーダーとして参加することにしました。毎回来てくれるフィンランド人の友人ができました。私もフィンランド語をときどき教えてもらったりと、とても楽しかったです。リーダーといっても堅い雰囲気のものではなく、どちらかというと一緒に゛日本語で゛お話をするという感じです。私は簡単にできるゲームを用意し、会話を広げていく方法を用いました。
 授業の話に戻ります。Printing Workshopは、テキスタイルデザインの授業です。今まで経験したことのなかったシルクスクリーンを作ることやリピートパターンのやり方について実践的に学び、テキスタイルデザインに非常に興味を持つようになりました。また、様々な国から来ている仲間に刺激を受けました。設備が整っているからこそできる授業だと思いますが、帰国後も続けたいです。中間発表で皆からデザインについての意見をもらい、改善し作品を仕上げました。最終プレゼンテーションを終え、最後に全員で展示を行います。展示をすることで第三者からの意見をもらえるのは貴重な経験でありがたいです。テキスタイルの歴史についての授業は、フィンランド語での開講であったためレクチャーを受けることはできませんでした。自分が興味を持ってるフィンランドのテキスタイルブランドに関する文献を読み、エッセイにまとめ、単位をもらうという形です。自分で調べ物をするいい機会ではありますが、レクチャーを受けることができないので、あまりお勧めしません。建築についてはこれまで触れてこなかった分野であったので、理解できるか不安だったのですが、専門的な内容というよりは、フィンランドの建築家や建物について幅広く知るというような入口のような内容でした。レクチャーの中には、ロヴァニエミのシアターを訪れ、普段は入ることのできない舞台裏や制作現場を見学させてもらう機会もありました。その経験ができただけでも、履修して良かったと思います。グループワークでのプレゼンテーションと個人で行うレポートが最終課題です。レクチャーの量自体は多くなく、基本的にはグループで調査を進めます。プレゼンテーションは、ロヴァニエミにある建物をひとつ選び、それについて調査し、発表、情報の共有を行いました。私のグループでは、ラップランド戦争で生き残った歴史ある典型的な建築様式の建物をテーマとして選びました。フィンランド語での記事ばかりであったため、翻訳するのに時間をとられましたが、これまで勉強してきたフィンランド語の能力が少しは役にたったと思い嬉しくなりました。専門的な建築用語はさっぱり理解できなかったのですが、調べれば調べるほど気になって、写真や他の記事を探しまくりました。そうしているうちに非常に楽しくなり、期待していたこと以上の発見もあり、面白い授業だったと思います。プレゼンテーションも、先生、仲間から高い評価をもらい、満足です。
 フラットメイトが国へ帰ったり、「帰国日はいつ?」と聞かれることが増えたり、ここでの生活も終わるんだなあと寂しくなります。本当に私の人生に影響を与え、一生大切にしたい出会いと思い出になりました。留学行きを認めてくれた家族、応援してくれた友人、指導をしてくれた両大学の先生方にはどう感謝すればいいのか分かりません。こんなに充実した留学生活はありません。留学前には、英語も苦手でデザイン力にも自信がなく、好きかどうかすら分からなくなった時期がありました。しかし、知らない世界を知りたい、もっといろんなものを見たいという好奇心に勝るものはありませんでした。英語に力を入れるきっかけにもなりました。未だに苦手意識は消えませんが、「あなたの英語の文章が好きだよ」と言われることがあったり、「プレゼンテーションがとても良かった」と言ってもらうことがあったり、もうちょっと頑張ってみようかなと動機づけられることがありました。できないからやらない、自信がないからやらないというのは言い訳にはできないと今思います。知らない単語があることが恥ずかしく、初めは辛かったですが、分からないことを聞くということほど成長できる方法はないということに気が付きました。友人との会話で分からない単語があった時、「○○ってどういう意味?」と聞いたり、「この言葉知らない!」と伝えることで、習得した単語が沢山あります。きっと、知らないふりをしたまま知らないままでほおっておいたらいつまでも知らないままなんだろうなと。英語が分かるというのはどれほど重要か身をもって経験しました。そして、モチベーションも能力も格段に高い海外の学生と一緒に学ぶことができたのもいい刺激になりました。ポートフォリオの作り方、作品の魅せ方、彼女たちのレベルの高さに驚かされました。また、学んだことをしっかりと結果として見える形で残すこと、まとめることの重要さも知りました。知らない人に学んだことを伝える方法はポートフォリオしかありません。それがないのは、やっていないことと等しい程です。なぜもっと早く気付かなかったのだろうと思いますが、ここで気付くことができたのでよかったです。
 さて、ロヴァニエミからは雪も消え始め、完全に凍っていた川も流れ始め、昼間は気温も20℃前後となり温かいです。自転車にも安全に乗れるようになりました。白夜も始まりました。暗くはなるのですが、完全に真っ暗になる時間帯はないです。今は、日の出が4時前後、日の入りが22時半頃です。私は、部屋が2階だということもあり、また、窓の前に木があり、木漏れ日に癒されるという理由もあり、実はカーテンを付けていません。でも、毎日しっかり寝ているので人によってはカーテンを買う手間が省けます。
 帰国まで約1か月半です。帰国後も取り組むべき課題が沢山あり、就職活動も卒業制作も待ち受けていますが、全てに全力を尽くせるようできることから始めていこうと思います。そして、これからラップランド大学での留学を考えている方、私にできる相談は喜んでお手伝いしますし、サポートしますので、気軽に声をかけてください!