下関・釜山・対馬へのボーダーツーリズム、モニターツアー開催報告


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 本学が推進している「地(知)の拠点整備事業」(COC事業)では、山口県の地域課題解決に向けて「やまぐち学」研究チームを構成し、山口県のインバウンド観光に関する研究を行っています。

 この研究の一環として3月20日(月)から3月24日(金)にかけて「下関・釜山・対馬へのボーダーツーリズム、モニターツアー」を開催しました。

 ボーダーツーリズム(国境観光)とは国境に面している国同士の行き来を観光という側面から促進し、国境を「行き止まり」でなく「交流地点」としてとらえ直した上で、相互理解や経済交流などを図ろうとするものです。

 日本初の国境観光が行われたのは2015年とされており、まだこれから発展する領域です。境界地域の自治体や境界研究者などから構成される「境界地域研究ネットワークJAPAN(略称:JIBSN)」などにより、これまでに稚内―サハリン、福岡―対馬―釜山、与那国―台湾などが実現されています。
 そこで、福岡―対馬―釜山を、山口発の下関―釜山―対馬として企画し、試行してみたのが今回のモニターツアーです。

 学生、市民、日本とアメリカの研究者が参加し、様々に意見を交わしつつ旅をしました。
 下関から関釜フェリーに乗り国境を越える前に、下関の中にある「境」をたどって街を歩き、次に釜山にある日本を感じ、さらに対馬で見る日本と韓国の今(人口約4万人の島に、韓国からの観光客が26万人)という現場を歩きました。 3月半ばの暖かい風に吹かれながら、菜の花の黄色と海の青さ、そのすぐ先にある釜山という光景を目に焼き付けることができました。また、戦前には山口から対馬や中国まで海を行き来した人々もいたことにも思いを馳せることができました。
 これらの成果を次の国境観光の企画に活かして、引き続きインバウンド観光に関する研究を進めていきます。