桜の森アカデミー「子育てマイスターコース」 -遊びの達人 沢歩きを通して-

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 8月3日(水)、「単元Ⅱ-3心とからだを育てるスキル(3) 自然」の「遊びの達人(3) 沢歩きを通して」(フィールドワーク)を山口市仁保の犬鳴の滝で行いました。

 この科目では、身近な自然に触れながらみんなで協力して野外活動に取り組むことで、助け合いやお互いを信頼する心を育てるとともに、子どもにとっての野外遊びの効果や、野外活動におけるリスクマネージメント(危機管理)についても学びます。
 講師は山口大学教育学部附属幼稚園教諭で山口県キャンプ協会の副理事長もされている高田和宜先生です。また、安全管理および指導補助として、国立山口徳地青少年自然の家の引地勝利氏にもご協力いただきました。

 まず前回学んだ「遊びを通してのグループ活動」の振り返りとして、講義がありました。1件の重大事故の陰には29件の小さな事故、さらにその奥に300件の小さな異常が隠れている「ハインリッヒの法則」や、危険の外的要因・内的要因について再確認しました。そして、蜂などの危険動物や転びそうなときの体勢、ロープの持ち方、人と手を組むときの組み方など具体的に説明があった後、ライフジャケットとヘルメットで身支度をして沢へ出発しました。


 沢に入ると水は冷たく、底も平らではなく、砂利に足が取られるところがあったり、岩がいくつもあり凸凹していてつまづいたり、岩の表面がぬるぬるしていて滑ったりと、足元を一歩一歩確かめながら歩きました。受講生はお互いに「ここ深いよ。ここ滑りやすいよ。」と声かけしながら進みました。
 途中には小さな滝がいくつかあり、自分の力だけでは登れないことも。その時は講師の先生や受講生が上から引っ張り上げ、下からは持ち上げてサポートし、協力し合って幾つもの難所を越えました。


 最後の難所の滝つぼは、足が届かないくらい深く水量も多いのですが、ロープを伝って滝の下まで行き、水に押し戻されながらも助け合い、参加した受講生全員が滝を登りきりました。
 みんなが登った後は、講師の先生のお手本に続いて約2メートル下の滝つぼにドボン!受講生は疲れた様子を見せつつも、童心に返ったのかやり切ったという達成感にあふれた表情でした。


 沢歩き終了後は、今回の経験をどう生かしていくのか、子どもたちと一緒にどうリスクと向かい合うのかを考えました。今回の経験を通じ、危険が付き物の野外活動において全て危険を取り除くのではなく、「ハザード」と「リスク」を区別し、教育的成長には欠かせない自ら挑戦する危険「リスク」をできるだけ残すことの重要性を実感することができました。また、「挑戦する場はスモールステップでの達成感が感じられると続く」ということを体感する機会にもなりました。