新学術領域に対する学際的な国際的共同研究モデルの開発


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『韓国の格差社会の政治争点化』を事例に

 この研究は、平成20年度から文部科学省が新学術領域研究(研究領域提案型)と新学術領域研究(研究課題提案型)に対する科学研究費補助金の配分を開始したことを受けて、その獲得に向けて態勢を整えるべくして企画されたものです。韓国における格差問題の政治争点化という本研究のテーマは、政治学や社会学といった個別ディシプリンが単独で扱えるものではなく、本来的に学際的かつ国際的な共同研究が必要とされる新学術領域研究です。採択に向けた準備段階として、まずは現実的な範囲内で研究を開始しています。
 その中で、すでに次のような成果を挙げることができています。
 
  • 第1に、「統合と分裂の韓国政治:第17代大統領選挙(2007年12月)に対する分析」を朴賛郁教授(ソウル大学校政治学科)と共著で執筆しました。これは、日本選挙学会編『選挙研究』24巻2号(近刊)に掲載される予定です。
  • 第2に、長谷部恭男・杉田敦『これが憲法だ!』(朝日新書、2006年)を金一栄教授(成均館大学校政治外交学科)とともに韓国語に 翻訳し、『憲法論争:民主主義対立憲主義(仮題)』としてノンヒョンから出版予定となっています。
    これらは両方とも国外の研究者とのコラボレーションの成果です。
  • 第3に、「アジア市民社会研究」ワークショップ(2008年11月9日)や韓国選挙学会年次大会(2008年11月14日)などに積極的に参加し、今後、同様の競争的資金に再び応募する可能性を念頭に、国内外の研究者とのネットワーキングやシーズ・二ーズの把握を行いました。
 
 国際共同研究の推進は、本学の進める「共同研究の積極的展開」や「国際化の推進」に合致し、「大学の本分である『教育・研究』のレベルを高めること」で、地域社会はもちろん、広く国内外に「情報発信できる大学」の一翼を担うものと思われます。「種を蒔かないところに実はならない」との心情で、今後も種蒔きをつづけていきたいと念じています。