桜の森アカデミー「やまぐち学マイスターコース」6次産業の実践

 「桜の森アカデミー」は、一般県民と学生が一緒に学びながら地域活動に貢献できる人材を育成することを目的とした共生教育の場です。
 「やまぐち学マイスターコース」では、人口減少が進む中での交流人口の拡大と、地域経済の活性化のため地域観光を支える人材育成を目的としています。
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 7月8日(土)、「やまぐちの産業」科目「6次産業の実践」講座のフィールドワークを行い、周南市で特産品の「長州じねんじょう」を活用し、生産の第1次産業、食品加工の第2次産業、販売の第3次産業、これら全てに総合的に関わる6次産業を実践している「やまいもまつり(有)」を訪問しました。

 まず、同社世話役の村田将弘さんから事業の概要について話がありました。やまいもまつり(有)では、「6次産業」という言葉が使われる以前から日本原産種の山の幸、自然薯の高付加価値産物に着目し、栽培から加工、販売までを実践してきました。
 1977年に自然薯山芋の採取と試験栽培に着手し、一村一品運動の草分けとして特産化を開始。その後、栽培技術の指導と産地化のノウハウの普及に努めました。また、加工品、新商品の開発にも着手し、2011年には農水省「6次産業化法」の事業計画に認定。2014年には「6次産業化推進シンポジウム」にて、全国優良事例ベスト6に選出され「農林水産省食料産業局長省」を受賞しました。
 長年の豊富な経験に裏付けされた話に、受講生はとても興味深く聞き入っていました。


 昼食は、併設の「自然生まつり」にて提供された‘十穀とろろ膳’でした。だし汁で伸ばしたとろろ汁、山芋とむかごの飛竜頭(ひりょうず)、山芋もちの入ったお吸い物など「長州じねんじょう」を堪能できるメニューです。


 午後は、実際に自然薯畑に行き、村田さんから波板を使う特殊な栽培方法の説明がありました。収穫した自然薯の保存施設や実際作業に使う農機具を見学しました。日頃農業に触れることの少ない受講生の目にはとても新鮮に映ったようです。


 また、自然薯は、グリーンカーテンとしてもとても有効で、一度植えれば毎年芽を出し、むかごの収穫もできるとのことで、受講生はとても関心を持っていました。


 現在は、村田さんの家族全員が「やまいもまつり(有)」に関わり、繁忙期には全国から「長州じねんじょう」の栽培や6次産業を学ぶために若い人たちが集まってくるとのことです。村田さんは「これからは「長州じねんじょう」の伝道師として、もっと全国に栽培方法など広げていきたい。」と楽しそうに話していました。
 今回の講義で受講生は、「長州じねんじょう」を通して、農業の6次産業化への理解が深まったようでした。